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精油が皮膚などの「創傷治癒機能」に寄与する。ベルガモット精油を中心としたブレンドが、免疫細胞の『貪食』を活性化することを発見――ポーラ化成工業の研究成果

精油,皮膚再生
(画像= acworks / 写真AC、La Caprese)

皮膚をはじめとするあらゆる組織には、傷ついたときに自ら治癒する「創傷治癒機能」が備わっている。その過程において、ダメージを受けた組織や死んだ細胞、雑菌などを「マクロファージ」を中心とした免疫細胞が異物として『貪食』し、除去することが知られている。だが、そんな「創傷治癒機能(マクロファージの貪食能)」も加齢などの要因により低下してしまう。「創傷治癒機能」の低下は老化現象の一つといえるだろう。

注目されるのは、ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業(本社:神奈川県横浜市)が、2022年11月21日に「免疫細胞であるマクロファージによる異物の『貪食』が、精油ブレンドにより活性化する」との研究成果を発表したことだ。ちなみに、『貪食』とは細胞(マクロファージなどの免疫細胞)が不要なものを自らの中に取り込み、消化し、分解する作用のこと。まるで食べる様子に似ていることから『貪食』と表現される。この「創傷治癒機能」の重要なステップである『貪食』が、ベルガモット精油を中心に、ラベンダー、マジョラム、ローズマリー、フランキンセンスなどの精油を加えブレンドしたものによって活性化することが判明したのである。

今回はポーラ化成工業の研究成果を紹介したい。

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精油ブレンドにマクロファージの貪食能を活性化する効果を発見

冒頭で述べた通り、皮膚をはじめとするあらゆる組織には、傷ついたときに自ら治癒する「創傷治癒機能」が備わっている。そのプロセスで、ダメージを受けた組織や死んだ細胞、雑菌などは「マクロファージ」を中心とした免疫細胞が異物として貪食し、除去する(図1)。

精油,皮膚再生
(図1) 出典:ポーラ化成工業

「創傷治癒機能」は人が生きるうえで大切な機能ではあるが、マクロファージなどの貪食能は加齢などの要因により低下してしまうことが知られている。

ポーラ化成工業では、創傷治癒を円滑に進め、いつでも健やかな肌を保つことが可能となるようマクロファージの貪食能を促進する手段の探索に取り組んできた。その研究の一環として、マクロファージの貪食能を評価するため、異物に見立てた蛍光ビーズと一緒に培養するモデル実験を実施したところ、「ベルガモットを中心とした精油ブレンド」が貪食を促進することが判明したのである(図2)。

精油,皮膚再生
(図2) 出典:ポーラ化成工業

上記の結果から、本精油ブレンドには、マクロファージの貪食能の活性化を通して、創傷治癒を促し健やかな肌を保つことに役立つと考えられる。

「精油の秘めた可能性」についてのさらなる研究を期待

ポーラ化成工業によると、「精油の香りは、創傷治癒に関わるストレス応答ホルモンや自律神経の活動にも影響をおよぼすことが知られている」という。本研究の成果により、精油は香りによる身体の変化を介した間接的なアプローチに加え、細胞への直接的なアプローチによっても創傷治癒を促進するという、ダブルの働きかけにより健やかな肌に貢献する手段となり得ることが判明した。ポーラ化成工業は、今後も「精油の秘めた可能性」についてのさらなる研究に取り組む方針である。■

(La Caprese 編集部)

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