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パルグループホールディングスの株価が上場来高値に上昇した理由

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(画像= La Caprese)

2023年11月24日、東京証券取引所でパルグループホールディングスの株価が一時2,339円まで買われ、上場来の高値を更新した。今年1月5日の安値1,216円から10カ月半で92.4%の上昇である。

パルグループホールディングスは、300円の生活雑貨を中心に販売する「3COINS(スリーコインズ)」のほか、オリジナルブランドの衣料品の企画・販売を手掛ける企業を傘下に置く持株会社である。その源流は、1973年10月に当時のスコッチ洋服店からカジュアル部門が分離するかたちで創業した「株式会社パル」にまでさかのぼる。同年には、大阪府堺市のダイエー中百舌鳥店でジーンズショップ「パル青山」を開店した。そして、1994年4月には大阪市北区茶屋町にて300円ショップ「3COINS」1号店をオープンしている。

後段で述べる通り、パルグループホールディングスが公表した、❶2024年2月期・第2四半期(2023年3月1日~2023年8月31日)の連結業績が大幅な増収増益となったことに加えて、❷2024年2月期・通期(2023年3月1日~2024年2月29日)の連結業績予想を上方修正したこと……など好調な業績が株価のサポート要因となっている。

今回はパルグループホールディングスの話題をお届けしよう。

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パルグループホールディングス、純利益は45.6%増

10月11日、パルグループホールディングスは2024年2月期・第2四半期(2023年3月1日~2023年8月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比20.4%増の941億4,500万円、本業の利益を示す営業利益は同35.8%増の102億9,900万円、経常利益は同34.7%増の103億8,400万円、純利益は同45.6%増の70億100万円と大幅な増収増益となった。

同期は、新型コロナウイルス禍の各種規制緩和により個人消費や雇用情勢等に回復の兆しが見られ、景気の緩やかな持ち直しが認められたものの、一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う光熱費や原材料価格の高騰、為替の円安による更なる物価上昇の影響も未だ続いており、また人手不足からくる賃金コストや配送コストの上昇も加わり、店舗を運営する小売業にとっては厳しい経営環境が継続した。

EC販売とWebプロモーションを強化

このような事業環境のもと、パルグループホールディングスは新型コロナウイルスの感染拡大当初より進めてきたECの販売強化とWebプロモーションの強化に注力した。具体的には、公式アプリやSNS、メールマガジンなどを駆使したサービスの提供、顧客との接点創出やつながり強化に注力することでオンライン・オフラインの相互長期利用を目指した。その結果、公式アプリ会員数は860万人を超え、1,000万人が視野に入ってきた。

また、社員がインフルエンサーとなってSNSを通じてターゲット層へ積極的にアプローチしたことも、ECサイトや店舗への集客を促進した。その結果、個人SNSのフォロワー数は1,170万人を突破した。さらに、自社EC「PAL CLOSET」だけでなく「ZOZOTOWN」なども駆使した柔軟なEC活用も売上の底上げに寄与した。

創業50周年イベントを開催

パルグループホールディングスは今年で創業50周年を迎えた。今年8月には、50周年を記念して、初めてブランド合同で予約展示会を開催し、2日間にわたり新商品の試着やトークショーなど盛り沢山のイベントを実施した。また、7月からはディズニー創立100周年を記念した「ディズニー100」をテーマに、アパレルから雑貨まで22のブランドが多様なDisneyキャラクターデザインのラインナップを展開した。

「3COINS」を中心に新規出店の加速と既存店の大型化を推進

一方、実店舗では新型コロナウイルス禍の各種規制緩和により人流が回復し、商業施設の集客も好転したことから来店客数、売上高ともに増加した。1994年4月に大阪市北区茶屋町に1号店を出店してから来年で30周年を迎える「3COINS」を中心に新規出店の加速と既存店の大型化を進めた。同時に、在庫の適正化と粗利率の改善、シフトの効率化による人件費の適正化および店舗運営の効率化など、従来からの重点施策にも引き続き注力した。

「3COINS」1号店出店から来年で30周年

10月11日、パルグループホールディングスは2024年2月期・通期(2023年3月1日~2024年2月29日)の連結業績予想について、売上高で前期比12.0%増の1,842億7,000万円、本業の利益を示す営業利益で同19.9%増の189億7,000万円、経常利益で同19.2%増の191億4,000万円、純利益で同25.1%増の124億5,000万円となる見通しを示した。これは従来予想(4月11日公表)に比べて、売上高でプラス3.9%、営業利益でプラス14.1%、経常利益でプラス14.4%、純利益でプラス19.9%の上方修正である。

パルグループホールディングスは上方修正の理由について、2024年2月期・第2四半期(2023年3月1日~2023年8月31日)の連結業績が好調で、期初に計画していた純利益予想を42%も上回ったこと等を指摘している。引き続き、光熱費や原材料価格の高騰、円安による更なる物価上昇の影響が未だ続いており、また人手不足からくる賃金コストや配送コストの上昇も加わり、店舗を運営する小売業にとっては厳しい経営環境が続いているものの、通期の連結業績予想を上方修正した。

前述の通り、1994年4月に「3COINS」1号店を出店してから来年で30周年を迎える。パルグループホールディングスは「3COINS」を中心に新規出店の加速と既存店の大型化を進める方針だ。

引き続き、パルグループホールディングスの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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