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湖池屋の株価が上場来高値に上昇した理由

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(画像= La Caprese)

2023年9月1日、東京証券取引所で湖池屋の株価が一時7,730円まで買われ、上場来高値を更新した。今年1月19日の安値5,300円から7カ月半で45.8%の上昇である。

湖池屋は、東京都板橋区に本社を置く菓子メーカーである。1953年に創業した湖池屋は、1967年に日本で初めて「ポテトチップス」の量産化に成功したほか、1984年には「カラムーチョ」を発売し辛いスナックという新カテゴリーを確立するなど、スナック菓子市場で新たな価値を生み出してきた。「ポテトチップス」「カラムーチョ」「スコーン」「すっぱムーチョ」「ドンタコス」など、いずれもスナック菓子のロングセラーとして業績に寄与している。2011年には、日清食品ホールディングスと業務・資本提携し、連結子会社となった。

後段で述べる通り、湖池屋が8月3日に公表した2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績で営業利益が前年同期に比べて215.5%増となるなど、V字回復を鮮明にしたことが株価にも追い風となった。

今回は湖池屋の話題をお届けしよう。

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湖池屋、営業利益は215.5%増

8月3日、湖池屋は2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比26.9%増の128億9,900万円、本業の利益を示す営業利益は同215.5%増の8億4,700万円、経常利益は同210.0%増の8億8,400万円、純利益は同292.1%増の5億6,000万円と大幅な増収増益となった。

同期は、国内にて前期に大型リニューアルを敢行した「コイケヤポテトチップス」をはじめとした大半のブランドの販売が好調で、売上・利益ともに想定を上回る水準で推移した。また、海外においても、価格改定や各種コスト低減が奏功し、大幅に利益が拡大した。

セグメント別の概況は以下の通りである。

国内:フルリニューアルの「コイケヤポテトチップス」が好調

国内の売上高は前年同期比29.5%増の115億6,100万円、セグメント利益は同170.4%増の7億5,400万円と大幅な増収増益となった。

同期は、前期にブランドの現代化およびコモディティ化からの脱却を目的にフルリニューアルを実施した「コイケヤポテトチップス」の販売が好調だった。加えて、「湖池屋プライドポテト」や「The KOIKEYAシリーズ」などの高付加価値商品群も好調に推移し、売上高で計画を大きく上回った。

商品戦略としては、「湖池屋プライドポテト」「じゃがいも心地(PURE POTATO)」「湖池屋ストロング」など、それぞれのブランドで継続的に新商品を投入するなど、高付加価値ブランドを中心に販売を組み立てた。また、分食や軽食などの食シーン需要に対して個包装にした「濃いじゃが」をエリア限定販売から全国発売に拡大するなど、新機軸商品による新市場創造にも継続的に取り組んだ。

なお、同期は体制見直しによる生産・物流の最適化をはじめとしたコスト削減施策を講じるとともに、商品品質の維持と安定的な利益確保のために価格改定を行った。

海外:セグメント利益は93.9%増

海外の売上高は前年同期比8.2%増の13億3,700万円、セグメント利益は同93.9%増の9,600万円と増収増益となった。

台湾事業では、売上・利益ともに好調に推移した。同期は、台湾国産馬鈴薯が不足する状況下、各種ポテトチップスの大幅な価格改定を遂行した。また、馬鈴薯以外を原料とした新商品発売も計画しており、ポテトチップス以外の商品群の販売比率を高めることで、馬鈴薯原料への依存度を低下させるべく施策を検討している。

ベトナム事業では、輸出事業の好調に伴い、売上が大幅に拡大した。加えて、価格改定や各種コスト削減施策も奏功したことで、利益も大幅に改善した。

タイ事業では、現地流通大手との取り組みの活発化に加えて、地方のスーパーや個人商店への販路拡大により、売上が拡大した。同時に、商品規格の見直しなどの原価低減にも取り組み、利益確保に努めた。

通期予想に対する営業利益の進捗率は44.6%

8月3日、湖池屋は2024年3月期・通期(2023年 4月 1日~2024年 3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比5.4%増の470億円、本業の利益を示す営業利益で同7.1%増の19億円、経常利益で同5.1%増の19億円、純利益で同7.3%増の12億5,000万円と従来予想(5月10日公表)を据え置いた。

ちなみに、通期の連結業績予想に対する第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の進捗率は、営業利益で44.6%、経常利益で46.5%、純利益で44.8%となっている。今後、湖池屋が業績予想の修正に動くかどうか、株価の動きとともに注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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