約80%が、季節変化による肌状態の変化を「実感することがある」と回答。――2023年4月11日、丸善製薬(本社:広島県尾道市)が公表した、季節変化と肌悩みの関係に対する意識調査でそのような状況が明らかになった。
丸善製薬は、植物を中心とする天然物より医薬品や医薬部外品、化粧品、食品の原料を製造する企業で、さまざまな研究成果や調査報告を公表している。今回公表した調査は、20代から50代の女性(一次調査対象者: 4,885名。本調査対象者:1,000名)を対象に、季節を春先、春、初夏、夏、秋口、秋、初冬、冬の8つに分割し、「乾燥・かさつき(肌荒れ)」や「シミ」「シワ」「くすみ悪化・透明感低下」といったさまざまな肌悩みについて、特にどの季節に関心が高まるか網羅的に確認した。同様に、「紫外線」や「(空気の)乾燥」「精神的ストレス」といった肌悩みの “原因” についても消費者の関心が高まる季節を確認した。
ちなみに、丸善製薬は2020年2月(コロナ前)にも同様の調査を実施している。そこで、今回の調査との比較集計を行ったところ、コロナ前と現在で消費者の意識に一定の変化も認められた。
調査報告の概要は以下の通りである。
女性の「季節変化と肌悩み」の関係に対する意識調査
約80%が、季節変化による肌状態の変化を「実感することがある」
まず、一次調査対象者に「季節変化による肌状態の変化を実感することがあるか」確認したところ、約80%が「実感することがある」と回答した。また、年齢別で「実感することがある」との回答は40代で最も高い傾向を示した。(図1)
(図1)出典:丸善製薬
長時間のマスク着用による、肌への負担を「最も感じる時期」は?
新型コロナ禍に伴う長時間のマスク着用による、肌への負担を「最も感じる時期」を確認したところ、約30%のが「夏」と回答。長時間のマスク着用が、消費者の肌悩みにも影響を与えている可能性が示唆された。また、本回答から、高温下でのマスク着用に伴う肌への負担が本格的なノーマスク生活再開のきっかけの一つとなる可能性が考えられた。(図2)
(図2)出典:丸善製薬
肌トラブル・肌悩み「10の症状」と季節の関係性は?
次に本調査では、「季節の変化による肌状態の変化を実感する」20代から50代の女性を対象に、さまざまな肌トラブル・肌悩みについて、関心・ニーズが高まる季節を特定するため「シミ」「くすみ悪化・透明感低下」「肌の赤み」「シワ」「ハリ・弾力の低下」「毛穴」「ニキビ・吹き出物」「テカリ(皮脂)」「乾燥・かさつき(肌荒れ)」「かゆみ・不快感(敏感肌症状)」の10の症状について、それぞれの気になる季節を確認した。
その結果、「乾燥・かさつき(肌荒れ)」や「かゆみ・不快感(敏感肌症状)」は、秋または初冬から春先にかけて気になると回答する消費者が増加した。また、「シミ」については特に夏と秋口に気になると回答する消費者が増加し、「くすみ悪化・透明感低下」に関しては季節による変動幅が比較的小さい傾向が認められた。(図3、4)
(図3)出典:丸善製薬
(図4)出典:丸善製薬
紫外線や乾燥など9つの「肌悩み原因」と季節の関係性は?
同様に、さまざまな肌トラブル・肌悩みの “原因” が気になる季節を特定するため「紫外線(日光)」「乾燥」「花粉」「大気汚染物質」「室内と室外の温度差」「過剰なエアコン」「精神的ストレス」「寝不足・生活リズムの乱れ」「過剰な皮脂・汗の分泌」の9つの「肌悩み原因」について、それぞれの気になる季節を確認した。
その結果、「紫外線(日光)」については、春先から秋にかけて気になると回答する消費者が増加し、「乾燥」については、秋から春先にかけて気になると回答する消費者が増加した。(図5)
(図5)出典:丸善製薬
女性の「季節変化と肌悩み」の意識はコロナ前と比べてどう変化したのか?
これらの結果について、新型コロナ禍を経た消費者の意識変化を把握するため2020年に実施した同様の調査内容との比較集計を行った。
その結果、今回の調査において「ニキビ・吹き出物」を気にする消費者が全ての季節で増加傾向を示したことが確認された。一方、「乾燥・かさつき(肌荒れ)」は全ての季節で減少傾向を示した。また、「シワ」「ハリ・弾力の低下」は季節によって気にする消費者が増減する結果となった。(図6、7、8)
(図6)出典:丸善製薬
(図7)出典:丸善製薬
(図8)出典:丸善製薬