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京三製作所、純利益は65.8%増。株価は年初来高値、中期経営計画を推進

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※画像はイメージです。(画像= なービー / 写真AC、La Caprese)

2024年5月23日、東京証券取引所で京三製作所の株価が一時606円まで買われ、年初来高値を更新した。今年2月14日の安値441円から3カ月余りで37.4%の上昇である。

京三製作所は、信号システム事業等を展開する電気機器メーカーである。1917年の創業以来、国産初となる自動閉そく信号装置や道路交通信号機、亜酸化銅整流器等を開発・製造するなど、信号システムのトップメーカーとしての地歩を築いてきた。そんな同社は現在、永続的成長を目指す『中期経営計画2025』のもと、信号システム事業およびパワーエレクトロニクス事業の拡大と新規事業へのチャレンジのほか、サステナビリティを重視したESG(環境・社会・ガバナンス)経営を推進している。

後段で述べる通り、京三製作所が公表した、❶2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績で純利益が前期比65.8%増と大幅な増益となったことに加え、❷2025年3月期・通期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績予想で大幅な増収増益となる見通しが示されたこと、❸さらに、2024年3月期の年間配当を従来計画の18円から20円に増額修正し、2025年3月期の年間配当予想も20円で継続する方針を示したこと……などが株価のサポート要因となっているようだ。

今回は京三製作所の話題をお届けしよう。

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京三製作所、純利益は65.8%増

5月13日、京三製作所は2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績を公表した。同期の経営成績は、売上高が前期比2.5%減の705億2,500万円、本業の利益を示す営業利益は同12.9%増の24億9,100万円、経常利益は同21.5%増の32億5,900万円、純利益は同65.8%増の34億3,400万円と減収増益となった。

同期は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和等を背景に社会経済活動の正常化が進んだ。しかし、その一方で世界的な半導体市況の調整局面が継続し、一部の半導体や電子部品の供給不足は完全には解消されない状態が続いたほか、円安進行や物価上昇、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰などの影響もあり、依然として先行き不透明な状況が継続した。

こうした経営環境下、京三製作所は受注面でパワーエレクトロニクス事業が前期を上回ったものの、信号システム事業が前期を下回ったことから、全体としては前期を下回ることとなった。売上面においては、信号システム事業は前期を上回ったものの、パワーエレクトロニクス事業が前期を大きく下回ったことから、全体としても前期を下回ることとなった。

一方、利益面では売上の減少や原材料価格の高騰等の影響があったものの、販売費および一般管理費の減少などにより営業利益・経常利益は前期を上回った。純利益は、営業利益・経常利益の増加に加え、資産の効率化を目的とした投資有価証券の売却に伴う特別利益を計上したことから、大幅な増益となった。

セグメント別の概況は以下の通りである。

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信号システム事業

同期の鉄道信号システムにおける受注は、大型案件を含む一部案件において部品の長納期化を受けた前期への前倒し発注があったことから、前期を下回った。主な受注案件としては東急電鉄目黒線向けATC地上装置をはじめとする国内の鉄道事業者向け信号設備、海外向けではマカオLRTの延伸工事向け信号設備や米国オーランド国際空港APM向け信号システムなどがあった。

売上は一部の海外案件が繰り延べとなったものの、引き続き受注済み案件の売上に努めた結果、前期を上回った。国内ではJR東日本常磐緩行線向け信号設備をはじめとした各鉄道事業者向けの信号設備やホームドア、海外では信号設備の新設やオーバーホールなどの売上を計上した。

また、道路交通システムでは高知県警向け交通管制システム中央装置などの売上のほか、交通信号制御機、交通信号灯器、自律分散制御交通信号システムなどの拡販に努めた結果、受注・売上ともに堅調に推移した。

パワーエレクトロニクス事業

同期は受注面で、フラットパネルディスプレイ製造装置用電源装置が前期を下回ったものの、半導体製造装置用電源装置は半導体市況の調整局面が継続する中においても前期を上回ったことから、全体としても前期を上回った。一方、売上は半導体製造装置用電源装置およびフラットパネルディスプレイ製造装置用電源装置ともに前期の受注減少などの影響により、全体として前期を大きく下回った。

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成長戦略とサステナブル戦略をさらに推進

5月13日、京三製作所は2025年3月期・通期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比19.1%増の840億円、本業の利益を示す営業利益で同128.8%増の57億円、経常利益で同84.1%増の60億円、純利益で同28.1%増の44億円と大幅な増収増益となる見通しを示した。

京三製作所は2025年3月期について、中期経営計画の最終年度であり、これまで取り組んできた成長戦略およびサステナブル戦略をさらに推し進め、目標達成を目指すとしている。その上で、同期は信号システム事業の鉄道信号システムにおいて、業務の階層化・平準化や生産管理の強化によるリードタイムの短縮や、営業力の強化により営業と技術が一体となった受注活動と適正利益の創出に努める計画としている。また、海外拠点との連携やエンジニアリング会社、商社との協力体制の強化による海外マーケットでの受注拡大も図る方針である。道路交通システムにおいては、AI(人工知能)ならびにIоT、高速通信等を駆使した新たな技術開発に取り組み、モビリティ変革やスマートシティ対応製品の開発と、自治体等が主導する自動運転の実証実験への参画を進めるとともに、海外拠点との協業によりグローバル展開にも取り組むとしている。

一方、パワーエレクトロニクス事業では、主力製品である半導体製造装置用電源装置において、2025年3月期の下期以降から本格的な市況回復が見込まれるため、引き続き生産体制の強化・効率化を推進するとともに、新たな製品展開に向けた研究開発を加速し、マーケットシェアの拡大を目指す方針を示した。

引き続き、京三製作所の業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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