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シワを改善する新たな有効成分『VEP-M』で厚労省の承認を取得――日本メナード化粧品の研究成果

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(画像= DRN Studio / 写真AC、La Caprese)

シワができる原因のひとつに、肌の水分量の減少がある。肌の水分量が減少すると肌表面の柔軟性が低下し、シワにつながることが知られている。注目されるのは、日本メナード化粧品(本社:愛知県名古屋市)が2023年4月14日に、長年研究開発を進めてきた安定化ビタミンE誘導体『dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウムM(以下、VEP-M)』にシワを改善する効果を見出し、新規有効成分として厚生労働省より承認を受けたことだ。

今回、日本メナード化粧品が明らかにした研究成果によると、VEP-Mは表皮において、水分を逃がさない働きを担う「セラミド」および水分を保持する働きを担う「ヒアルロン酸」の産生を促進し、肌の水分量を増加させて柔軟性を高め、シワを改善することが確認された。

今回は日本メナード化粧品の研究成果を紹介したい。

身体のさまざまな老化を防ぐビタミンE

VEP-Mは「安定化ビタミンE誘導体」とも呼ばれ、ビタミンEの安定性を高めた成分である。ビタミンEは高い抗酸化能を持ち、身体のさまざまな老化を防ぐビタミンとして知られているが、光や空気などにより変化しやすく、また、水に溶けにくいため、化粧品へ配合しにくい成分であった。こうした中、日本メナード化粧品は1990年代前半からビタミンEの安定性、溶解性を高める研究開発に着手し、高い安定性と水への溶解性を持ったビタミンE誘導体(VEP-M)の開発を進めてきた。

VEP-Mによるシワ改善効果の検証

本研究では、日本香粧品学会の「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」に基づき、目尻のシワが気になる89名の女性被験者(35歳~59歳、平均年齢48.9歳)を対象にシワ改善効果を調べる臨床試験を実施した。

まず、被験者にVEP-Mを配合した製剤(本製剤)と、VEP-Mを配合していない製剤(プラセボ製剤)を12週間使用していただき、皮膚科専門医によるシワの判定と機器測定を行った。

その結果、12週間の使用により、本製剤を使用した側のみ目尻の深いシワが改善したことが確認された(図1)。また、機器による測定でも深いシワが浅くなっており(図2)、本製剤のシワ改善効果が示された。さらに、効果実感についてもアンケートで検証し、本製剤のシワ改善効果は効果実感が伴ったものであることを確認した。

▼(図1)本製剤によるシワ改善効果代表例(48歳女性)

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出典:日本メナード化粧品

▼(図2)機器測定によるシワ改善効果検証

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出典:日本メナード化粧品

肌の水分量を高めて柔軟性を向上させ、シワを改善する「VEP-M」

前述の通り、VEP-Mは肌の中でビタミンEに変換され、表皮におけるセラミドとヒアルロン酸の産生を促進する(図3)。セラミドは肌のバリア機能に関与し、水分蒸散を防ぐ成分で、ヒアルロン酸は肌の水分保持や弾力性の維持に関与する成分である。VEP-Mはこの2つの成分を増やすことで肌の水分量を高めて柔軟性を向上させ、シワを改善する(図4)。

▼(図3)VEP-Mによるセラミドおよびヒアルロン酸産生促進効果

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出典:日本メナード化粧品

▼(図4)VEP-Mによるシワ改善メカニズム

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出典:日本メナード化粧品

ちなみに、シワを改善する医薬部外品有効成分として厚生労働省から承認を得たのは、日本メナード化粧品が国内初である。日本メナード化粧品は、今後VEP-Mをシワ改善スキンケア商品に展開する方針だ。■

(La Caprese 編集部)

特集:美肌を科学する
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