2022年11月1日、東証スタンダードに上場するまんだらけの株価が一時732円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月31日につけた年初来安値の541円から9カ月で35.3%の上昇である。
まんだらけは漫画やアニメ、ゲームのほか、アニメグッズなどの各種おもちゃ、コスプレ衣装、同人誌など、いわゆる「オタク」向けのあらゆるジャンルの商品を取り扱う店舗を運営する企業である。まんだらけの本社と本店の所在地である、東京都中野区の複合ビル「中野ブロードウェイ」は日本屈指のおたく聖地の一つとして、外国人観光客にも人気のスポットとなっている。
10月11日から国内旅行が割引になる「全国旅行支援」がスタートしたほか、海外からの入国者数上限の撤廃、外国人の個人旅行とビザなし渡航も解禁されるなど好材料が相次ぐ中、まんだらけが10月28日に発表した2022年9月の売上高が前年同月比で19.1%増加したことが株価上昇に弾みをつけることとなったようだ。
今回はまんだらけの話題をお届けしよう。
まんだらけ、月次売上高が6カ月連続で前年同月を上回る
先述の通り、まんだらけが10月28日に発表した2022年9月の売上高は前年同月に比べて19.1%増の9億3,100万円となった。月次売上高が前年同月を上回るのは6カ月連続で、過去1年間の伸び率は9.9%増、単月としては8月の24.8%増に次いで高い伸び率となった。

2022年9月は、まんだらけ各店でのイベント開催をはじめ、新型コロナウイルス禍の水際対策の緩和により、海外からの来店客が回復の兆しをみせたこと等を背景に店頭販売が増加した。また、電脳ショップの「ありある」を含めた通信販売も好調に推移したことから、中野店で2,800万円、コンプレックスで約2,100万円、名古屋店で約2,000万円など全ての店舗で前年同月を上回り、前述の通り全店舗の合計で19.1%増(1億4,900万円の増加)となった。
9月の売上高の好調を受けて、週明け10月31日のまんだらけ株は一時718円まで買われ、前日比で14.3%高と急騰した(終値は前日比13.9%高の715円)。翌11月1日も一時732円まで上昇し、2日連続で年初来の高値を更新することとなった(終値は前日比3.64%安の689円)。今年1月31日につけた年初来安値の541円から年初来高値まで9カ月間で35.3%の上昇である。
通期業績で計画をどれくらい上放れるか?
業績をみてみよう。まんだらけが8月12日に発表した2022年9月期・第3四半期(2021年10月~2022年6月)の連結決算は、売上高が前年同期比7.5%増の77億6,000万円、本業の利益を示す営業利益は同34.4%増の6億5,800万円、経常利益は37.1%増の6億3,900万円、純利益は39.4%増の4億1,100万円と増収増益となった。
まんだらけは、2022年9月期(通期)の業績について、売上高で前期比0.4%増の96億6,700万円、本業の利益を示す営業利益で同0.8%増の6億500万円、経常利益で0.3%増の5億6,900万円、純利益で0.4%増の3億5,800万円となる見通しを示している。

しかしながら、計画に対する進捗率は売上高で80.3%、本業の利益を示す営業利益で108.8%、経常利益で112.3%、純利益は114.8%で、すでに各利益ともに計画を上回っている。先に述べた通り、9月の売上高が前年同月比で19.1%増と高い伸びを示していることを勘案すると、通期業績で計画をどれくらい上放れるか気になるところでもある。■
(La Caprese 編集部)