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なぜ、ガムを噛む時間が長い人ほど毛髪が太いのか? 薄毛予防の可能性も――ロッテの研究成果

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(画像= ACworks / 写真AC、La Caprese)

ロッテ(本社:東京都新宿区)は、「噛むこと」の健康機能に着目し、さまざまな研究に取り組んでいる。たとえば、2021年8月18日にはガムの咀嚼(そしゃく)習慣と毛髪径に関する研究論文を発表し、「ガムの咀嚼時間が長いほど、頭頂部の毛髪が有意に太い」ことが明らかになった。とはいえ、この時点ではガムの咀嚼習慣と毛髪の太さに関する因果関係には「謎」の部分も多かった。

なぜ、ガムの咀嚼時間が長いほど、頭頂部の毛髪が有意に太いのだろうか?

ロッテはその「謎」を解明するために、ガムの咀嚼が毛髪に与える可能性の評価の一つとして「ガムの咀嚼を行うことによる、頭皮血流への影響」を検証した。2022年11月1日に発表されたその研究成果では、ガムを咀嚼することにより前頭部、頭頂部ともに頭皮血流が増加することが確認されたのである。

ちなみに、Dクリニックの小山太郎院長は「加齢に伴う薄毛は、その初期段階において、頭皮の血流低下が報告されています」と指摘、日頃から頭皮の血流改善を心がけることで、薄毛進行を予防する可能性があるとの見解を示している(詳細は後述)。

今回はロッテの研究成果を紹介したい。

ガムを噛む時間が長いほど頭頂部の毛髪が太い

2021年、ロッテは「アンチ・エイジング医学ー日本抗加齢医学会」(2021年17巻2号)にて『ガム咀嚼習慣による毛髪への影響 -観察研究-』という研究論文を発表した。

本研究はロッテ中央研究所の研究員27名(男性21名、女性6名、24~51歳:平均年齢36.4±8.7歳)を対象に、ガム咀嚼習慣(普段どれだけの時間ガムを噛むか)と、頭部の毛髪の太さが関連する可能性について調査した。なお、毛髪関連の症状(毛髪が無い人を含む)が認められる人、毛髪に対するサプリメント・製品を使用している人、妊娠している人、2親等以内に毛髪の薄い人がおり、かつストレスを強く感じている人は、調査対象から除外している。

ガム咀嚼時間が多い群と少ない群を比較

調査方法は、まず、❶ガムの咀嚼時間に関するアンケートを行った。これまでの日常的なガム平均咀嚼時間を集計し、咀嚼時間により以下(A)(B)に群分けした。

(A)ガム咀嚼時間が多い群:14名(男性11名、女性3名、平均34.0±5.9歳)……1日の平均 51.1±13.0分
(B)ガム咀嚼時間が少ない群:13名(男性10名、女性3名、平均38.9±10.9歳)……1日の平均 10.0±6.8分

次に❷上記(A)(B)群の毛髪径を評価した。頭頂部(両耳を結んだ頂点)、側頭部(耳の上部で咀嚼時に側頭筋が隆起する点)の毛髪を根元付近から10本ずつハサミで切り落とし、毛髪の切り口から約1cmの箇所をマイクロスコープで撮影し、太さを計測した。

その結果、ガム咀嚼時間が多い群のほうが、頭頂部の毛髪径が有意に太いことがわかり、ガム咀嚼習慣と毛髪径の関連性が示唆された。

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(図1) 出典:ロッテ

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(図2) 出典:ロッテ

ガムを噛むことにより「頭皮血流」が増加する

上記の通り、2021年の研究では「ガムの咀嚼時間が長いほど、頭頂部の毛髪が有意に太い」ことが明らかになった。しかしながら、なぜ、ガムの咀嚼時間が長いほど頭頂部の毛髪が有意に太いのか、については謎であった。そこで、ロッテは2022年にガムの咀嚼が毛髪に与える可能性の評価の一つとして、ガム咀嚼による「頭皮血流」への影響を検証した。

頭皮血流と頭髪の関係性

本研究では、25歳~53歳の健常な男女20名(平均年齢35.3±9.1歳、男性10人 女性10人)を対象に、ガム咀嚼時と無咀嚼時の頭皮血流(前頭部、頭頂部)を測定し、安静時からの変化を比較した。その結果、無摂取時と比較し、ガム咀嚼時の頭頂部および前頭部の頭皮血流が有意に増加することが明らかになった。

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(図3) 出典:ロッテ

ロッテは、本研究成果について「顔には円筒状で横紋を持つ筋線維から構成され、随意に動かすことが出来る咀嚼筋があり咀嚼により収縮します。また外頚動脈の主要な二本の枝の一つに顎動脈があり、上顎・下顎・鼻腔・口蓋に分布しています。咀嚼による咀嚼筋の収縮や口腔周りへの刺激により顎動脈の血流が増加した結果、頭皮血流の増加につながった可能性が考えられます」との見解を示した。

なお、本研究論文は「薬理と治療」(2022年50巻9号)にて『ガム咀嚼による頭皮血流への影響 ―オープンランダム化クロスオーバー比較試験―』のタイトルで掲載された。

【参考】Dクリニック 小山太郎院長のコメント

頭皮血流の改善は薄毛進行の予防に有用な可能性

Dクリニック 小山太郎院長

加齢に伴う男性の薄毛では、初期段階において、頭皮の血流が低下していることが報告されています。女性においても同様の報告があります。薄毛の進行に伴って、毛に栄養や酸素を供給する必要性が低くなり、血流が低下していくのか、血流低下そのものが薄毛を引き起こす原因になっているのかは未解明です。私は13年、加齢に伴う薄毛の診療に携わっていますが、抜け毛の増加と合わせて、肩こりや、冷えといった、末梢の血流低下を示唆する症状を呈する患者様に遭遇することがあり、頭皮血流の低下は薄毛進行の一因となりうると考えています。また、頭皮血流の改善が期待できる頭皮マッサージによって、毛が太くなるという報告があることから、頭皮血流の改善は薄毛進行の予防に有用な可能性があると考えます。

手軽に行える頭皮の血流改善方法として、私自身は1日1回しっかりお風呂につかること、頭皮を傷つけない程度の力で頭皮マッサージをすることを実践しています。今回のロッテの研究成果をふまえて、前述の対策は通勤中やデスクワーク中等、同時進行できない対策なので、いつでもどこでもできるガム咀嚼も今後注目していきたいと思います。

特集:アンチエイジング最前線
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