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睡眠ビジネス――米アマゾン、ソフトバンクGのBBソフトサービスが相次いで参入

睡眠,効果
(画像= Canva、La Caprese)

米通販大手のアマゾンやソフトバンクグループ <9984> のBBソフトサービスなど企業の「睡眠ビジネス」への参入が相次いでいる。

後段で述べる通り、「睡眠不足は認知症リスクを高める」との研究成果が米スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所から報告されているほか、フジ医療器が実施した調査では全体の93.9%が「睡眠に不満がある」とのデータもある。こうした状況下、「快眠」を提供することを目的とした睡眠ビジネスは今後大きく成長する可能性を秘めているのかもしれない。

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アマゾン、米国でスリープデバイスの発売へ

2022年9月28日、米アマゾンは睡眠改善方法等を提案する機能を備えたスリープデバイス「ハロ・ライズ(Halo Rise)」を発売すると発表した。販売価格は139ドル99セント(約2万円)で、年内にアメリカ国内での販売をスタートする予定だ(日本での発売は現時点では未定)。

「ハロ・ライズ」はアマゾン初となるスリープデバイスで、ベッドの脇などに置いて使う。レーダーセンサー等でベッドに寝ている人の睡眠状態などを把握し、記録するほか、睡眠ステージなどの詳細を分析する。レーダーセンサー等は就寝中の呼吸や身体の動きに加えて、室内の温度や湿度、照明の明るさなどを測定し、利用者に睡眠改善の提案をするのが大きな特徴だ。ユーザーデータを保護する意味で、クラウドに記録したデータは保存しない。また、「ハロ・ライズ」は照明やスピーカーも備えており、AI(人工知能)のアレクサと連携することも可能だ。

BBソフトサービス、「+Style 睡眠チェッカー」の販売スタート

一方、2022年9月22日にはソフトバンクグループのBBソフトサービスがプラススタイル事業(以下、+Style)において、睡眠データの計測や家電との連携ができる「+Style 睡眠チェッカー」の販売をスタートしている。

「+Style 睡眠チェッカー」は、ベッドや敷布団のシーツの下に敷いて寝ることで、心拍数や呼吸数、寝返りの回数などを計測し、睡眠の質や深さを計算して睡眠改善のためのアドバイスをするというもの(※医療機器ではないので、睡眠治療に関するアドバイスはできない)。

計測された睡眠データはスマートフォンのアプリから確認できる。1日の詳細な睡眠状況に加え、1週間・1カ月ごとに睡眠スコアなどの推移をグラフ化してチェックすることができるほか、Wi-Fiに接続することで離れて暮らす家族の様子などを把握し、遠隔で見守りの用途でも活用することができる。また、+Style家電と連携することで、生活スタイルに合わせたシーンをつくることも可能だ。

「+Style 睡眠チェッカー」の通常販売価格は税込み1万5,800円で、通販サイトなどで購入することができる。

認知症リスクを高める「睡眠不足」

冒頭で述べた通り、睡眠不足は認知症リスクを高めるとの研究報告もある。2009年、米スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所はアルツハイマー病のマウスを用いた研究で、睡眠制限が脳内に「アミロイドβ」の沈着を引き起こすことを解明した。「アミロイドβ」とはアルツハイマー病の発症に関わっている可能性が指摘される老廃物の一つ。睡眠の重要な役割の一つとして、これら「アミロイドβ」などの老廃物を処理することが同研究所の研究で明らかになった。

ところで、当サイトでは2022年10月7日にフジ医療器の『第9回 睡眠に関する調査』を紹介している。同調査では「睡眠に不満はありますか?」との設問に対して、全体の93.9%が「不満がある」と回答している。「不満がある」との回答者数はこれまで9回の調査で毎回90%を超えているのが実情である。

睡眠に不満を抱いている人が多いということは、それだけビジネスとしても大きな可能性を秘めているといえるのかもしれない。今回紹介したアマゾンやBBソフトサービス、フジ医療器のほかにも多くの企業が「快眠」を提供するための睡眠ビジネスに参入しており、今後の動向が注目されるところだ。■

(La Caprese 編集部)

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