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ニッスイ、営業利益が過去最高。株価は昨年来高値、食品事業の増益がけん引

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(画像= La Caprese)

2024年2月7日、東京証券取引所でニッスイの株価が一時916.9円まで買われ、昨年来高値を更新した。2023年1月13日の安値517円から1年余りで77.4%の上昇である。

ニッスイは、水産事業や食品事業を収益の柱とする企業である。その源流は、1911年5月に山口県下関にて創業した「田村汽船漁業部」にまでさかのぼる。田村汽船漁業部は、その名が示す通りトロール漁業を営んでいた。以来、漁業を起点とする多様な事業を展開してきた。1977年に米国とソ連(当時)の200海里体制への移行を契機に、ニッスイの漁労事業も衰退を余儀なくされたが、その後、漁業に代わる水産資源へのアクセス力強化、水産資源を顧客価値に変えグローバルに展開するビジネスモデルに転換し、成長してきた。

後段で述べる通り、ニッスイが今週2月6日に公表した、❶2024年3月期・第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の連結業績が増収増益となり、同期としては売上高・営業利益・純利益が過去最高を更新したことに加え、❷2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想を上方修正したこと、❸さらに、2024年3月期の年間配当予想を従来計画の20円から24円に増額修正したこと……などが株価にも刺激材料となった。

今回はニッスイの話題をお届けしよう。

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ニッスイ、営業利益が過去最高。食品事業がけん引

2月6日、ニッスイは2024年3月期・第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の連結業績を公表した。同期の営業成績は、売上高が前年同期比8.2%増の6,254億8,100万円、本業の利益を示す営業利益は同12.8%増の263億5,500万円、経常利益は同7.0%増の277億8,000万円、純利益は同9.2%増の202億9,300万円と増収増益となり、同期としては売上高・営業利益・純利益が過去最高を更新した。

同期は、食品事業が値上げ効果や原料価格の低下を背景に大幅な増益となり、業績全体をけん引した。水産事業は国内漁業・養殖が堅調に推移したものの、国内外で主力の鮭鱒・すりみなどの市況下落の影響を受け減益となった。なお、前期は連結子会社の日水製薬(現・島津ダイアグノスティクス)の売却益が計上されている。

セグメント別の概況は以下の通りである。

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水産事業

水産事業のセグメントは、売上高が前年同期比2.9%増の2,561億2,700万円、営業利益は39.4%減の105億2,300万円と増収減益となった。

漁撈事業は増収増益となった。日本では、いわしやさばなどの漁獲が堅調に推移した。

一方、養殖事業は増収減益であった。日本では、銀鮭で養殖オペレーションの改善により斃死・成長遅れもなく水揚げ数量が増加したことに加え、養殖まぐろの販売価格も堅調に推移した。養殖ぶりは昨年、供給が少ないなかで完全養殖ぶりの強みを活かし安定供給を行い好調であったが、本年は供給が例年並みに戻ったことから反動減となった。南米は、生育環境改良による生残率の改善やトラウトの販売数量増加もあり増収となった。9月にかけて鮭鱒市況が調整局面に入るなかでも事業損益は堅調に推移したが、期末における在池魚評価の影響で減益となった。

加工・商事事業は減収減益であった。日本では、外食・産業給食向け食材化商品の値上げ効果に加え、魚油・ミールなどの販売が好調に推移する一方、鮭鱒・すりみ・輸入冷凍まぐろの市況が調整局面に入ったことがマイナス要因となった。一方、北米加工は、すけそうだらの漁獲枠増加により生産数量が増加した反面、人件費などのコストアップに加え、供給増によるすりみ・フィレ価格の大幅下落により減益となった。欧州は、水産市況が調整局面に入り荷動きも低下したことに加え、すけそうだらなどの在庫評価減が響いて減益となった。

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食品事業

食品事業のセグメントは、売上高が前年同期比16.5%増の3,326億1,800万円、営業利益は同126.5%増の212億6,400万円と大幅な増収増益となった。

加工事業は増収増益となった。日本では、家庭用・業務用とも値上げや単品別収支管理の強化により収益構造が改善し増収増益となった。業務用は人流回復の効果もあり外食・量販店惣菜向け冷凍食品の販売が数量・金額とも堅調であったが、家庭用は値上げや外食の回復影響などもあり、増収となったものの販売数量は減少した。北米は、家庭用・業務用ともに値上げ効果が継続していることに加え、家庭用はインフレの影響で市場が低迷する中でもシェアを拡大、業務用は原料価格低下もあり増収増益となった。欧州では、英国の改善に加えて、スペイン・イタリアなどへ販売エリアの拡大を進めた。フランス・ドイツでは販売数量の減少が見られたものの、値上げ効果に加え原料価格が低下し始めたこともあり増収増益となった。

チルド事業は増収増益となった。同期は、人流回復でコンビニエンスストア向けおにぎり・サラダの販売が増加するなどベンダー事業が好調に推移した。また、2023年7月から同業のベンダー事業を営むグルメデリカが連結子会社として加わったことも業績に寄与した。

ファイン事業

ファイン事業のセグメントは、売上高が前年同期比45.8%減の115億円、営業損失は7,800万円となった。

同期は、2022年9月に連結子会社の日水製薬(現・島津ダイアグノスティクス)の全株式を売却したことに加え、医薬原料の米国向け輸出の中断、巣ごもり需要の減速による通信販売の減少などがあり減収減益となった。

物流事業

物流事業のセグメントは、売上高が1.1%増の117億6,700万円、営業利益は同0.2%減の13億8,100万円となった。

同期は、人件費などのコストアップに対して作業の効率化・保管料の値上げを進めたことで、収益性は改善したものの、冷蔵倉庫事業・通関事業において取扱い数量の減少や、2024年1月開業の日水物流南港物流センター開業のための費用の発生などがあり増収減益となった。

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2024年3月期の業績予想を上方修正、年間配当予想も増額修正

2月6日、ニッスイは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比7.4%増の8,250億円、本業の利益を示す営業利益で同18.4%増の290億円、経常利益で同11.6%増の310億円、純利益で同10.7%増の235億円となる見通しを示した。これは従来予想(2023年11月6日公表)に比べて、売上高でプラス0.6%、営業利益でプラス7.4%、経常利益でプラス6.9%、純利益でプラス9.3%の上方修正である。

ニッスイは、水産事業においては北米加工・南米養殖の苦戦が続く見通しとしながらも、食品事業は国内外で家庭用・業務用とも値上げ効果や水産原料の価格低下などが見込まれることを勘案し、2024年3月期・通期の業績予想を上方修正したとしている。なお、冒頭でも述べた通り、ニッスイは2024年3月期の年間配当予想を従来計画の20円から24円へ増額修正すると発表した。

引き続き、ニッスイの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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