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日本航空、今期は最終利益で59.8%増へ。株価は年初来高値、訪日外客数も回復傾向

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※画像はイメージです。(画像= YASUHIRO SHIRATANI / 写真AC、La Caprese)

2023年6月22日、東京証券取引所で日本航空の株価が一時3,071円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年3月16日の安値2,461円から3カ月ほどで24.8%の上昇である。

日本航空は、東京都品川区に本社を置く大手航空会社である。航空業界を取り巻く環境は、国内線で新型コロナウイルス禍の行動制限が大幅に緩和され、国際線においても各国の入国制限緩和が進んだことにより、急速に改善している。日本航空も例外ではなく、5月2日に発表した①2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績の最終損益で黒字に転換したほか、②2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想についても大幅な増益となる見通し、③2023年3月期の年間配当を20円から25円に増額し、2024年3月期についても前期比で15円増配の40円にする方針……を示すなど回復傾向を鮮明にしている。さらに、④日本政府観光局が今週6月21日に発表した 2023年5月の訪日外客数が189万8,900人と、コロナ前の2019年同月比で68.5%にまで回復した……ことも刺激材料となったようだ。

今回は日本航空の話題をお届けしよう。

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日本航空、2023年3月期は最終黒字に転換

5月2日、日本航空は2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績を発表した。同期の売上収益は前期比101.5%増の1兆3,755億円、EBIT(財務・法人所得税前利益)は645億円(前期は2,394億円の赤字)、最終利益は344億円(前期は1,775億円の最終赤字)となった。

同期は、新型コロナウイルス禍の感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた動きが広く浸透し、国内外における航空旅客需要は着実な回復をみせた。そうした中、日本航空は日本国内および日本と海外を結ぶ航空輸送ネットワークの確保に柔軟に対応した。また、旅客需要は回復基調にあるものの想定より時間を要する中、徹底的なコスト削減の取り組みと貨物事業における売上最大化による収益の改善に努め、上記の通り、最終損益で黒字転換を果たした。

なお、主な事業領域の状況は以下の通りである。

フルサービスキャリア事業領域が急回復

同期のフルサービスキャリア事業領域における国際旅客事業は、有償旅客数で前期比387.2%増、有償旅客キロは同353.1%増、有効座席キロは同67.0%増、有償座席利用率は71.8%となった。一方、国内旅客事業は、有償旅客数で前期比85.4%増、有償旅客キロは同91.0%増、有効座席キロは同43.6%増、有償座席利用率は65.5%となった。また、貨物郵便収入は前期比2.9%増であった。

国際旅客事業

国際旅客事業では、2022年10月中旬まで1日5万人とされていた日本への入国制限者数の上限が撤廃されたことに加え、観光目的の短期滞在ビザ取得免除等の大幅な規制緩和が進み、日本発着旅客数はインバウンドを中心に徐々に回復した。加えて、需要回復スピードの早いアジア=北米間を中心とする通過需要を取り込むべく成田空港での乗り継ぎ利便性の高い運航ダイヤを設定するなど、環境の変化にも柔軟に対応した。

国内旅客事業

国内旅客事業では、政府の需要喚起策「全国旅行支援」が実施されたことなどもあり、旅客需要は観光を中心に着実に回復した。日本航空では、臨時便の設定や航空機材の大型化を行うなど万全な供給体制を整え、その結果、ゴールデンウィークや年末年始、春休みの旅客数は2019年比で約9割まで回復した。

貨物事業

貨物事業においては、夏以降、航空貨物総需要が減少に転じる中にあって、日本航空ではアジア=北米間を中心に好調を持続した。旅客機を利用した貨物便や他社貨物便を積極的に活用し、できる限り需要を取り込んだ。

LCC事業領域は成田空港をハブとしたネットワーク構築を推進

ZIPAIR Tokyo

国際線中長距離LCCであるZIPAIR Tokyoは、日本だけでなく海外においても利用者の認知度が高まり利用率が向上した。特に高需要期においては満席便が頻出するなど早期に黒字化を達成し、事業運営は順調に推移した。また、2022年12月から就航したサンノゼ線も好調なスタートを切っており、2023年夏頃を目途にサンフランシスコ線、マニラ線の新規就航を目指すなど国際旅客需要の回復と歩調を合わせ着実に成長した。

スプリング・ジャパン

中国線にターゲットを置くスプリング・ジャパンは、厳しい入国規制の影響で当面需要回復が見込めなかったことから、生産資源を有効に活用するため一時的に国内線の運航便数を増やすなど収支改善に努めた。今後は中国の水際緩和措置による力強い需要回復が期待される。

LCC3社による事業規模を拡大

同期は、上記2社に加え、主に国内線を運航するジェットスター・ジャパンも含めた特徴の異なるLCC3社による成田空港をハブとしたネットワーク構築に努め、事業規模を拡大した。

非航空事業領域の拡大に取り組む

同期は、航空運送事業以外の事業領域の拡大にも取り組んだ。

国内最大級のポイントサービス「楽天ポイント」とマイルの相互交換を開始したほか、スマートフォン決済サービス「JAL Pay」も開始し、最寄りの対応店舗や機内販売等での利用を可能にした。また、2022年3月期に子会社化したJALUXでは、「JALふるさと納税」サイトの運営を通じ地域の発展とさらなる交流人口・関係人口創出に向けた仕掛けづくりに取り組んだ。さらに、2022年10月にはジャルセールスの吸収合併を決定し、航空券販売に留まらず日本航空全体のアセットを活用したソリューション営業体制への転換を図ることで、地域や顧客の課題解決につながる取り組み強化も推進した。なお、2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)においては「空飛ぶクルマ」を安全・安心に運航する計画も進めている。

2024年3月期は最終利益で59.8%増の見通し

5月2日、日本航空は2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上収益で前期比20.5%増の1兆6,580億円、EBITで同54.9%増の1,000億円、最終利益で同59.8%増の550億円となる見通しを示した。ちなみに、同期の業績予想は、米ドル円為替レートで135円、航空燃油費の指標の一つであるシンガポール・ケロシンの市場価格を1バレルあたり115米ドルとしている。

なお、冒頭でも述べた通り、日本航空は2023年3月期の年間配当を20円から25円に増額し、2024年3月期についても前期比で15円増配の40円にする方針も示した。

引き続き、日本航空の業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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