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ホットランド、純利益は97.5%増。「鬼滅の刃」コラボキャンペーン、米MLBドジャースの球場内店舗も話題

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(画像= La Caprese)

2024年5月17日、東京証券取引所でホットランドの株価が一時2,310円まで買われ、年初来高値を更新した。今年3月5日の安値1,791円から2カ月余りで29.0の上昇である。

ホットランドは、たこ焼きチェーン「築地銀だこ」を中心に、多様な食品事業を展開している企業である。「築地銀だこ」事業のほか、創作おでん専門店「おでん屋たけし」等を展開する酒場事業、「野郎めし」や「東京油組総本店 <油そば>」を展開する主食事業、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売等を展開する製販事業、グローバル展開を推進する海外事業などが、収益の柱となっている。また、「鬼滅の刃」コラボキャンペーンや、米MLBドジャースの球場内での店舗をオープンするなど話題づくりに積極的な企業でもある。

後段で述べる通り、ホットランドが公表した2024年12月期・第1四半期(2024年1月1日~2024年3月31日)の連結業績で純利益が前年同月比で97.5%増と大幅な増益を示すなど、好調な業績が株価のサポート要因となっているようだ。今回はホットランドの話題をお届けしよう。

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ホットランド、純利益は97.5%増

5月15日、ホットランドは2024年12月期・第1四半期(2024年1月1日~2024年3月31日)の連結業績を公表した。同期の経営成績は、売上高が前年同期比21.9%増の114億5,900万円、本業の利益を示す営業利益は同66.7%増の11億0,500万円、経常利益は同107.9%増の15億1,400万円、純利益は同97.5%増の9億3,000万円となった。

同期は、為替変動や物価高等の影響が継続したものの、新型コロナウイルス禍からの経済活動の正常化が進む中で雇用・所得環境の改善の動きが見られる等、緩やかな回復基調となった。しかし、その一方でロシア・ウクライナ情勢や中東情勢、中国経済の成長鈍化等の下振れリスクを抱え、依然として先行き不透明な状況が継続した。外食産業では、経済活動の正常化による人流の回復やインバウンド需要が増加する一方で、原材料価格や人件費の高騰のほか、継続的な物価上昇による消費者の節約志向が強まることとなった。

このような経営環境下、ホットランドは2023年度から2027年をターゲットとした「中期経営計画」に基づき、既存事業の深化と今後を見据えた新業態・新事業の開発、育成、成長に継続して取り組んだ。

主要セグメントの概況は以下の通りである。

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「築地銀だこ」事業:「鬼滅の刃」コラボキャンペーン等を展開

「築地銀だこ」事業は3月5日より全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、創業27周年を記念した『大創業祭』を開催し、第1弾として3月5日から7日までの3日間、創業以来人気№1の“ぜったいうまい!! たこ焼(ソース、8個入り)”を『サンキュー価格=390円(税抜)/ 420円(お持ち帰り税込)』で提供する“サンキューセール”を実施した。加えて、第2弾は3月8日から10日までの3日間、銀だこスタンプカードの『スタンプ2倍』を、第3弾は創業記念日にあたる3月14日に当日限定で『スタンプ3倍』を実施した。このほか、『大創業祭』の盛り上げに合わせ、3月8日から“ぜったいお得な回数券”も数量限定で発売した。さらに、同回数券の発売に合わせ、PayPayポイントが最大5%戻ってくるPayPayクーポンの配布も実施した。

他方、3月18日からは「LINE」のトークを通じてギフトを贈り合うことができるコミュニケーションサービス「LINEギフト」へ出店し、LINEギフト販売開始を記念して、特定のチケット購入で“たこ焼1舟交換チケット(ソース、8個入)”がもらえるキャンペーン(数量限定)を実施した。

商品関連では、2月2日から3月3日までの期間、『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』の映画公開を記念したコラボレーションを実施し、昨年発売し好評であった『時透無一郎と甘露寺蜜璃の胡麻ねぎ明太とろろ(8個入り)』を期間限定で再販売したほか、「鬼滅の刃」キャラクターが集合した『オリジナルデザイン だんらんパック(24 個入り)、限定デザインクリアファイル付』も発売した。また3月18日より大人気商品『九条ねぎマヨ 焦がし醤油』を、3月20日よりTVアニメとのコラボ限定デザインの『お花見だんらんパック』(数量限定)を、全国の築地銀だこのクロワッサンたい焼取扱店舗(一部店舗を除く)では、2月15日より新作プレミアムクロワッサンたい焼『濃い あまおう いちごみるく』をそれぞれ期間限定で発売した。

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酒場事業:各業態ともに好調

同期の酒場事業は、通常の販売促進や商品開発・メニュー改定等の効果に加え、人流の回復やインバウンド需要の増加もあり、各業態ともに好調に推移した。出店については酒場事業の中でも特に利益率の高い「銀だこハイボール酒場」「おでん屋たけし」の新規出店に注力し、1月に「銀だこハイボール酒場」の成田駅前店、2月に「銀だこハイボール酒場」の豊洲千客万来店、「銀だこハイボール横丁」の新宿中央東口店、「おでん屋たけし」の中目黒店、3月に「銀だこハイボール酒場」の広島流川店、「銀だこハイボール横丁」の新宿歌舞伎町靖国通り店、「おでん屋たけし」の麻布十番店をそれぞれオープンした。

主食事業:「東京油組総本店<油そば>」など既存業態が好調

主食事業は「東京油組総本店<油そば>」をはじめとした既存業態が好調に推移した。出店については、2月に「東京油組総本店<油そば>」の「小倉組」および「鶏そば炭や」の新橋店を、3月にはこだわりの“十割そば”や“揚げたての天ぷら”などを提供する「十割そば 囲炉裏」のつくば店をオープンした。

製販事業:スーパー向けの販路拡大で業績好調

製販事業は、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し好調に推移した。また冷凍たこ焼については、引き続き海外販路の開拓に積極的に取り組んでおり、今後の需要増加を見越して、群馬県桐生市の冷凍たこ焼工場の隣地に冷凍設備倉庫を新設することを決定した。

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海外事業:米MLBドジャース球場内に“築地銀だこ”をオープン

海外事業では、大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・ドジャースと協力し、米国時間3月24日にドジャースのホーム球場である『ドジャー・スタジアム』内に“築地銀だこ”をオープンした。同店では創業以来人気No.1の“ぜったいうまい!! たこ焼”「Original(ソース)」に加え、ドジャー・スタジアムだけでしか味わえない『限定たこ焼』として「Cheese &Salsa(チーズ&サルサ)」「Cheese & Guacamole(チーズ&ワカモレ)」「Tempura & Sweet soysauce(天ぷら&スウィート ソイ ソース)」を加えた計4種類のたこ焼を発売した。

また、今後米国内での冷凍たこ焼の卸販売等を目的とし、カリフォルニア州をはじめとした米国本土各地(ハワイ州含む)において、日本食や日本酒等とともに“築地銀だこの冷凍たこ焼”のプロモーションを行なった。アセアンでは新型コロナウイルス禍の各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進んでおり、新規国でのマスターフランチャイズ契約の締結を推進した。香港は新型コロナウイルス禍の影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗では営業黒字を維持している店舗も多く、引き続き商機を吟味しつつ出店する計画である。

なお、観光地に店舗を多く有するファンインターナショナルの運営店舗は、人流の回復やインバウンド需要の増加等により引き続き堅調に推移した。

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2024年12月期・通期も増収増益となる見通し

5月15日、ホットランドは2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比16.2%増の450億円、本業の利益を示す営業利益で同25.3%増の28億円、経常利益で同4.3%増の27億5,000万円、純利益で同42.0%増の14億5,000万円と従来予想(2024年2月14日公表)を据え置いた。

「鬼滅の刃」コラボキャンペーンや、米MLBドジャースの球場内店舗オープンなど話題づくりにも積極的なホットランドの動向を引き続き注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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