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「気持ちが落ち込むと、肌も落ち込む」――ストレスと肌の関係が明らかに 丸善製薬の研究成果

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(画像= Artem Kovalev / Unsplash、La Caprese)

精神的ストレスによる肌トラブルは、多くの消費者が実感する体感性の高いテーマである。

植物を中心とする天然物より、医薬品や化粧品、食品の原料を製造する丸善製薬(広島県尾道市)によると、ストレスを感じている人の多くは肌荒れ、かゆみ、ニキビといったさまざまな肌トラブルを実感していることがアンケート調査などから判明しているという。また、ストレスによる肌トラブルの原因物質として「ストレスホルモン」とも呼ばれるコルチゾールが知られており、肌バリア機能の低下やコラーゲン量の減少などへの影響も報告されている。

興味深いのは、丸善製薬の「心と肌の関係」に着目した研究である。本研究で3種のストレスモデルを用いたコルチゾールによる肌への影響を検討したところ、「慢性的ストレス状態」を再現した表皮角化細胞において「コルチゾール代謝酵素(11β HSDs)」の働きを介してコルチゾールの感受性が高まり、表皮バリア機能の低下が引き起こされることが確認された。さらに本研究では、慢性ストレスによる肌への悪影響を低減する効果が期待できる機能性素材として「レイシエキス」を見出している。

今回は丸善製薬の「心と肌の関係」に着目した研究成果を紹介したい。

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ストレスによる肌トラブルの原因物質「コルチゾール」

コルチゾールは生体の恒常性維持のために必須であり、すべての人が日常的に影響を受けているホルモンである。その一方でコルチゾールは「ストレスによる肌トラブル」の原因物質としても知られており、肌バリア機能の低下やコラーゲン量の減少などへの影響が報告されている。

このような状況下、丸善製薬は「なぜコルチゾールによる肌トラブルが生じる場合と、生じない場合があるのか」という疑問から着想を得て、コルチゾールが肌に影響を与えるメカニズムについて詳細に検討し、ストレスによる肌への影響を低減する機能性素材の探索に取り組んできた。

まず、今回報告された研究では、表皮角化細胞を用いてコルチゾール処理条件がそれぞれ異なる、(1)「ストレスフリーモデル」、(2)「一時ストレスモデル」、(3)「慢性ストレスモデル」を確立し、細胞内コルチゾール濃度を調整する「コルチゾール代謝酵素(11β HSDs)」と肌バリア機能形成への影響をそれぞれ評価した。

結果は「一時ストレスモデル」においてコルチゾール(活性型)をコルチゾン(不活性型)へ変換する酵素である11β HSD-2の発現量が増加(=細胞内のコルチゾール濃度を低下させやすい状態に変化)していることが認められた。このことから「一時的に高まったストレス」においては、通常の状態に戻そうとする機能(フィードバック機能)が正常に働いていると推察される。

一方、「慢性ストレスモデル」では11β HSD-2の発現量に変化はなく、コルチゾンをコルチゾールへ変換する酵素である11β HSD-1の発現量が増加(=コルチゾール濃度を低下させにくい状態に変化)していることが認められた。このことから、細胞がストレスによる影響を受けやすい、コルチゾールへの感受性が高まった状態に変化していると推察される。

つまり、「一時ストレスモデル」では通常の状態に戻そうとする機能(フィードバック機能)が正常に働いているのだが、「慢性ストレスモデル」ではコルチゾールの感受性が高まり、表皮バリア機能の低下が引き起こされることが確認されたのである。

表皮バリア機能を回復させる機能性素材「レイシエキス」

ちなみに、丸善製薬は本研究において、「慢性ストレスモデル」で低下する表皮バリア機能を回復させる機能性素材を検討したところ、「レイシエキス」にタイトジャンクション関連遺伝子発現量の回復作用と、電気抵抗値を指標としたバリア機能形成促進作用(=表皮バリア機能の低下を回復させる効果)が確認された。

なお、本研究成果については2022年9月19日~22日に開催された『国際化粧品技術者会連盟(IFSCC) 2022 ロンドン大会』において技術発表されている。

丸善製薬は、今回の研究成果を踏まえ「気持ちが落ち込むと、肌も落ち込む」という、多くの消費者が日々の生活の中で実感する症状を緩和することを目的とし、さらなる皮膚生理学的研究と、消費者の「悩みによりそう」化粧品原料の応用開発を推進する方針である。

引き続き、丸善製薬の取り組みに注目しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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