スーパーや飲食店などで「興味深い商品(サービス)」等をみつけると、思わずその企業の業績や株価を調べてしまう――筆者にはそんな習慣がすっかり染みついてしまっている。たとえば、丸亀製麺が販売した「うどん弁当」、つい最近では日清食品の「カップヌードル スーパー合体シリーズ」、三洋貿易が2023年度の導入を目指している「置き去り検知センサー」などがある。
興味深い商品とは「なんとなく大ヒットしそうな予感のする商品」と言い換えることができる。新商品が大ヒットすればその企業の業績に寄与することが考えられ、場合によっては株価にもよい影響を及ぼす可能性もある。あくまで筆者の個人的な印象であるが、一人の消費者としての目線を大切にするように心がけている。
ちなみに、丸亀製麺などを傘下に置くトリドールホールディングス <3397> は、2022年9月20日に一時3,125円と年初来の高値を更新している。同じく、三洋貿易 <3176> は9月15日に一時1,140円、日清食品ホールディングス <2897> は8月23日に一時1万260円とそれぞれ年初来高値を更新した。
業績のよい企業はマーケティング戦略も洗練されている
エンターテイメントやスポーツからも投資のヒントを得ることがある。たとえば、テレビドラマや映画、アニメなどが大ヒットすると「どんな企業が潤うのだろうか?」と考え、それら企業の業績や株価について調べてみる。また、国際的なスポーツ大会などで日本人選手が大活躍すると、その選手のスポンサー企業やスポーツ用品を提供している企業などについて調べてみる。このようにして調べてみると、意外な発見をすることがある。
筆者にとっては広告も重要な手掛かりとなる。テレビなどで直感的に「このCM、おもしろいな〜」と思ったら、すぐにスマホでその企業の業績や株価を調べてみる。業績のよい企業というのは、PRやプロモーションといったマーケティング戦略も洗練されていて、みていて心地よく感じることもある。
また、新聞やテレビなどで特定の商品・サービスが取り上げられることも珍しくない。たとえば、前述の三洋貿易の「置き去り検知センサー」は大手通信社や新聞、地上波の報道番組等で取り上げられて話題となった。オールドメディアと呼ばれて久しい新聞やテレビであるが、その影響力は依然として軽視できない。
世の中はさまざまな情報が溢れている
一方で、残念ながら世の中に「悪い印象」を与える企業もある。
たとえば、キリンホールディングス <2503> 傘下のキリンビバレッジが、消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けたことは記憶に新しい。メロン果汁が2%程度しか使われていないミックスジュースのパッケージに「100%メロンテイスト」などと記載していた問題は、新聞やテレビ等で報じられることとなった。同じく、FOOD&LIFE COMPANIES <3563> が運営する回転ずしチェーン店「スシロー」のおとり広告(景品表示法違反)や、マグロ偽装疑惑(マグロの種類を巡り担当者が誤った説明をしていたこと)も消費者の信頼を失いかねない問題だ。
今年9月7日、キリンホールディングス <2503> の株価は5営業日連続安となった。また、9月2日にはFOOD&LIFE COMPANIES <3563> の株価が一時2,060円と年初来の安値を記録した。
投資のスタイルは多様である。加えて、世の中はさまざまな情報が溢れている。企業についても「よい情報」もあれば「悪い情報」もある。そんな情報に日々アンテナを張りながら、企業の業績や株価について思いを巡らせるのも投資の醍醐味ではないか、と筆者は考えている。■
(La Caprese 編集長 Yukio)