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エッセイ:NFTドメイン、Web3……私たち起業家は歴史的なチャンスの局面にいる?

nftドメイン,メリット,デメリット
(画像= Michael Dziedzic / Unsplash、La Caprese)

「NFTドメインを取得してみませんか?」

先日、ドメイン取得サービスを提供する企業から、そんなタイトルのメールをいただいた。NFTドメインとは文字通りNFTとして発行されるドメインで、たとえば「.blockchain」「.crypto」「.nft」などの形式で発行される。

NFTドメインの特徴の一つとして、暗号資産(仮想通貨)の送受信で使用される「26〜42文字の英数字暗号アドレス」を「任意の文字列」として登録できる点がある。たとえば、従来の「26〜42文字の英数字暗号アドレス」は1文字でも間違えると誤送金となり、大切な資産を紛失するリスクを内包している。きちんとコピペすれば問題ないのだが、複雑な暗号アドレスを毎回コピペするのもなかなか面倒である。それでなくとも現代人は忙しい。仕事が山積みで時間に追われていると、ついつい手順を間違えてしまい誤送金する危険性は否定できない。

その点、NFTドメインは登録された「任意の文字列」でわかりやすく表示されるので、誤送金のリスクの低減につながる。冒頭のドメイン取得サービスを提供する企業によれば「Eメールを送る感覚で暗号資産(仮想通貨)の取引を行える」という。このほか、NFTドメインには「必要な費用はドメイン取得時のみ、更新は無料」「ドメインの所有権は100%所有者」といったメリットもある。

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ウェブの世界に新たな革新的変化をもたらす予感?

NFTドメインはWebサイトにも利用できる。NFTドメインは別名「ブロックチェーンドメイン」とも呼ばれるが、改ざんや悪意のあるハッキングへの防御力が高いブロックチェーンを活用することで、Webサイトのセキュリティを格段に強化できる。また、先のドメイン取得サービスを提供する企業によれば「NFTドメインを活用することで自由な芸術・交流のためのプラットフォームを作ることもできる」とのことだ。

Web3時代を見据え、NFTドメインを取得するのも悪くないかもしれない。ドメイン取得サービスを提供する企業からのメールに記載されていた(ドメイン取得の)金額もなかなかお手頃である。

ただ、問題点が2つある。一つは本稿執筆時点で大手の検索エンジンが未対応であること。つまり、NFTドメインのWebサイトは現段階で大手検索エンジンから読者を獲得することができない。これはSEOの観点からすると非常に厳しい運営を強いられることになる。

もう一つは筆者の個人的な問題なのであるが、いま一つWeb3が理解できていないことだ。Web3は、ウェブの世界に新たな革新的変化をもたらす予感を抱いてはいるのだが、恥ずかしながら具体的なビジネスモデルを描けていない。

実は1990年代半ばから熱狂的な盛り上がりをみせた「Web1」でも筆者は同じような経験をしている。Web1でインターネットが普及しはじめた当時、筆者の周りでは「なんだか分からないけど、すごい!」という声が多く聞かれた。四半世紀を超えたいま、再び同じようなことが起こりつつあるように感じる。「Web3? なんだか分からないけど、すごい!」――恐らく、私たち起業家は歴史的なチャンスの局面を迎えているのかもしれない。本当になんだか分からないが、起業家のはしくれとしてチャンスをものにできるように頑張りたい。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

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