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チョコレートの原料「カカオ」に健康寿命を延ばす効果――明治の研究成果

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(画像= Tetiana Bykovets / Unsplash、La Caprese)

2022年8月2日、大手食品会社の明治はチョコレートやココアの原料であるカカオに「健康寿命」を延長する可能性があると発表した。東京工科大学の応用生物学部免疫食品機能学研究室の今井伸二郎教授、山梨学院短期大学の食物栄養科の萱嶋泰成教授らとの共同研究で確認された。

筆者は自他ともに認める健康オタクであり、明治の「チョコレート効果 カカオ72%」を毎日摂取している。一箱26枚入りのビターチョコレートで、1日2枚ずつ摂取している。言うまでもなくカカオの健康効果を理解したうえで摂取しているのであるが、「健康寿命」を延長する可能性があるとは驚きである。

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日本人男性の平均寿命が93歳まで延びる?

明治のプレスリリースによると、研究グループはカカオ成分の一種である「脂肪酸トリプタミド」を摂取することで、生命維持に重要な「サーチュイン」という酵素が特異的に活性化し、ショウジョウバエの寿命が延長することを確認した。

研究ではショウジョウバエに「脂肪酸トリプタミド」を添加したエサを食べさせたところ、通常のエサに比べて平均寿命が4日間、14%程度延びた。これを人間に置き換えると、たとえば日本人男性の平均寿命81.6歳(厚生労働省令和2年簡易生命表)が93歳まで延びる計算となる。

生命維持に重要な酵素である「サーチュイン」の活性化は老化抑制に有効で、肥満や糖尿病などのメタボリックシンドロームの予防にも効果があることが知られている。今回の研究を通してカカオの継続的摂取が単に寿命を延ばすだけでなく、「健康寿命」の延長につながる効果がある可能性が明らかになった。

気になる平均寿命と「健康寿命」の開き

ちなみに、厚生労働省の『令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える』によると、2016年の日本人の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳で上昇傾向にある。しかし、下記のグラフが示すように「健康寿命」は男性72.14歳、女性74.79歳であり、平均寿命とはそれぞれ約9年、約12年の開きがある。

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厚生労働省のe-ヘルスネットでは、健康寿命を「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」としている。裏を返せば、認知症や介護など健康上の問題で日常生活が制限される状態が、男性で約9年、女性で約12年も強いられることを意味する。

高齢化社会が進行するなか、明治の研究成果は朗報である。しかし、カカオを摂取することも大切であるが、同時にウォーキングや筋トレなどの適度な運動や、バランスのとれた食事を心がけるなど一人ひとりが「健康寿命」を延ばすためのリテラシーを高め、実践することがより重要といえそうだ。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

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