ガムを噛むことによる咀嚼筋などへの作用がフェイスラインの引き締めに影響する――2023年7月18日、ロッテ(本社:東京都新宿区)は、そんな研究成果を発表した。
後段で述べる通り、本研究では21歳〜49歳代の女性56名を対象に8週間にわたり、①1回2粒×10分間のガム咀嚼を毎食前に1日3回する「ガム咀嚼群」と、②「無摂取群」に分けて行われた。その結果、8週間のガム咀嚼トレーニング(ガムトレ)を実施した「ガム咀嚼群」は「無摂取群」に比べて、左右のフェイスライン角度が有意に増加し、顎下皮膚弾力性における振幅最大値の有意な低下が認められた。
歯科衛生士でフェイスニング公認講師の石野由美子先生は本研究成果について、「噛むことは、顔周りの美容につながります。頬のたるみや口元のリフトアップ、あごの下や首周りの筋肉も引き上げられるため、デコルテからフェイスライン部分も引き締められ、小顔対策につながります」とコメントした。
ちなみに、ロッテが全国の20代~50代の女性を対象に実施した『美容に関する意識調査』では、フェイスラインのたるみについて、77.1%が「気になる(39.3%)」「少し気になる(37.8%)」と回答し、多くの女性の悩みの一つになっていることが判明している。
(図1) 出典:ロッテ
ロッテ『美容に関する意識調査』
77.1%がフェイスラインのたるみを気にしているが、その2人に1人以上がセルフケアをしていない
フェイスラインのたるみが気になる人のうち、普段どのくらいの頻度で自宅でセルフケアをしているか聞いたところ、42.9%が「まったくしていない」、12.3%が「1か月に1回より少ない」と回答し、2人に1人以上(計55.2%)がセルフケアを特にしていないことが判明した。
また、継続的なセルフケアができない(しない)理由を聞いたところ、「ケアや対策をする時間がないから(41.7%)」が最も多く、次いで「ケアや対策法が難しいから(34.2%)」「効果を感じられなさそうだから(26.6%)」などの意見が寄せられた。特に20代に「ケアや対策をする時間がないから(59.3%)」と回答する人が多い結果となった。フェイスラインのたるみを気にする人は多いものの、時間的ハードル等から対策やケアをできていない人が多い実態が浮き彫りとなった。
(図2) 出典:ロッテ
「姿勢の改善」「よく噛むこと」等、日頃からの意識向上でたるみ対策をする女性が多い傾向に。
ちなみに、美容・スキンケアに対して1か月にかける費用については、「1,000円以上5,000円以内」が最多で37.0%となった。どの年代も1カ月にかける費用は「1,000円以上5,000円以内」が最多という結果になり、美容においてもコスパ志向の女性が多いことが明らかになった。
また、多くの人の悩みの一つでもあるフェイスラインのたるみに対して、どのような対策を取り組んでいるのか聞いたところ、「マッサージやトレーニング、エクササイズ等によるセルフケア(31.8%)」が一番多く、「意識的に姿勢をよくする(28.2%)」、「よく噛むことを意識する(23.1%)」がなどの声も寄せられた。その一方で、「ヒアルロン酸注射や糸リフト、ハイフ等の美容整形(5.2%)」「エステやマッサージ等のサロンへ行く(6.8%)」等は少なく、お金をかけず生活習慣の改善から対策をしている人が多いことが判明した。
「美容のセルフケアをする中で、重要視していること」トップ3は、1位が「お金がかからない(58.3%)」、次いで「継続できる(56.5%)」、「ながらでできる(42.8%)」となった。忙しい毎日を送る現代の人にとって、時間やお金などのコストがかからず日常から取り入れることができる簡単なケアが求められているようだ。
(図3) 出典:ロッテ
ロッテの研究成果――ガムを噛むことによりフェイスラインが引き上がることが明らかに!
冒頭で紹介した通り、ロッテが実施したガムを噛むことによるフェイスラインの影響を評価した研究では21歳〜49歳代の女性56名を対象に8週間にわたり、①1回2粒×10分間のガム咀嚼を毎食前に1日3回する「ガム咀嚼群」と、②「無摂取群」に分けて行われた。その前後で、フェイスライン角度(左右)、皮膚弾力性(右頬、顎下)、体重・BMI・体脂肪の測定やアンケートを実施した。
その結果、8週間のガム咀嚼トレーニング(ガムトレ)を実施した「ガム咀嚼群」は「無摂取群」に比べて、左右のフェイスライン角度が有意に増加し、顎下皮膚弾力性における振幅最大値の有意な低下が認められた。ガムを噛むことによる咀嚼筋などへの作用がフェイスラインの引き締めや顎下のたるみに影響を及ぼした可能性が示唆された。また、アンケート結果からは、試験前と比較し、顔のラインや肌状態の改善を感じている割合が「ガム咀嚼群」で有意に多いことが明らかになった。
先の『美容に関する意識調査』では、多くの女性がフェイスラインのたるみを気にしていながらも、時間やお金などのコストの問題でセルフケアをしていない実態が浮き彫りとなったが、本研究成果の「ガムトレ(ガム咀嚼トレーニング)」はもっとも優れた解決策の一つとなりそうだ。
なお、『美容に関する意識調査』によると、消費者の中にはガムを噛むことによりエラが張ると思い込んでいる人が一定数いるという。「ガムを噛むことにより、エラが張ると思いますか?」という質問に対し、4人に1人以上(26.1%)がガムを噛むことによりエラが張ると思っていることが判明した。ただ、本研究結果を知り、ガムを噛むことでエラが張ると思っていた人も、80.8%の人がガムを噛みたいと回答している。
歯科衛生士でフェイスニング公認講師の石野由美子先生も「普通にガムを噛んでいる限りエラが張ることはありません」とコメントしている。
(図4) 出典:ロッテ
【歯科衛生士が徹底解説!】ガムを噛むだけでアンチエイジングやスキンケア、表情等の美容メリット!
歯科衛生士でフェイスニング公認講師の石野由美子先生は、ガムを噛むだけで得ることのできる美容メリットや効果的なガムの噛み方のポイントについて以下のように解説している。
歯科衛生士・フェイスニング公認講師
石野由美子先生
美しくなるために、“ながら”できる「ガムトレ」がおすすめです!
ガムを効果的に噛むことで期待できる”4つ“の良いこと
①フェイスラインの改善
②顔の筋肉の血流増加で肌のハリやシワ改善
③すっきりとした鎖骨ライン
④自然な笑顔、豊かな表情作り
ガムを噛むことは、お口周りの筋肉を動かすことができるため、フェイスラインの改善につながるだけではなく、口周りの筋肉の衰え改善にもつながります。また、ガムを噛むことで鼻の下や頬の筋肉のストレッチになりますので、血流が増加して、肌のハリやほうれい線に良い影響があることも期待できます。血流増加で表情筋もやわらかくなり自然で明るい笑顔が作れるようになると思いますので、日常生活からガムを噛んでみてください。また、意識して唾液を飲み込むことは、首周りの筋肉の運動になるため、鎖骨ラインにも良い影響があると考えられます。
このように、ガムを噛むことは、沢山の美容メリットがあり、ながらでできるため、忙しい人にもおすすめの美容法です。美容に効果的な「ガムトレ」ポイントを参考にして、皆さんもガムを使ったトレーニングで美しくなりましょう!ガムトレをするためにはきちんと噛める状態であることが重要です。気になる方は歯科医にご相談してみてください。
美容に効果的な「ガムトレ」ポイント
❶口を閉じてもぐもぐと噛む→口周りの筋肉の運動になります
❷奥歯で左右交互に噛む→奥歯で噛むことで筋肉が大きく動きます
❸少し多めの量のガムを噛む→板ガム1枚or粒ガム2粒以上がおすすめ
ロッテ「噛むこと研究部」のコメント
ガムの咀嚼は口周りの筋肉や表情筋に作用することが報告されており、継続したガムトレーニングがフェイスラインにも影響するのではと考え、今回の研究を行いました。今回の研究結果から、8週間のガムトレーニングにより左右のフェイスライン角度が増加し、顎下の皮膚のたるみ等に影響することで、フェイスラインが引き締められたことが示唆されました。
他にも、ガムを食後に噛むことでカロリー消費が4時間にわたって高まったり、ウォーキング中に噛むことで歩行速度が速くなり消費カロリーが高まるといった結果も報告されています。美容以外でも、継続的にガムを噛むことが、自律神経のバランスを改善し気分が改善されることで、唾液中の免疫物質の濃度が増加する研究結果も得られています。ガムを噛むことで頭皮血流が増加するという結果や、習慣的にガム咀嚼時間が多い方が頭頂部の毛髪径が太いという結果も得られているため、今後はガムを継続的に噛むことによる毛髪の質や発毛への影響をより詳細に研究を進めていく予定です。
ガムは何かをしながら噛むことができますので、忙しい毎日を送る方々にも取り入れやすいトレーニングだと思います。美容や健康、心にもメリットをもたらしてくれるガムはまさに一石三鳥。ぜひ日常の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。