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久光製薬、営業利益は739.1%増。V字回復が鮮明、株価は年初来高値

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(画像= La Caprese)

2023年9月12日、東京証券取引所で久光製薬の株価が一時5,450円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年6月15日の安値3,541円から3カ月で53.9%の上昇である。

久光製薬は、1847年創業の医薬品メーカーの老舗(しにせ)である。創業176年目を迎える久光製薬は、経皮鎮痛消炎剤を中心とした医薬品のほか、医薬部外品、医療機器等の製造から販売および輸出入を手がけている。ちなみに、1934年に貼付剤の先駆けとして誕生した「サロンパス」は、世界100カ国以上で商標登録され、久光製薬を代表するヒット商品となった。

後段で述べる通り、久光製薬が7月13日に発表した2024年2月期・第1四半期(2023年3月1日~2023年5月31日)の連結業績で営業利益が前年同期比739.1%増とV字回復を鮮明にしたことが、株価にも追い風となったようだ。今回は久光製薬の話題をお届けしよう。

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久光製薬、営業利益は739.1%増

7月13日、久光製薬は2024年2月期・第1四半期(2023年3月1日~2023年5月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比21.6%増の320億9,600万円、本業の利益を示す営業利益は同739.1%増の43億6,100万円、経常利益は同148.6%増の57億1,300万円、純利益は同148.2%増の40億4,900万円となった。

同期の国内および海外市場の概況は以下の通りである。

国内市場:人流回復、インバウンド需要の増加等が追い風

医療用医薬品事業

まず、国内の医療用医薬品事業は、2022年6月に腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群および腱鞘炎への効能追加に関する承認事項一部変更承認を取得した経皮吸収型非ステロイド性疼痛治療剤「ジクトルテープ」等の売上増が寄与し、前年同期比4.9%の増収となった。

なお、原発性手掌多汗症治療剤「アポハイドローション20%」は、2023年3月に国内製造販売承認を取得し、同年6月に販売を開始した。「アポハイドローション20%」は1日1回就寝前に手掌に塗布することで効果を発揮する、日本初の原発性手掌多汗症治療剤であり、適正使用の推進に努めることで原発性手掌多汗症患者のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上に貢献する商品として期待されている。

一般用医薬品事業

一方、国内の一般用医薬品事業は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和に伴う人流の回復や各種イベントの開催に加え、訪日外国人の増加によるインバウンド需要が回復傾向にあること等の影響を受け、前年同期比55.3%の増収となった。

なお、原材料価格や包装材価格などの継続的な高騰に加え、物流費やエネルギーコストなどの諸経費の高止まりも続く中で、2023年5月より一部商品について希望小売価格の改定を実施した。

海外市場:一般用医薬品事業は43.9%の増収

海外市場の医療用医薬品事業は、米国で後発品の影響を受けたものの、女性ホルモン製剤の需要の高まりや円安の影響もあり、前年同期比13.5%の増収となった。また、一般用医薬品事業は、円安の影響に加え、積極的な販売活動により米国やアジアを中心としたその他の地域で売上を伸ばし、前年同期比43.9%の増収となった。

通期予想に対する営業利益の進捗率は37%

7月13日、久光製薬は2024年2月期・通期(2023年3月1日~2024年2月29日)の連結業績予想について、売上高で前期比3.1%増の1,323億円、本業の利益を示す営業利益で同1.7%増の118億円、経常利益で同9.0%減の146億円、純利益で同9.7%減の106億円と従来予想(4月13日公表)を据え置いた。

ちなみに、2024年2月期・通期の連結業績予想に対する第1四半期の進捗状況は、売上高で24.2%、営業利益で37.0%、経常利益で39.1%、純利益で38.2%となっている。今後、久光製薬が業績予想の修正に動くかどうか、株価の動きとともに注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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