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マツキヨココカラ&カンパニー、事業成長を支える「4つの戦略」。営業利益は74.2%増、株価は14カ月で88.0%上昇

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(画像= La Caprese)

2023年3月31日、東京証券取引所でマツキヨココカラ&カンパニーの株価が一時7,020円まで買われ、昨年来の高値を更新した。2022年1月20日の安値3,735円から14カ月ほどで88.0%の上昇である。

マツキヨココカラ&カンパニーは、ドラッグストアを運営する企業の持株会社。2022年12月31日時点で傘下(中間持株会社)のマツモトキヨシグループの店舗数は1,848店舗、同じくココカラファイングループで1,545店舗を擁するドラッグストアの大手である。後段で述べる通り、2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績は大幅な増収増益となるなど絶好調で、株価にも追い風となっているようだ。

今回はマツキヨココカラ&カンパニーの業績をみてみよう。

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マツキヨココカラ&カンパニー、営業利益は74.2%増

マツキヨココカラ&カンパニーが発表した2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績は、売上高が前年同期比40.6%増の7,142億7,600万円、本業の利益を示す営業利益は同74.2%増の483億5,800万円、経常利益で同71.6%増の518億3,100万円、純利益は同12.2%増の322億5,900万円と大幅な増収増益となった。

同期は、国内市場の重点戦略、①利便性の追求-お客様との繋がりの深化、②独自性の追求-体験やサービス提供の新化、③専門性の追求-トータルケアの進化……に加えて、グローバル戦略として「アジア市場での更なるプレゼンス向上」をテーマに、④グローバル事業の更なる拡大を重点戦略として推進した。また、PB(プライベートブランド)において、敏感肌向けスキンケアシリーズ「RECiPEO(レシピオ)」から「モイストシートマスク」のラインナップの拡充を図るとともに、順次新商品の展開を進めた。

その結果、2022年12月末現在におけるマツキヨココカラ&カンパニーの顧客接点数は1億2,803万、国内店舗数はマツモトキヨシグループとココカラファイングループの合計で3,393店舗(うち調剤薬局数917店舗、健康サポート薬局数137店舗)となった。

「マツモトキヨシグループ事業」および「ココカラファイングループ事業」の各セグメントの状況は以下の通りである。

「マツモトキヨシグループ事業」のセグメント利益は25.4%増

「マツモトキヨシグループ事業」のセグメントは、売上高が前年同期比4.8%増の4,274億円、セグメント利益は同25.4%増の317億4,200万円となった。

先に述べた通り、同期は国内外で4つの戦略を推進した。詳細は以下の通りである。

①利便性の追求-お客様との繋がりの深化

社会全体のデジタル化が進み、消費者のライフスタイルが変化しつつある中で、一人ひとりの消費者と深くつながっていくことでニーズを的確に捉え、最も身近な存在となることが必要と考え、デジタルと店舗網を活用した仕組みづくりや、様々な買い物スタイルの提供など、利便性を追求し、消費者により深く寄り添う営業を目指した。その結果、マツモトキヨシグループの顧客接点数は2022年12月末現在で9,760万まで拡大した。

②独自性の追求-体験やサービス提供の新化

激しい競争環境の中で、消費者との様々な接点から蓄積されたデータと高いマーケティング分析力を活かした商品・サービスや店舗モデルの開発、広告配信事業の展開など、マツモトキヨシグループならではの独自性を追求した。

店舗については、「マツモトキヨシ」ブランド戦略の一環として、消費者に楽しいショッピングを体験していただくことを目指し、これまでの店舗をさらに進化させた「スタンダードタイプ」「郊外型デイリータイプ」「都市型フラッグシップタイプ」「matsukiyo LABタイプ」「グローバルタイプ」の5つの店舗フォーマットに再構築し、リニューアルを開始した。

また、PB商品においては、美白機能に特化した「ザ・レチノタイム ホワイト」の展開をスタートしたほか、「アルジェラン」から新ヘアケアシリーズ「プレミアムリペア」の販売とリップスティックのリニューアル、「matsukiyo」から「W/M AAA(ウーマン メソッド トリプル A)」のスキンケアラインのリニューアルなどを行った。

③専門性の追求-トータルケアの進化

少子高齢化が進み、健康長寿社会の実現を目指すわが国において、消費者の様々なライフステージに応じた質の高いサービスを提供することで、地域社会により大きな安心と喜びを提供すべく、セルフメディケーションの推進やオンラインを活用した服薬指導・接客などに加え、心と身体の両面でのビューティーケアなどの専門性を追求した。

その結果、調剤薬局数は401店舗となり、厚生労働省の認可を受けた健康サポート薬局数は33店舗となった。また、薬局経営支援サービスである調剤サポートプログラムの加盟店舗数は179店舗まで拡大した。

④グローバル事業の更なる拡大

アジアを中心とした新たな進出国の開拓や海外店舗展開、越境EC事業の拡大を図るため、海外SNSの活用やグローバル会員獲得によるアプローチの強化、グローバルで活躍する人材の開発、海外で支持される商品の開発などに積極的に取り組み、アジア地域の事業規模拡大とプレゼンス向上を目指した。

その結果、2022年12月末現在の海外店舗数は、タイで27店舗、台湾で21店舗、ベトナムで5店舗、香港で4店舗の合計57店舗となった。

「ココカラファイングループ事業」のセグメント利益は同521.6%増

「ココカラファイングループ事業」のセグメントは、売上高が前年同期比204.8%増の2,847億5,800万円、セグメント利益は同521.6%増の156億6,600万円となった。

同期は①利便性の追求-お客様との繋がりの深化②独自性の追求-体験やサービス提供の新化③専門性の追求-トータルケアの進化……という3つの国内重点戦略に対して、マツモトキヨシグループと同様の取組みを実行した。同時に、ココカラファインヘルスケアの各店舗において、2022年11月1日よりココカラポイントとdポイントのダブル付けを開始するなど、販促手法にてマツモトキヨシグループとの統一化を進め、さらなる利便性向上に努めた。

その結果、2022年12月末現在の顧客接点数は3,034万、調剤薬局数は516店舗、健康サポート薬局数は104店舗となった。

通期の売上高は30.1%増、営業利益は40.7%増となる見通し

2月14日、マツキヨココカラ&カンパニーは、2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比30.1%増の9,500億円、本業の利益を示す営業利益で同40.7%増の578億円、経常利益で同39.3%増の621億円、純利益で同10.8%増の381億円と従来予想(2022年11月14日公表)を据え置いた。

マツキヨココカラ&カンパニーの業績は、「4つの戦略」が功を奏して絶好調である。ちなみに、5月12日には2023年3月期の決算発表を予定している。ここでどのような業績が示されるのか、あるいは2024年3月期の連結業績予想についてどのような見解が示されるのか注目されるところである。■

(La Caprese 編集部)

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