ベネクス(神奈川県厚木市)は、休養専用リカバリーウェア「VENEX」の開発・製造・販売をしている企業である。同社はスポーツ業界の発展を目指す「スポーツ・サステナビリティ支援事業」を実施しており、その一環として一般社団法人日本リカバリー協会の協力のもとに作成した調査報告『スポーツ・サステナビリティ白書』を公表している。
今回の調査報告では全国の20~79歳の男女10万人の調査データから、筋トレの行動率等について興味深い結果が得られた。グラフを交えながら詳しくみてみよう。
全国の男女10万人の「筋トレ行動率」は?
まず、全国の20~79歳の男女10万人のうち筋トレをしている人の割合(筋トレ行動率)はどれくらいなのだろうか? 『スポーツ・サステナビリティ白書』によると、直近1年間の男女計の筋トレ行動率は全体の22.9%で、ほぼ5人に1人の割合となった。内訳をみると、週1回未満の行動率は9.4%、週1~2回程度は7.2%、週3回以上は6.3%という結果になった(グラフ1)。
性別では、男性の筋トレ行動率が全体の28.8%で、ほぼ3人に1人の割合となった。このうち週1回未満の行動率は12.0%、週1回~2回は9.0%、週3回以上は7.8%となった。
一方、女性の筋トレ行動率は全体の17.1%。このうち週1回未満の行動率は6.7%、週1回~2回以上は5.5%、週3回以上は4.8%という結果になった。
男女で年齢別の「筋トレ行動率」の傾向に差異
筋トレ行動率を年齢別・男女別で見ると、男性は20代の行動率が27.4%と最も高く、次いで30代の21.3%、40代17.3%、50代12.7%と続いている(グラフ2)。男性は20代から60代まで年齢を重なるなかで筋トレ行動率が下降トレンドを描き、70代で微増するかたちとなっている。
一方、女性の筋トレ行動率は、70代が14.4%と最も高く、次いで20代が12.5%、60代が10.5%、30代が9.0%と続いている。下記のグラフが示すように、女性は20代から40代にかけて減少したあと、50代から70代にかけて上昇する「緩やかなU字型」のトレンドを描いている。前述の男性とは異なるトレンドを描いている点が興味深い。
コロナ禍で筋トレをしていなかった人は「運動の量・質」への不安が大きい
『スポーツ・サステナビリティ白書』ではコロナ禍の「健康づくりの3要素」の不安についても調査している。健康づくりの3要素とは「休養」「栄養」「運動」のこと。休養は「睡眠」と「睡眠以外」に分け、3要素それぞれの質と量について調べた。
結果は「グラフ3」が示す通りで、筋トレを全くしていなかった人の「運動の量・質」への不安がマイナス21.2%と最も高く、週1〜2回行っている人でマイナス1.5%、週3回以上でプラス5.8%という結果になった。また、「休養の量・質」については「睡眠」と「睡眠以外」ともに全ての対象者でマイナスとなった。「栄養の量・質」は筋トレを全くしていなかった人の不安がマイナス3.1%と最も高く、次いで週1〜2回がプラス3.4%、週3回以上でプラス7.6%となった。
筋トレ行動と過労の関係は?
今回の 『スポーツ・サステナビリティ白書』で興味深いのは、筋トレ行動率と過労度合の関係についても調査していることだ。
結果は下記の「表1」「表2」に示す通りで、男性は筋トレを全くしなくても元気な人が74.5%と多く、筋トレの頻度が週1回未満、週1~2回程度の人は、元気な人よりも疲れている人のほうが多くなっている。この結果から、疲れていながらも筋トレなどで自分をある程度追い込みながら生活している人が多くいることが推測される。
一方、女性は筋トレを週3回以上行っているという回答において、元気な人が疲れている人を上回り、筋トレをしている人のほうが元気であるという結果となった。
筋トレは「トレ後」のリカバリーも大切
都道府県別に週1回以上の筋トレ行動率を見ると、男性の第1位は石川県で20.2%、2位は沖縄県で19.0%、3位は神奈川県で18.9%となった。一方、女性は第1位が佐賀県の16.4%、2位が福島県で14.3%、3位は徳島県の13.7%となった。
最後に、週1回以上の筋トレ行動率を実践し「元気である」という人が、どのようなリカバリー(疲労解消)の方法を実践しているのかについては、男女ともに「入浴」が最も多い回答となった。筋トレはただトレーニングをするだけではなく、トレ後のリカバリーも大切ということを覚えておきたい。■
(La Caprese 編集部)