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エッセイ:日本を元気にするオタク経済!?

萌え株,エンターテイメント関連株,オタク関連株
(画像= Canva、La Caprese)

2022年も残すところ2カ月足らずとなった。

11月4日の日経平均株価の終値は2万7,199円で、年初来の騰落率はマイナス7.2%である。年初来高値は1月5日の2万9,388円、年初来安値は3月9日の2万4,681円で、現状の2万7,000円台は両者のおよそ中間に位置する。上値の重さは否めないが、世界的な物価上昇や金融引き締めへの警戒、ロシア・ウクライナ情勢に起因する経済活動への影響など、不透明な情勢を考えると、意外と底堅いようにも見受けられる。「上値は重いが、下値も堅い」ということで、しばらくは方向感の定まらない展開が続くのだろうか?

さて、このような状況下、株式市場で元気一杯なのがアニメやゲーム、フィギア、プラモデルといった各種グッズを取り扱う「オタク関連株(エンターテイメント関連株、萌え株とも呼ばれる)」である。

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カプコン、円谷フィールズ、まんだらけ…高値更新が相次ぐ

たとえば、10月26日には円谷フィールズホールディングス <2767> が年初来の高値を更新したほか、10月27日には壽屋(ことぶきや) <7809> が上場来高値を記録、10月31日は東映アニメーション <4816> が年初来の高値を更新し、11月2日はカプコン <9697> が上場来高値、まんだらけ <2652> が年初来高値を記録している。それぞれの銘柄と日経平均株価の年初来騰落率は以下の通りだ。

萌え株,エンターテイメント関連株,オタク関連株
(画像= 恭平 / 写真AC、La Caprese)

円谷フィールズホールディングスは、『ウルトラシリーズ』に代表される数多くのテレビ番組や映画を製作する円谷プロダクション等を傘下にもつ企業で、今年5月13日に公開された映画『シン・ウルトラマン』のヒットなどが業績に寄与した。壽屋はフィギュアやプラモデルを製造・販売する企業で、『アルカナディア』のルミティアなどのプラモデルや、アニメ『呪術廻戦』の五条悟などのフィギア等の販売増が業績に追い風となった。

東映アニメーションは、映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』および『ONE PIECE FILM RED』の大ヒットが業績に貢献した。一方、カプコンは6月発売の『モンスターハンターライズ:サンブレイク』が安定した人気を集めたほか、アミューズメント機器事業も好調に推移し、2023年3月期(通期)の業績予想を上方修正している。まんだらけはアニメやゲーム、コスプレ衣装などオタク向けのあらゆるジャンルの商品を取り扱う店舗を運営する企業で、月次売上高が6カ月連続で前年同月を上回り、特に8月は前年同月比で24.8%増、9月は19.1%増と高い伸びを示したことが支援材料となった。

情熱が経済を回す原動力となる?

ところで、今年10月19日に矢野経済研究所が発表した『「オタク」に関する消費者アンケート調査』(2022年)によると、「オタク」層は26分野におよぶという。26分野のオタク人口でもっとも多いのが「アニメ」オタクの約685万人、次いで「漫画」オタクの約648万人、「デジタルゲーム」オタクが約454万人、「アイドル」オタクが約361万人となっている。

一方、26分野ごとに「1週間における活動に費やす時間」について尋ねたところ、10時間以上を費やすと回答した人数の多い分野は「デジタルゲーム」オタクで67.3%に達した。次いで「アイドル」オタクの40.2%、「アニメ」オタクの33.1%であった。

また、1年間の消費金額については「1万円から5万円未満」と回答した人がもっとも多く、一人当たりの年間平均消費金額(26分野全体)は、5万2,419円(ゼロ円と回答した人を含む集計)であった。

ちなみに、筆者は自称「筋トレ」オタクである。ほぼ毎日ジムに通っているので、活動時間は週10時間を軽く超えている。また、毎月のジムの会費のほか、プロティンなどのサプリメント、トレーニングウェアやシューズなどの出費を加味すると上記の年間平均消費金額を遥かに上回る計算だ。残念ながら、矢野経済研究所が今回発表した26分野に「筋トレ」は含まれていないが、恐らく「筋トレ」オタクの時間とお金の消費はランキングの上位に入るのではないかと思う。

閑話休題。趣味嗜好は人それぞれ、多種多様であるが、心の底から情熱を注ぐものがあるのは幸せなことだと思う。そして、その情熱が経済を回す原動力となっている側面もあるのだろう。

引き続き、日本を元気にする「オタク経済」と関連株に注目しておきたい。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

特集:オタク関連株
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