2024年4月12日、博報堂DYホールディングス（本社：東京都港区）は全国15歳～69歳の生活者を対象に、メタバースに関する現状の生活者意識や動向を把握することを目的とした「メタバース生活者定点調査2023」を公表した。
総務省が発表したメタバース市場の予測（令和5年版 情報通信白書）では、メタバースの世界市場は2022年に8兆6,144億円だったものが、2030年には123兆9,738億円まで拡大すると予想されている。近年は様々なデバイスにより、メタバース業界に対する生活者の期待がさらに高まり、それに比例するように産業側のメタバースに対する期待値も高まってきていると言える。
こうした中、博報堂DYホールディングスは2022年の「メタバース生活者意識調査」の聴取内容をアップデートした「メタバース生活者定点調査2023」を実施し、前回調査との比較も踏まえ現在のメタバース利用者の動向に着目、今後のメタバース関連ビジネスの攻略の糸口を探った。
博報堂DYホールディングス「メタバース生活者定点調査2023」
▽調査方法：インターネット調査
▽調査時期：2023年11月
▽調査地区/対象者：全国の15歳～69歳の男女
▽調査機関：株式会社マクロミル
▽有効回収サンプル数：事前スクリーニング調査（7万8,952サンプル）、本調査（3,525サンプル）
▽分析／集計期間：エム・アール・エス広告調査
※集計結果は事前スクリーニング調査結果出現率により算出
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「メタバース関連サービスの認知」40.5％（前年比+4.3pt）、「利用経験」は8.4％（前年比+0.1pt）
メタバース関連のサービスを認知している人は全体の40.5％、推計約3,294万人という結果となった。
2022年の調査においては36.2％の認知率だったのに対して、今回は4.3ptの上昇が見られ、メタバースの認知率が上がっていることが確認できた。また、メタバース関連のサービスを利用したことがある人は全体の8.4％、推計約687万人が「利用経験がある（2〜3カ月以上での利用）」ことが判明した。
※今回約50のメタバース関連サービスを提示し、認知、利用経験・頻度を聴取。利用層は2〜3カ月に一度以上でいずれかのメタバース関連サービスを利用している人をメタバース利用層（以下利用層）と定義した。
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メタバースは、ゲーム以外の趣味を持つ層にも拡がっている
利用層の趣味を全体差分降順で確認すると、テレビゲーム：34.0％（全体差分+13.0pt）、ゴルフ：15.4％（全体差分+9.3pt）、ジョギング・ランニング：19.0％（全体差分+9.3pt）、ジム・フィットネス：16.3％（全体差分+7.2pt）と続き、ゲーム以外の趣味を持つ生活者もメタバースを利用していることが確認できた。
また、性格については「ゲームをプレイすることが好き：61％（全体差分+13.5pt）」に次いで、「いつも楽しそうだねと人に言われる：28.4％（全体差分+7.9pt）」、「ノリがよく、ハメを外すこともある：28.8％（全体差分+7.0pt）」が高く、コミュニケーション能力がある程度高い層であることが窺えた。
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メタバースが、利用層の興味領域拡大に貢献
メタバースを利用したことによる生活者への影響として、「メタバースを利用したことによって、自分の興味領域が広がった:16.5％」がトップ。また3番目に高かった影響として、「メタバースを利用したことによって、もっと多くの領域について詳しくなりたいと考えるようになった：14.0％」が続いた。
生活者がメタバースを利用することで、自身の興味領域を拡げていたり、様々な領域に対して興味を持っていることが窺えた。
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メタバースにおける旅行・スポーツ観戦・リラックス体験・アバター関連の平均年間課金額が増加
メタバース利用層の年間平均課金額は7万1,230円であった（※メタバースサービスへの課金者ベース）。
カテゴリ別の課金額を2022年度と比較すると、ゲーム体験：6,907円（-4,860円）、買い物体験：1万3,425円（-2,092円）などの主要なカテゴリの課金額はそれぞれ減少していた。その一方で、旅行：2万1,265円（+6,591円）、アバター購入：1万1,552円（+5,916円）、リラックス体験：9,140円（+3,738円）、スポーツ観戦：1万2,573円（+3,096円）が増加しており、ゲーム以外の一部の領域での課金額が増加していることが確認できた。■
（La Caprese 編集部）
