エッセイ：熱帯夜のエアコン「朝までつけっぱなし」で電気代はいくらかかる？

久しぶりに夢をみた。サウナに入っている夢だった。滝のように汗を流し、耐えられなくなったところで目が覚めた。アップルウォッチをみると、午前3時を過ぎていた。画面に表示されている心拍数のグラフが急上昇していた。Tシャツが汗でぐっしょり濡れていた。

思わずエアコンのスイッチを入れた。節電のため寝室のエアコンを使わないようにしていたのであるが、限界であった。我が家の「節電夏の陣！」の最後の砦であった寝室のエアコンもついに陥落である。健康にはかえられない。

ちなみに、パナソニックが7月27日に発表した『2023年夏の睡眠に関する実態調査』によると、今夏の睡眠時のエアコン使用状況の質問に対して、4人に1人が「使用していない」（26％）と回答している。一方で、最も多い使い方としては「オフタイマーを設定して睡眠時から一定の時間使用」（30％）であり、次いで「一晩中つけっぱなし」（28％）となった。また、睡眠時に「つけたり消したりする」という人も11％いることが判明した。

（図1） 出典：パナソニック「エオリア」調べ

さらに、一晩中つけっぱなしにしない理由としては、「電気代がかかるから」（34％）が最多の結果となった。

（図2） 出典：パナソニック「エオリア」調べ

エアコン「朝までつけっぱなし」の電気代は約23円

パナソニックのエアーマイスター兼睡眠改善インストラクターの福田風子さんは、真夏の睡眠時のエアコン電気代＆快眠術について、まず、「快眠のためには、冷えすぎない温度で朝までつけっぱなしがおすすめです」と指摘している。とはいえ、上記調査結果が示すように、エアコンをつけっぱなしにするには電気代が気になるという人も少なくないだろう。

実際のところ、睡眠時のエアコンをつけっぱなしにした際の電気代はどれくらいなのだろうか？　また、夏の夜間のエアコンは、つけっぱなしとタイマーどちらが良いのだろうか？　以下は、パナソニックエオリアユーザーの実際の利用状況から、夏の夜間にエアコンを「朝までつけっぱなし」にしたときの消費電力量を検証したものである。

夏の夜間に朝まで8時間つけっぱなしで運転した場合

20時以降に冷房をつけているエアコンのデータから、1時間当たりの消費電力（冷房時）を算出したところ平均92Wで、8時間使用した場合は約23円であった（電気料金目安単価31円/kWh、エオリア PXシリーズ夜間冷房ログデータより算出）。

（図3） 出典：パナソニック「エオリア」調べ

過去のパナソニックの試験（※1）において、同じエアコンの設定でも外気温35℃に比べ、外気温30℃の場合には消費電力が52％ほどと、約半分近くに軽減され、外気温の低い夜間は日中に比べて電気代が安くなることが確認されている。これは、エアコンは外気温と設定温度の差が大きいほど、消費電力量が多くなるためだ。「数字は機器や環境により異なるものの、少なくとも夜間は昼間よりは電気代はかかりません」（福田風子さん）と指摘されている。

さらに、パナソニックの試験（※2）では、「3時間の切タイマー運転」と「つけっぱなし運転」を比べたところ、「つけっぱなし運転」は夜中に目が覚めてしまう回数とその時間が少ないことが判明した。

上記の通り、夜間は日中に比べ電気代がかからない上に、「つけっぱなし運転」の場合は夜中に目覚めてしまう回数や時間も少ない。このことから、熱中症対策のためにも積極的に夜間のエアコンは「つけっぱなし」で使用したほうがよいと結論づけている。パナソニックは「熱中症の約4割は夜間・睡眠中に発生しており、熱帯夜には注意が必要です」と呼びかけている。■

（La Caprese 編集長　Yukio）

編集長エッセイ