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エッセイ:ユニクロの白いTシャツ

白いtシャツ,おしゃれ
※画像はイメージです。(画像= Mediamodifier / Unsplash、La Caprese)

無地の白いTシャツが好きで、夏はほぼ毎日のように着ている。

白はでしゃばらない。慎み深く、清潔で、上品――そんなイメージを抱いている。しかし、そのシンプルさゆえに着こなすのは意外と難しい。ブランドによっても、ネックラインやシルエットのちょっとした違いで大きく印象が変わる。野暮ったくみえることもあれば、エレガントにみえることもある。白いTシャツといっても実に奥が深い。

これまでさまざまなブランドの白いTシャツを購入してきた。そのなかで一番のお気に入りは2020年7月にユニクロのワゴンセールで購入した逸品だ。いわゆる速乾性のドライTシャツでクルーネック2枚、Vネックを1枚購入した。3枚の合計金額は1,000円もしなかったと記憶している。

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まるで自分のために特別に作られたようなTシャツ

その3枚の白いTシャツ。ワゴンセールで購入したからというわけではないが、当初は大して期待はしていなかった。それだけに、翌朝に着用したときの衝撃(ポジティブサプライズ)は相当なものだった。「おおお!なんじゃこりゃ!」といった感じである。

姿見の前に立つと、Tシャツのシルエットが自分の体型にほどよくあっていた。特に感心したのは三角筋前部から大胸筋上部にかけての隆起を「ほどよくフォローしていた」ことだ。締めつけるわけではなく、かといって緩くもなく、文字通り「ほどよく」フォローしている。ネックラインもクルーネック、Vネックのいずれも深すぎず、浅すぎず、ほどよいラインを形成していた。まるで自分の体型にあわせて特別に作られたTシャツのようである。

その日の夕刻、再びユニクロに行ってみた。同じTシャツを大人買いしようと思ったのだが、ワゴンを探しても見当たらない。店員に聞くとその型はもう生産されていない、という。あれから2年、筆者はユニクロを訪れたときは必ずワゴンを確認するのが習慣になった。ひょっとしたら、そのTシャツがみつかるかもしれない……ごくわずかな望みをかけて探しているのだが、これまでのところ一着もみつかっていない。

「これ、若返ってないか?」知識が不安や心配を克服する

筆者が白いTシャツを好むきっかけとなったのは5年前のこと。2017年のお正月に一大決心をしてボディメイクに取り組んだ時期である。スポーツジムに入会し、パーソナルトレーナーの指導のもとほぼ毎日のように筋トレに励んだ。

筋トレは起業に似ているように思う。始めたばかりの頃は「本当に大丈夫だろうか?」と心配することも少なくない。そんなときは専門書に加えて、政府系機関や企業、シンクタンク、大学などが公表した研究論文や調査レポートなどを読んで勉強した。「知識は力なり」とは英国の哲学者フランシス・ベーコンの主張に基づく格言であるが、まさに知識が不安や心配を克服するのである。

閑話休題。筋トレを開始して3カ月が経過したころ、身体に変化がみられるようになった。体重は大して変わっていないのに、明らかに全身が引き締まっているようにみえる。肌もなんとなく綺麗になったような気がする。心なしか髪の毛も丈夫になったように感じる。そして、顔――以前から何となく感じていたのだが、なんというか、精悍な顔つきになっている。ジムに入会する前はくたびれた老人のような顔つきだったのだが、いまは「男の顔」だ。

「これ、若返ってないか?」

トレーナーからは「なるべく鏡をみるように」とアドバイスを受けていた。肌や筋肉の状態などをこまめにチェックし、変化(成果)を実感することが、モチベーションをさらに高めることになるからだ。

ありのままの自分をみせる勇気

筋トレをするようになってから、さまざまな「変化」を体験した。そのすべてをここに書くことはできない(恐らく一冊の本が書けるくらいの膨大な文字数になるので……)。一番大きいのは肉体的な「変化」なのだが、それにともなってファッションの好みも変化した。

たとえばTシャツである。筆者はもともと派手好きで、ジムに入会する前は主張の強いプリント柄のTシャツを好んで着ていた。しかし、習慣的に筋トレをするようになり、肉体が変化するにしたがってシンプルなデザインを好むようになった。理由は、ありのままの自分でいたいから。シンプルなデザインのほうが鍛え抜いたボディラインが映える、というのもあるが、ありのままの自分をみせる勇気・自信がついたから、といったほうが正しい。

というわけで、無地の白いTシャツが好きで、夏はほぼ毎日のように着用している。

最近の悩みといえば、件のユニクロのワゴンセールで購入した3枚のTシャツが少々きつく感じることである。大胸筋や三角筋、僧帽筋などのサイズアップが原因と考えられるが、特にTシャツを脱ぐときに肩甲骨周りの筋肉(三角筋後部、僧帽筋中部など)に引っかかりを感じるようになった。ストレッチ素材なので、当面は大丈夫だと思うが、そのうち着れなくなるかもしれない。

9月になり、すっかり秋めいてきたように思う。
残された「Tシャツの季節」を楽しみたい。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

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