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あなたの寿命を縮める「座り過ぎ」 シドニー大学の追跡研究等で明らかに

座りすぎ,影響
(画像= minaa_key / 写真AC、La Caprese)

『老人と海』『誰がために鐘は鳴る』『武器よさらば』などで知られる米国の文豪、アーネスト・ヘミングウェイ(1899年~1961年)。綺羅星のような名作の数々を発表した文豪ヘミングウェイが、原稿を立って執筆していた話は有名である。まず、胸の高さまである本棚の上に書見台とタイプライターを置く。書見台で手書きの草稿を執筆し、推敲する。そして、推敲した草稿をもとにタイプライターに打ち込んでいく。

実は筆者もヘミングウェイに倣って、スタンディングデスクにノートパソコンを置いて執筆や編集を行なっている。7年ほど前にホームセンターにて、1,000円で購入した木製の組み立て式のスタンディングデスクなのだが、なかなか使い勝手がよくて気にいっている。

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1日1時間テレビを視聴すると寿命が22分短くなる

ちなみに、近年はパソコンの使用やテレビの視聴など、座って行う「座位行動」が長時間になると、さまざまな健康リスクが増加する研究成果が報告されている。

たとえば、オーストラリアのシドニー大学が約22万人を対象に3年間追跡した研究では、座って過ごす時間が長い人ほど、がんや脳卒中、心臓病による死亡率が上昇することが判明した。同研究では1日のうちに11時間以上座って過ごす人は4時間未満の人に比べて、死亡率が40%高かったと報告されている。

また、クイーンズランド大学の公衆衛生学部の調査研究によると、1日のテレビの視聴時間が6時間の人とテレビをまったく見ない人とを比較した場合、1日6時間見る人の平均余命は4年8カ月も短いことが判明した。この調査ではテレビを1日1時間視聴すると寿命が22分短くなる、と報告している。テレビの視聴はもっとも代表的な「座位行動」の一つでもあるが、寿命にも大きく影響を及ぼすことが明らかになっている。

他方、米ハーバード大学の公衆衛生学部の調査研究では、テレビの視聴時間が1日あたり2時間増えると心臓病のリスクが15%、糖尿病のリスクが20%、早死のリスクが13%高まるとの報告もある。

日本人は世界一「座位時間」が長い

そうした中で、気がかりなのが日本人の「座位時間」だ。

2011年にシドニー大学が実施した『世界20か国における平日の総座位時間』調査では、日本がサウジアラビアと並んで1日あたり420分(7時間)と最長だったことが判明した。これは20カ国・地域の平均的な1日あたりの座位時間の300分を40%(120分=2時間)上回る計算である。詳細は下記の「グラフ1」を参照してほしい。

座りすぎ,影響
(グラフ1)

日本は世界有数の長寿国であるが、同時に「寝たきり大国」でもある。厚生労働省の『令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える』によると、2016年の日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳で上昇傾向にある。しかし、下記の「グラフ2、3」が示すように「健康寿命」は男性72.14歳、女性74.79歳であり、平均寿命とはそれぞれ約9年、約12年の開きがある。

座りすぎ,影響
(グラフ2)
座りすぎ,影響
(グラフ3)

あくまで平均ではあるが、男性は最後の約9年間、同じく女性で約12年間はさまざまな病気等で「寝たきり」などの健康問題を抱えて過ごすリスクを内包していることになる。冒頭で紹介した通り、近年は手頃な価格でスタンディングデスクも購入できるので、まずはなるべく「座り過ぎない」ことを意識して、生活習慣の改善を心がけてみてはいかがだろうか。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

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