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プロトコーポレーション、プラットフォーム事業が拡大。株価は年初来高値、今期業績予想を上方修正

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※画像はイメージです。(画像= tomasa / 写真AC、La Caprese)

2023年11月17日、東京証券取引所でプロトコーポレーションの株価が一時1,383円まで買われ、年初来高値を更新した。今年5月25日の安値1,087円から約半年で27.2%の上昇である。

プロトコーポレーションは、モビリティ関連情報および生活関連情報サービスを事業展開する企業である。全国エリアで展開するクルマ情報誌「グー」や法人向け情報誌「自動車流通新聞」、同じく中古車オークション相場情報誌「オークション情報」といった紙媒体のほか、Webサイトで展開するクルマ情報メディア「グーネット」、中古車・輸入車の総合情報を提供する「グーワールド」など主にモビリティ関連の情報発信に強みを持ち、『挑戦を未来の力に変え 夢と感動 楽しい!で 社会に貢献する』を経営理念に掲げている。

後段で述べる通り、プロトコーポレーションが公表した、❶2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績が増収増益となったことに加え、❷2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年 3月31日)の連結業績予想を上方修正したこと……が株価にも刺激材料となった。

今回はプロトコーポレーションの話題をお届けしよう。

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プロトコーポレーション、プラットフォーム事業が拡大

10月31日、プロトコーポレーションは2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績を公表した。同期の売上高は前年同期比9.5%増の545億5,800万円、本業の利益を示す営業利益は同4.6%増の37億7,400万円、経常利益は同17.7%増の43億1,700万円、純利益は同18.1%増の28億3,600万円と増収増益となった。

同期は、プロトコーポレーションの主要顧客である自動車販売業界にて、半導体をはじめとした部品の供給不足が徐々に緩和される中、新車販売台数が前年実績を上回る水準で推移した。また、中古車登録台数も新車の供給不足緩和の影響により、前年を若干上回る水準で推移した。このような状況下、プロトコーポレーションは多様化するユーザーニーズや今後の市場環境を踏まえて策定した「中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)」に基づき、モビリティ領域のDX(デジタルフォーメーション)に寄与する新商品・サービスの提供に取り組んできた。

その結果、同期は基幹事業であるプラットフォーム事業が堅調に拡大したほか、コスミック流通産業のチケット販売事業も拡大し、売上高は前年同期比9.5%増と伸長した。一方、利益面では、営業利益が「MOTOR GATE」を中心としたプラットフォーム事業に関連するDX商品の提供が堅調に推移したことで増益となった。経常利益は為替相場の変動により、為替リスクを回避するために行っていた通貨オプション取引に含み益が発生したことによるデリバティブ評価益を計上したことが影響し、増益となった。純利益も上記デリバティブ評価益の計上があったことが影響して増益となった。

セグメント別の概況は以下の通りである。

プラットフォーム

プラットフォームの売上高は前年同期比5.6%増の156億7,200万円、営業利益は4.3%増の45億5,600万円となった。増収増益の主因は「MOTORGATE」および「DataLine SalesGuide」を中心とするプラットフォーム事業におけるDX商品の提供が堅調に推移したことによるものである。

同期はモビリティ業界No.1のプラットフォームの構築を目指し、各事業領域におけるシェアの拡大並びに顧客当たりの取引単価の維持・拡大に努めるとともに、モビリティ領域のDXに寄与するサービスの強化に取り組んだ。中古車領域においては「グーネット」のコンテンツ量の最大化、「グーネット」のバックグラウンドシステムである「MOTOR GATE」の提供および機能向上を通じた取引拠点数の拡大並びに中古車販売店の経営支援に取り組んだ。また、整備領域においては「グーネットピット」におけるコンテンツの拡充に加え、入庫管理システム「MOTOR GATE PIT IN」の提供、新車領域においては引き続き「DataLine SalesGuide」の拡販に注力した。

コマース

コマースの売上高は前年同期比8.9%増の349億7,400万円、営業利益は同193.9%増の1億6,300万円と大幅な増益となった。同期は、2013年のオートウェイ買収に関連したのれん償却が前連結会計年度で終了したことに加え、前第1四半期においてコスミック流通産業の買収に関連した費用が計上されていたことなどにより、大幅な営業増益となった。

同期のタイヤ・ホイール等の販売は、引き続き主要取扱ブランドの販売強化に取り組むとともに、「グーネット」「グーネットピット」「MOTOR GATEショッピング」等とのシナジーを追求することで販売機会の拡大に努めた。また、コスミック流通産業についても、プロトコーポレーションの保有するインターネットビジネスにおけるノウハウを提供することで、商品券やギフト券等の販売機会の拡大に努めた。

その他

その他の売上高は前年同期比37.4%増の39億1,000万円、営業利益は同44.0%減の9,000万円と増収減益となった。同期は、前第2四半期に沖縄バスケットボールの株式を取得し、同社および同社の子会社である沖縄アリーナおよび沖縄スポーツアカデミーを連結の範囲に含めたことなどにより、増収減益となった。

DX商品・サービスの拡販に注力

10月31日、プロトコーポレーションは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比6.6%増の1,125億3,800万円、本業の利益を示す営業利益で同11.3%増の81億6,400万円、経常利益で同25.0%増の87億700万円、純利益で同33.0%増の58億8,600万円となる見通しを示した。これは従来予想(5月12日公表)に比べ、売上高でプラス2.9%、営業利益でプラス5.5%、経常利益でプラス12.6%、純利益でプラス10.2%の上方修正である。

プロトコーポレーションは今後の展開について、①プラットフォーム事業における、中古車・整備・新車の各領域でDX商品・サービスの拡販に努めるとともに、②コマース事業においても収益性の改善に注力する意向を示した。その上で、物価上昇による消費低迷懸念、円安進行による仕入れ原価の上昇等、先行き不透明な市場環境を踏まえ、2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績の上振れ分のみを加味した業績予想としたとしている。

引き続き、プロトコーポレーションの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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