記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

オカモト、純利益は68.5%増。株価は年初来高値、通期の業績予想を上方修正

オカモト,株価,上昇,理由
(画像= とりすたー / 写真AC、La Caprese)

2023年8月29日、東京証券取引所でオカモトの株価が一時4,735円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月5日の安値3,625円から8カ月足らずで30.6%の上昇である。

オカモトは、東京都文京区に本社を置くゴム・プラスチックの総合メーカーである。コンドームやゴム手袋などのゴム製品のほか、シューズ、除湿剤、カイロ、粘着テープ、浣腸といった消費者向けの製品から、プラスチックフィルムや農業用フィルム、壁紙、自動車内装材をはじめとする事業者向けの中間素材まで、幅広い製品を手がけている。

後段で述べる通り、オカモトが8月4日に公表した①2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績が大幅な増収増益となったことに加え、②2024年 3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想を上方修正した……ことが株価にも追い風となった。

今回はオカモトの話題をお届けしよう。

スポンサーリンク

オカモト、純利益は68.5%増

8月4日、オカモトは2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比12.1%増の252億800万円、本業の利益を示す営業利益は同26.5%増の22億9,400万円、経常利益は同27.7%増の32億7,400万円、純利益は同68.5%増の27億4,000万円と軒並み2ケタを超える増収増益となった。

同期の日本経済は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和に伴う、人流の増加やインバウンドの回復等、緩やかな持ち直しがみられた。しかし、その一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や、世界的なインフレ率の高止まり、各国中央銀行による金融引締めを背景とした景気減速懸念等、依然として先行き不透明な情勢が継続した。このような経営環境のなか、オカモトは原材料の安定的な調達と生産能力の拡充に取り組むとともに、新製品の開発、環境に配慮したリサイクル事業の推進およびエネルギー消費量の削減を実施しながら、競争力の強化に努めた。

主要セグメントの概況は以下の通りである。

産業用製品:セグメント利益は67.9%増

産業用製品の売上高は前年同期比14.2%増の167億4,600万円、セグメント利益は同67.9%増の4億9,600万円と大幅な増収増益となった。

同期は、一般用フイルムは、市況鈍化の影響を受けて売上減となった。建材用フイルムも、市況の鈍さから売上減となった。その一方で、工業用フイルムは、市場在庫の滞留の解消傾向もあって売上増となった。多層フイルムは、工業用需要が減少したものの、医療用・食品用が堅調で売上高は前年並みとなった。壁紙は、価格改定の影響もあり売上増となった。農業用フイルムも、7月からの価格改定実施を前に前倒し需要が発生し売上増となった。

自動車内装材は、新型コロナウイルスの影響が残るなか、新モデルの受注拡大が寄与し売上増となった。フレキシブルコンテナは、化学工業向けの需要が一時的に増加し売上増となった。粘着テープは、包装用テープの販売は堅調に推移したが、産業用テープの需要が減少し売上は前年並みとなった。工業テープは、電材向けの需要が減少したため売上減となった。食品衛生用品は、業務用ラップが回復し、使い捨て手袋が堅調に推移したため売上増となった。食品用吸水・脱水シートであるピチット製品は、不安定な漁獲高の影響により食品加工向けが減少し売上減となった。研磨布紙等は、半導体向けの売上が大幅に伸長したことにより売上増となった。

生活用品:コンドームが堅調に推移

生活用品の売上高は前年同期比7.9%増の83億9,100万円、セグメント利益は同15.1%増の22億6,200 万円と増収増益となった。

同期は、コンドームが、訪日観光客の増加に加え、新製品の発売効果もあり堅調に推移した。また、海外市場向けも、引き続き堅調であった。浣腸は、中小小売企業および一般店への販売が減少し売上減となった。除湿剤は、前年と比べて梅雨入りが早まり、店頭販売が好調に推移した。手袋は、家庭用は前年の大手得意先の新規導入の反動で売上減となったものの、産業用は回復傾向を示し売上増となった。メディカル製品のうち滅菌器は、コロナ禍特需の反動により売上減となった。ブーツは、店頭売価が上昇した影響で販売数量が減少し売上減となった。シューズは、婦人サンダルや紳士靴の販売不振で売上減となった。

その他

その他事業(物流受託事業および太陽光発電事業)の売上高(振替前)は前年同期比3.9%減の8億4,800万円、セグメント利益は同13.0%増の9,500万円と減収増益となった。

2024年3月期・通期の業績予想を上方修正

8月4日、オカモトは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比2.4%増の1,015億円、本業の利益を示す営業利益で同15.2%増の79億5,000万円、経常利益で同14.9%増の91億円、純利益で同24.7%増の61億円となる見通しを示した。これは従来予想(5月12日公表)に比べて売上高でプラス1.5%、営業利益でプラス13.6%、経常利益でプラス13.8%、純利益でプラス19.6%の上方修正である。

オカモトは上方修正の理由について、❶日本経済の緩やかな回復傾向、❷為替相場が想定より円安で推移していること……の2点を挙げている。

引き続き、オカモトの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

タイトルとURLをコピーしました