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江崎グリコ、純利益は74.5%増。株価は昨年来高値、海外事業等が好調

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(画像= La Caprese)

2024年2月15日、東京証券取引所で江崎グリコの株価が一時4,783円まで買われ、昨年来高値を更新した。2023年3月23日の安値3,270円から11カ月足らずで46.3%の上昇である。

江崎グリコは、大阪府大阪市に本社を置く総合食品メーカーである。同社の源流は、創業者の江崎利一氏が牡蠣の煮汁に含まれる栄養素「グリコーゲン」を確認した1919年にまでさかのぼる。いまから100年以上も前、人々がまだ栄養不良・不足の状態であった時代に、江崎氏はその「グリコーゲン」を摂取することで病気予防に役立ててもらいたいと考え、栄養菓子「グリコ」を創製した。21世紀の現在も創業者の精神は継承されており、菓子や冷菓、食品、牛乳・乳製品など幅広い商品の製造・販売を手がける総合食品メーカーとして事業を展開している。

後段で述べる通り、江崎グリコが今週2月13日に公表した、❶2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績が大幅な増益となったことに加え、❷2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の連結業績予想についても増収増益の見通しが示されたこと、❸さらに、2024年12月期の年間配当予想を前期比10円増の90円に増配する方針を示したこと……などが株価にも刺激材料となった。

今回は江崎グリコの話題をお届けしよう。

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江崎グリコ、純利益は74.5%増。海外事業等が好調

2月13日、江崎グリコは2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績を公表した。同期の経営成績は、売上高が前期比9.4%増の3,325億9,000万円、営業利益は同45.0%増の186億2,200万円、経常利益は同56.0%増の212億8,500万円、純利益は同74.5%増の141億3,300万円と増収増益となった。

同期は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和で経済活動の正常化が進む一方で、エネルギー・原材料価格の高騰、急激な為替変動、世界的な金融引締めによる景気の下振れリスクなど、依然として先行き不透明な状況が続いた。このような経営環境下、江崎グリコは存在意義(パーパス)として掲げる「すこやかな毎日、ゆたかな人生」の実現に向け価値創造を強化し、①健康価値の提供・お客様起点のバリューチェーンの構築、②注力領域への研究投資の集中、③海外事業の拡大を推進した。

その結果、売上面では、全てのセグメントで前期を上回った。一方、利益面では、売上原価率が前連結会計年度に新型コロナウイルス禍でロックダウンがあった中国で低下したこと等により前年同期比0.8ポイント低下した。また、販売費および一般管理費は、広告宣伝費、販売促進費等が増加した。上記の通り、営業利益が前期比45.0%増と急増したほか、経常利益も営業利益段階での増益や為替差益等により同56.0%増と伸長、純利益も同74.5%増となるなど、全ての利益項目が大幅な増益を記録した。

なお、主要セグメントの概況は以下の通りである。

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健康・食品事業、営業利益は1.0%増

健康・食品事業は、売上面で“DONBURI亭”“カレー職人”等が前期を下回る一方で、“パピコ”“アーモンド効果”等が前期を上回った。その結果、セグメント全体の売上高は前期比5.6%増の504億9,900万円となった。一方、利益面では増収および売上原価率の低下等により、営業利益で同1.0%増の20億6,400万円となった。

乳業事業、営業利益は98.1%増

乳業事業は、売上面で“牧場しぼり”“朝食りんごヨーグルト”等が前期を下回る一方で、“セブンティーンアイス”“ジャイアントコーン”等が前期を上回った。その結果、セグメント全体の売上高は前期比5.5%増の696億7,500万円と伸長した。一方、利益面では増収および売上原価率の低下等により、営業利益で同98.1%増の5億2,900万円となった。

栄養菓子事業、営業利益は37.3%増

栄養菓子事業は、売上面で“神戸ローストショコラ”“ビッテ”等が前期を下回る一方で、 “ポッキー”“プリッツ”等が前期を上回った。その結果、セグメント全体の売上高は前期比7.0%増の618億9,000万円と伸長した。一方、利益面では増収および売上原価率の低下等により、営業利益で同37.3%増の65億2,500万円となった。

食品原料事業、営業利益は96.0%増

食品原料事業は、売上面で「小麦たん白」「澱粉」等が前期を上回るなど好調に推移した。その結果、セグメント全体の売上高は前期比19.6%増の133億4,800万円と伸長した。一方、利益面では増収および売上原価率の低下等により、営業利益で同96.0%増の24億2,700万円となった。

国内その他事業、営業利益は125.8%増

国内その他事業は、売上面で卸売販売子会社の売上高、「オフィスグリコ」等が前期を上回るなど好調に推移した。その結果、セグメント全体の売上高は前期比7.8%増の659億6,200万円と伸長した。一方、利益面では増収および売上原価率の低下等により、営業利益で同125.8%増の20億4,700万円となった。

海外事業、営業利益は249.4%増

海外事業は、中国・ASEAN・米国等で売上高が前期を上回るなど好調だった。その結果、セグメント全体の売上高は前期比18.9%増の712億1,400万円と伸長した。一方、利益面では増収に伴う売上総利益の増加等により、営業利益で同249.4%増の41億6,500万円となった。

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今期も増収増益を予想、年間配当予想を10円増配

2月13日、江崎グリコは2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の経営環境について、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復の継続が期待される一方で、世界的な金融引締めの影響による海外景気の下振れリスク、物価上昇、金融資本市場の変動等先行きは依然として不透明との認識を示した。

その上で、2024年12月期・通期の連結業績予想について、売上高は前期比5.5%増の3,510億円、本業の利益を示す営業利益は同2.0%増の190億円、経常利益は同1.0%増の215億円、純利益は同6.1%増の150億円と増収増益となる見通しを示した。なお、冒頭で述べた通り、江崎グリコは2024年12月期の年間配当予想を前期比10円増の90円に増配する方針を示している。

引き続き、江崎グリコの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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