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石油資源開発、株価は11カ月で88.6%上昇 業績好調、ブルネイとの契約報道も追い風に

石油資源開発株価,なぜ,高い
※画像はイメージです。(画像= Canva、La Caprese)

2023年1月27日、東京証券取引所で石油資源開発の株価が一時4,385円まで買われ、昨年来高値を更新した。2022年3月2日の安値2,325円から11カ月ほどで88.6%の上昇である。

石油資源開発は、その社名が示す通り、石油や天然ガス資源の開発から生産、輸送、販売までを一貫して行う企業である。日本国内では、北海道や秋田県、山形県、新潟県などの油田・ガス田にて採掘を行っているほか、イラクのガラフ油田など海外での権益も有している。さらに、メタンハイドレート、オイルサンド、GTL燃料(天然ガスを一酸化炭素と水素に分解後、分子構造を組み替えて液体燃料などを作る技術)などの研究開発にも取り組んでいる。

直近の話題で注目されるのは、先週1月26日付の日本経済新聞(電子版)で、今年4月からブルネイが石油資源開発にLNG(液化天然ガス)を供給する、と報じられたことだ。報道によるとブルネイは日本のLNGの輸入元としてオーストラリアやマレーシアなどに次ぐ6位であり、日本の全輸入量の約6%を供給している。販売量や期間など契約の詳細は明らかにされていないが、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻等でエネルギーの供給不安が根強いこともあり、株価にも追い風となったようだ。

今回は石油資源開発の業績をみてみよう。

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石油資源開発、営業利益は102.3%増

石油資源開発が2022年11月10日に公表した2023年3月期・第2四半期(2022年4月1日~2022年9月30日)の連結業績は、売上高が前年同期に比べて1.9%増の1,207億800万円、本業の利益を示す営業利益は同102.3%増の193億400万円、経常利益は同122.7%増の430億8,400万円、純利益は314億3,000万円(前年同期は1,196億7,600万円の純損失)と黒字転換した。

石油資源開発は、同期が増収増益となった主な要因について(1)前連結会計年度にカナダ・オイルサンドプロジェクトを推進する連結子会社Japan Canada Oil Sands Limited(JACOS)の全株式を譲渡したこと(2)原油価格やLNG価格の上昇により国内の原油および天然ガスの販売価格が上昇したことなどを挙げている。

内訳をみると、E&P事業の売上高は、上記JACOS全株式の譲渡で希釈ビチューメンの販売がなくなったことなどにより、前年同期に比べて71.6%減少した。一方で、インフラ・ユーティリティ事業の売上高は、原油価格やLNG価格の高騰を受けて国内の天然ガスや電力の販売価格も上昇したことから前年同期に比べて65.5%増と急増した。さらに、請負(掘さく工事および地質調査の受注など)、LPG(液化石油ガス)・重油等の石油製品等の販売およびその他業務受託等の売上高が、前年同期に比べて33.5%増と大幅に増加した。

ちなみに、探鉱費は前年同期に比べて351.6%増の11億4,000万円となる一方で、販売費および一般管理費は同15.4%減の135億3,500万円であった。その結果、同期の営業利益は上記の通り102.3%増となった。また、同期は主に為替差益が増加したことやデリバティブ評価益を計上したことなどにより、経常利益も122.7%増と急増した。

ブルネイとの契約の新たな情報が示されるか?

石油資源開発は2022年11月10日、2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比22.2%増加の3,045億6,300万円、本業の利益を示す営業利益で同128.4%増の452億4,200万円、経常利益で同53.3%増の669億5,100万円、純利益で530億円となる見通しを示している。これは従来予想(2022年8月9日公表)に比べて、売上高でプラス10.4%、営業利益でプラス13.9%、経常利益でプラス31.3%、純利益でプラス32.5%の大幅な上方修正である。

石油資源開発は上方修正の理由について(1)天然ガス、電力の販売価格のさらなる上昇が見込まれること(2)為替差益の増加やLNG 取引にかかる評価益の計上などを挙げている。

なお、石油資源開発は来週2月10日に2023年3月期・第3四半期の連結業績の発表を予定している。ここでどのような業績が示されるのか。また、冒頭で取り上げたブルネイとのLNGに関する契約について、新たな情報が示されるか注目しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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