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フレイルってなんだ?――タニタ『人生100年時代の健康とフレイルに関する調査2022』

フレイル,とは
(画像= Beruta / 写真AC、La Caprese)

「フレイル」をご存知だろうか? 健康総合企業のタニタが2022年9月15日に発表した『人生100年時代の健康とフレイルに関する調査2022』では、フレイルについて「加齢に伴い心身の活力が低下するとともに、社会的なつながりが薄れている状態を指し、“健康な状態”と“要介護状態”の中間の段階といわれている」(4頁)と解説している。

タニタは日本で初めて「ヘルスメーター」と命名した家庭用体重計を製造・販売したほか、世界で初めて体脂肪計や体組成計を製造・販売した企業でもある。1923年(大正12年)に谷田賀良倶商店として創業した同社は、先進の健康機器を提供する企業として社会に貢献している。

今回は、タニタが全国の40歳以上の男女2,500名を対象に実施した『人生100年時代の健康とフレイルに関する調査2022』の中から、「フレイルに関する意識・実態」についてグラフを交えながらみてみよう。

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フレイルの認知率は40%強、55歳未満は30%に満たない結果に

まず、「フレイルという言葉を知っているか」との設問に対して、「内容まで知っている」と回答した人は15.8%、「聞いたことはあるが、内容は知らない」が26.1%で、両者を合わせた認知率は41.9%となった。一方で、「聞いたことがない」と回答した人は58.1%と過半数を超える結果となった。

フレイル,とは
(グラフ1)

年齢別にみると、75歳以上の認知率が半数を超えた(75歳~79歳62.0%、80歳~84歳56.0%、85歳以上52.2%)のに対して、55歳未満の認知率は30%未満(40歳~44歳28.0%、45歳~49歳29.6%、50歳~54歳25.6%)にとどまる結果となった。

一方、フレイルについて具体的な内容まで知っている人(395名)に、「フレイルになると起こることとして知っているもの」(複数回答)を聞いたところ、「認知症リスクが高くなる」と「転びやすくなる」との回答が同率の83.8%と突出して高い結果となった。次いで、「病気の回復が遅くなる」58.0%、「疲れやすくなる」57.7%、「怪我の回復が遅くなる」54.4%と続いている。

フレイル,とは
(グラフ2)

後期高齢者の3人に2人がフレイル健診を「受診していない」

75歳以上の人(750名)に「(2020年4月以降に)後期高齢者医療制度で行われる健康診査(フレイル健診)を受診したか」との設問に対しては、「受診した」と回答した人は23.1%、「受診していない」と回答した人は66.8%で、3人に2人が「受診していない」ことが明らかになった。

フレイル健診とは75歳以上の人を対象に行われる健康診査である。実際の健診では、フレイルの状態になっているかどうかをチェックする質問票が用いられる。制度がスタートして2年が経過しているものの、現時点ではまだ受診していない人が多い状況が浮き彫りとなった。

フレイル,とは
(グラフ3)

ちなみに、男女別・年齢別では、75歳~79歳の男性で「受診していない」と回答した人の割合が76.8%と特に高い傾向が認められた。

「自身がフレイルになることが心配」が60%を超える

自身がフレイルになることについて「どのくらい心配か?」聞いたところ、「非常に心配である」が13.9%、「やや心配である」が47.3%で、両者を合わせた61.2%が心配していることが明らかになった。一方、「全く心配ではない」が9.3%、「あまり心配ではない」は29.5%で、両者を合わせた38.8%が心配ではないと回答している。

フレイル,とは
(グラフ4)

年齢別でみると、「心配である(計)」と回答した人の割合は、50歳~54歳が70.0%ともっとも高く、次いで45歳~49歳の69.2%、55歳~59歳および60歳~64歳が同率の66.8%と続いている。

ちなみに、フレイルになることが心配と回答した人(1,531名)に「どのフレイルになることが心配か」(複数回答)聞いたところ、「身体的フレイル……筋力低下、口腔機能の低下など」が75.8%ともっとも多く、次いで「精神的フレイル(心理的・認知的フレイル)……うつ、認知機能低下など」が59.8%、「社会的フレイル……閉じこもりがち、孤立など」が29.7%と続いた。

フレイル,とは
(グラフ5)

親がフレイルになることが心配?

タニタは親がフレイルになる可能性についても質問している。

まず、父親がいる人(722名)に、自身の父親の状況を聞いたところ、「フレイルでも要介護状態でもない」が93.5%、「既にフレイルになっている」が1.5%、「既に要介護状態になっている」が5.0%となった。

一方、母親がいる人(1,115名)に、自身の母親の状況を聞いたところ、「フレイルでも要介護状態でもない」が92.3%、「既にフレイルになっている」が1.3%、「既に要介護状態になっている」が6.4%となった。

父親がフレイル・要介護状態のいずれでもない人(675名)に、「父親がフレイルになることについて、どのくらい心配か」の設問に対しては、非常に心配と、やや心配を合わせた「心配である」が57.2%、あまり心配ではないと、全く心配ではないを合わせた「心配ではない」は42.8%となった。

フレイル,とは
(グラフ6)

同じく、母親がフレイル・要介護状態のいずれでもない人(1,029名)に、「母親がフレイルになることについて、どのくらい心配か」の設問では、非常に心配と、やや心配を合わせた「心配である」が60.2%、あまり心配ではないと、全く心配ではないを合わせた「心配ではない」は39.8%となった。

フレイル,とは
(グラフ7)

親がなると心配なフレイル の第1位は?

父親がフレイルになることが心配な人(386名)に、「父親がどのフレイルになることが心配か」(複数回答)聞いたところ、「身体的フレイル」が78.5%、「精神的フレイル(心理的・認知的フレイル)」が54.9%、「社会的フレイル」が32.1%となった。

フレイル,とは
(グラフ8)

同じく、母親がフレイルになることが心配な人(619名)に「母親がどのフレイルになることが心配か」(複数回答)聞いたところ、「身体的フレイル」が79.0%、「精神的フレイル(心理的・認知的フレイル)」が61.6%、「社会的フレイル」は30.9%であった。

フレイル,とは
(グラフ9)

いくつになっても「活動的でフレイルにならない」と思う芸能人

今回の調査では、全回答者(2,500名)に「いくつになっても活動的でフレイルにならないと思う芸能人とキャラクター」についても質問している。

「芸能人」の第1位は明石家さんまさんで280名、第2位は加山雄三さんの139名、第3位は郷ひろみさんで136名であった。

フレイル,とは

一方、「アニメ・漫画のキャラクター」では、第1位はフグ田サザエさん(サザエさん)の339名、次いで第2位がドラえもん(ドラえもん)で143名、第3位は孫悟空(ドラゴンボール)で135名、第4位はモンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)の109名、第5位はアトム(鉄腕アトム)の49名と続いている。

フレイル,とは

明石家さんまさんとフグ田サザエさんに共通しているのは、明るく元気な人柄だろうか。「病は気から」という言葉があるが、2人から感じられる人柄には、フレイルとは無縁なイメージを抱く人が多いのかもしれない。■

(La Caprese 編集部)

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