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参天製薬、業績が急回復。株価は昨年来高値、主力の医療用医薬品事業が伸長

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(画像= La Caprese)

2024年1月24日、東京証券取引所で参天製薬の株価が一時1,534円まで買われ、昨年来高値を更新した。2023年2月8日の安値983円から1年足らずで56.1%の上昇である。

参天製薬は、眼科領域に特化した製薬会社である。その源流は、1890年に田口謙吉氏が個人商店として開業した「田口参天堂」にまでさかのぼる。田口氏は、中国の代表的な古典の一節から「参」と「天」の文字をとり、「参天」と名付けたと伝えられている。以来、「天機に参与する」という基本理念の下、長年にわたり人々の目の健康の維持と増進に寄与してきた。

後段で述べる通り、参天製薬が公表した、❶2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績(IFRSベース)が黒字に転換したことに加え、❷2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想(IFRSベース)を上方修正するなど好調な業績が株価のサポート要因となっている。

今回は参天製薬の話題をお届けしよう。

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参天製薬、業績が急回復。主力の医療用医薬品事業が伸長

2023年11月7日、参天製薬は2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績(IFRSベース)を公表した。同期の売上収益は前年同期比13.1%増の1,458億円、本業の利益を示す営業利益は251億円(前年同期は190億円の営業損失)、税引前四半期利益は241億円(前年同期は191億円の税引前四半期損失)、最終利益は193億円(前年同期は220億円の親会社の最終損失)と各利益とも揃って黒字に転換した。

主力の医療用医薬品事業の売上収益は、日本では薬価改定の影響等があったものの主力製品の拡大に注力、中国では前年の新型コロナウイルス感染症の再拡大からの市場の回復、アジアおよびEMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)でも主力製品が堅調に推移し、増収となった。一方、米州は販売・マーケティング活動の合理化を推進した影響もあり、減収となった。その結果、医療用医薬品事業の売上収益は前年同期比13.5%増の1,354億円と伸長した。

一般用医薬品の売上収益は前年同期比4.9%増の59億円となった。同期は、「サンテメディカルシリーズ」「サンテボーティエシリーズ」「ソフトサンティアシリーズ」などの高価格帯品に加え、スイッチOTC製品「ヒアレインS」「サンテFXシリーズ」「ウェルウォッシュアイ」に注力した。

医療機器の売上収益は前年同期比18.6%増の36億円となった。日本ではレンティス コンフォートを中心とした眼内レンズが好調に推移したほか、EMEAではプリザーフロ マイクロシャントの販売が好調に推移した。なお、その他の売上収益は前期比0.6%減の9億円となった。

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2024年3月期・通期の連結業績予想を上方修正

2023年11月7日、参天製薬は2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想(IFRSベース)について、売上収益で前期比8.2%増の3,020億円、本業の利益を示す営業利益で410億円(前期は31億円の営業損失)、税引前利益で383億円(前期は58億円の税引前損失)、最終利益で295億円(前期は150億円の最終損失)となる見通しを示した。これは従来予想(2023年9月20日公表)に比べて、売上収益でプラス6.0%、営業利益でプラス17.1%、税引前利益でプラス16.4%、最終利益でプラス18.0%の上方修正である。

参天製薬は上方修正の理由について、①海外事業を中心に好調に推移していること、②米州医薬品販売事業の合理化の前倒しでの進行、③継続的な全社コスト最適化の取組みの進展、④日本における後発品による影響の精査が完了……などを挙げている。

なお、参天製薬は2月8日に2024年3月期・第3四半期の連結業績の発表を予定している。ここでどのような業績が示されるのか、また通期の連結業績予想についてさらなる修正があるのか、株価の動きとともに注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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