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筋トレをする人に「美肌」が多い理由 ポーラ化成工業 「筋肉と肌の関係」の研究成果

筋トレ,肌がきれいになるウェルビーイング
(画像= Gursimrat Ganda / Unsplash、La Caprese)

習慣的に運動をしている人に対し「肌がきれいで生き生きとしている」という印象を抱いている人は90%に達する。――2018年、ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業が、東京在住の40代~50代の女性119 人に実施したアンケート調査で、そのような結果が明らかになった。

ポーラ化成工業は、上記アンケート結果を受けて「筋肉が肌に影響しているのではないか?」と考え、「筋肉と肌の関係」について研究を重ねてきた。そして、後段で述べる通り、体重当たりの筋肉量が多い人ほどシミやシワが少なく肌状態が良いこと突き止めた。さらにシミが少ない原因として、筋肉から分泌されるホルモン様物質(マイオカイン)の一種である「マイオネクチン」が関わっていることが示唆されることも明らかになった。

今回は、ポーラ化成工業の「筋肉と肌の関係」についての研究成果を紹介したい。

加齢と紫外線を受けても「シミができない人」が存在する

2018年9月、ドイツのミュンヘンで開催された『第30回 国際化粧品技術者会連盟世界大会』の口頭発表部門において、ポーラ化成工業は「加齢と紫外線を受けてもシミができない人が存在する」こと、そしてその秘密を解く鍵が「筋肉」にあることを発見したと発表した。

具体的には、最先端テクノロジーを用いたゲノム研究(GWAS)で「シミができない体質の人は、生まれつき筋肉の性質が異なる可能性がある」こと、また、体重あたりの体幹と下半身の総筋肉量が多い人ほど、顔のシミが少ないという事実を突き止めたのである。

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出典:ポーラ化成工業

加えて、身体の筋肉と顔のシミの関係について、血液成分の解析と培養皮膚細胞を用いた検証を行ったところ、筋肉でつくられる「マイオネクチン」という物質が血液成分として皮膚に運ばれ、シミのもとであるメラニンの生成を抑えていることも示唆された。前述の通り、「マイオネクチン」は筋肉から分泌されるホルモン様物質(マイオカイン)の一種であり、人間は自らの筋肉でシミ抑制物質をつくり出していたことが明らかになった。

さらに、研究では体の筋肉量が多いほど、シワや毛穴の目立ち、色ムラなどが少ないことも明らかになった。このことから、筋肉は様々な美肌作用を秘めている可能性が示唆されたのである。

8週間で「シミとシワが有意に減少」

上記を踏まえ、ポーラ化成工業は「運動習慣として体操を生活に取り入れることで、肌状態が改善するのではないか?」との仮説を立て、検証を行なった。その検証結果は2020年2月4日に発表している。

具体的には、運動習慣のない35~39歳の11名に、ストレッチや体幹を刺激する体操メニューを毎日自宅で実施してもらうというもの。結果は、体操を生活に取り入れてから8週後にシミとシワが有意に減少したことが確認された。ポーラ化成工業はこの原因について、体操による筋肉への刺激で、シミやシワに関わる「マイオカイン」の分泌が促進され、皮膚に作用した可能性が考えられる、との見解を示している。

ちなみに、この検証では4週後からストレス状態の指標の減少も確認されている。このことから、体操が肌の改善のほか、自己肯定感の向上やストレス低減にも働く可能性が明らかとなった。

筋トレをする人は「顔のシミ、シワ、たるみが少なく」若々しい印象を与える?

さらに、ポーラ化成工業は2020年10月にオンラインで開催された『第31回 国際化粧品技術者会連盟世界大会』において、『運動と美 ~筋トレが皮膚老化を改善する~』とのタイトルの研究成果を発表している。

この研究は、(1)運動の種類における皮膚への影響と、(2)そのメカニズムを解明する、というもの。40代~50代の女性に対して、「有酸素性運動(エアロバイク)」か「筋トレ」のどちらかを週2回、16週間行ってもらい、皮膚状態および血中成分の変化を調べた。

結果は、どちらの運動でも加齢で悪化する皮膚弾力と真皮の構造の改善が確認された。これは、運動により血中成分が変化し、影響を受けた皮膚の細胞(線維芽細胞)が真皮を構成する成分をたくさんつくるためと考えられる。

この研究で特筆されるのは、筋トレにおいて特に真皮の厚みの増加が認められたことだ。ポーラ化成工業はこの点について、筋トレでは「バイグリカン」という真皮を構成する成分が増加することで、真皮の厚みが増加することが示唆されたとしている。真皮が厚い人は顔のシミ、シワ、たるみが少なく、若々しい印象を与えることが明らかになり、筋トレは「はつらつとした肌」を実現する手段になる可能性が示された。

「マイオネクチン」の産生を増やす素材とは?

2021年11月30日、ポーラ化成工業は、新たに、(1)マンゴージンジャーエキスが筋細胞での「マイオネクチン」の産生を増やすこと、(2)「マイオネクチン」は皮膚の細胞において、メラニン生成の抑制以外にも「炎症因子の抑制」や「メラニンキャップの分解促進」など、シミなどの色素沈着予防・改善につながる複数の働きを持つという研究成果を発表している。

マンゴージンジャーエキスは、マンゴージンジャー(学名:Curcuma amada)の根茎の抽出物のこと。生マンゴーのような芳香とショウガの風味を持つショウガ科の香辛野菜で、インドでは根茎がピクルス(漬物)などに加工され、結婚式など特別な行事の料理に用いられる。

前述の通り、「マイオネクチン」は筋肉量が多いほどたくさんつくられることが明らかになっている。しかし、筋肉量を増やすのは簡単なことではない。そこで、筋細胞を使った実験で、筋肉量が同じでも「マイオネクチン」がより多く分泌されるさまざまな素材を評価した。その結果、マンゴージンジャーエキスに「マイオネクチン」の産生を増やす効果があることを見出した。

一方、「マイオネクチン」の表皮細胞への影響を追求したところ、新たに物理的刺激による炎症因子の増加を抑制する働きと、凝集したメラニン「メラニンキャップ」の分解を促進する働きを併せ持つことを突き止めた。これらの発見により、マイオネクチンは複合的にシミなどを抑制していることが示唆されたのである。

以上の通り、近年はポーラ化成工業の研究で「筋肉と肌の関係」の解明が着実に進んでいる。そう遠くない将来、同社の研究開発により、美肌をもたらす画期的な製品が登場することを期待したい。■

(La Caprese 編集部)

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