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女性の薄毛に関わるDNAの特徴を発見――日本メナード化粧品の研究成果

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(画像= webbiz / 写真AC、La Caprese)

女性の薄毛に関わるDNAの特徴を発見。――2023年6月8日、日本メナード化粧品(本社:愛知県名古屋市)から、そのような研究成果が発表された。

本研究では、1,200人の日本人女性の遺伝情報と頭髪に関するアンケート結果との関連解析により、女性の薄毛に関わるDNAの特徴(SNP※1)を発見することに成功した。日本メナード化粧品は本研究成果について、「DNAの特徴を解析することで、将来的に薄毛になりやすい体質かどうかを予測できると考えられます」との見解を示した。なお、本研究成果は国際科学誌「Journal of Cosmetic Dermatology」のオンライン版に掲載された。

今回は日本メナード化粧品の研究成果を紹介したい。

注釈

(※1) SNP:Single Nucleotide Polymorphism、一塩基多型。DNA配列の個人差のうち、一つの塩基のみが人によって異なっている部分。

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女性の薄毛に関連する「遺伝的要因」としてDNAの特徴を解析

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出典:日本メナード化粧品

薄毛は、髪のボリュームを気にしてストレスを感じる、思うように髪型が決まらないといった悩みにもつながるため、その予防・改善は生活を充実させるために大切だと考えられる。薄毛の対策方法は様々であるが、自身が薄毛になりやすい体質かどうかをあらかじめ知ることで、早期から対策することが可能となる。

一般的に体質の個人差は、個人が生まれつき持っている「遺伝的要因」が関与していることが知られている。そこで、日本メナード化粧品では、女性の薄毛に関連する「遺伝的要因」としてDNAの特徴(SNP)を解析した。

女性の頭髪に関するアンケート結果

まず、日本人女性1,200人(平均年齢49.0歳)を対象にアンケートを実施し、自身の頭髪の状態について選択肢(図1 A~E)から最も近いものを選んでいただいた。その結果、20代ではB~Eを選択した人、すなわち髪が薄くなってきたと感じる人の割合は合計10%以下であった。一方、加齢に伴いB~Eの割合が増加し、70代以降ではB~Eを選択した人が80%以上を占めた。

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(図1) 頭髪に関するアンケート結果 出典:日本メナード化粧品

女性の薄毛に関わるDNAの特徴(SNP)について

上記アンケート結果を踏まえ、同被験者の唾液サンプルよりDNAを抽出し、約540万箇所のSNPを解析した。SNPの解析結果とアンケート結果との関連を調べた結果、女性の薄毛と関連性が高いSNPとして「rs2419385」を発見した。rs2419385にはAAタイプ、AGタイプ、GGタイプがあり、AAタイプ<AGタイプ<GGタイプの順に薄毛になりやすい傾向にあることが判明した。

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(図2) 女性の薄毛に関わるSNP 出典:日本メナード化粧品

日本メナード化粧品は「薄毛を予防・改善するためには、生活環境や頭髪のケアを見直すことが重要ですが、あらかじめ自身が薄毛になりやすい体質かどうかを知り、早い段階から対策を行うことも有用だと考えられます」と指摘。その上で、本研究成果について「薄毛になりやすい体質かどうかを遺伝的傾向から予測する技術や、個人の体質に応じた予防・改善方法の提案へ応用が期待されます」としている。

日本メナード化粧品のさらなる研究成果を期待したい。■

参考:SNPについて

DNAは、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)という4種類の塩基が並んでできている。この塩基の特定の並び方が遺伝情報である。ヒトの遺伝情報は約30億個のDNAの塩基配列で構成されており、この塩基配列には個人間で差がある。特に一つの塩基配列のみが人によって異なっている部分をSNP(Single Nucleotide Polymorphism、一塩基多型)と呼ぶ。ヒトのゲノムの中には約1,000万箇所のSNPがあると推定されており、その塩基配列の違いが体質や病気のかかりやすさなどの個人差に関わると考えられている。また、SNPには、一つひとつにrs番号という世界共通のIDが割り振られている。

日本メナード化粧品は、これまでに、シミのできやすさやシワのできやすさなど様々な肌質に対して個人差を生み出す「遺伝的要因」について研究を進め、それぞれの肌質に関与するSNPを見出している。

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(図3) SNPについて 出典:日本メナード化粧品

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