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綜合警備保障、株価は年初来高値。業績が大きく改善、セキュリティ事業を筆頭に増収増益

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(画像= あびAB / 写真AC、La Caprese)

2024年4月24日、東京証券取引所で綜合警備保障(ALSOK)の株価が一時875.8円まで買われ、年初来高値を更新した。2023年1月13日の安値672円から15カ月余りで30.3%の上昇である(※株式分割を考慮した実質)。

綜合警備保障は、個人および法人向けなどにセキュリティサービスを提供する企業である。1965年創業の同社は、法人向けの常駐警備業務や警備輸送業務のほか、国際的なイベントやスポーツ大会、会議等の警備実績を多数積み上げてきた。また、1988年からは個人向けのホームセキュリティの提供も開始しており、現在では収益の柱となっている。2002年には警備用ロボットの実用化に成功、2003年7月にはコーポレートブランドを「SOK」から「ALSOK」へ変更している。

後段で述べる通り、綜合警備保障が公表した2024年3月期・第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の連結業績が増収増益に転じるなど、好調な業績が株価のサポート要因となっているようだ。今回は、綜合警備保障の話題をお届けしよう。

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綜合警備保障、増収増益に改善

1月31日、綜合警備保障は2024年3月期・第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の連結業績を公表した。同期の経営成績は、売上高が前年同期比5.9%増の3,789億9,000万円、本業の利益を示す営業利益は同9.3%増の269億8,700万円、経常利益は同10.4%増の292億9,800万円、純利益は同16.8%増の184億4,200万円と増収増益となり、前年同期の減収減益から大きく改善した。

主要セグメントの概況は以下の通りである。

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セキュリティ事業

セキュリティ事業の売上高は前年同期比3.9%増の2,818億7,500万円、営業利益は同5.0%増の274億2,100万円と増収増益となった。セキュリティ事業を構成する各業務の状況は以下の通りである。

機械警備業務

機械警備業務では、法人向けサービスとしてライブ画像確認を標準装備し、画像蓄積や遠隔地からの設備制御等のオプションを充実させ、省人化ニーズにも貢献する「ALSOK-G7(ジーセブン)」の販売を推進した。個人向けサービスでは、新商品「HOME ALSOK Connect」の提供を開始し、堅調に受注を伸ばした。また、高齢者向け見守りサービス「HOME ALSOK みまもりサポート」等の販売も引き続き推進した。

常駐警備業務

常駐警備業務は広島での首脳会合をはじめとするG7関連の各種大臣会合の警備やインバウンド需要回復によって再開した空港施設の警備、生産拠点の国内回帰やアフターコロナにおける国内イベントの再開本格化に伴う警備に対応した。今後はさらにDX(デジタルトランスフォーメーション)等による常駐警備の省人化・効率化に取り組む方針である。

警備輸送業務

警備輸送業務は、金融機関の店舗統廃合等によりATM台数が減少する一方、現金管理業務の効率化ニーズは根強く、入(出)金機オンラインシステム等の販売は拡大した。併せて、2024年7月前半を目途に行われる新紙幣発行に向けた機器のリプレース等を推進した。さらに、入出金機オンラインシステムを活用して自治体の派出窓口業務を自動化する「税公金受付システム」も提供した。引き続き、地域金融機関等の業務効率化・コスト低減など様々なアウトソースニーズを捉え、サービス提供の拡大に努める方針である。

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綜合管理・防災事業

綜合管理・防災事業は、建設工事部門の完工高等が堅調に推移し、売上高は前年同期比12.4%増の531億8,700万円、営業利益は同11.6%増の48億7,100万円と増収増益となった。同事業では、引き続き「警備と設備・工事の融合」のコンセプトのもと、ファシリティマネジメント業務の拡大に取り組むとともに、サステナビリティへの取組強化の一環としてEV充電設備の販売、設置工事や保守メンテナンス等を提供する方針である。

介護事業

介護事業は新規の施設開設、既存施設の入居率向上のほか、M&A効果等により、売上高は前年同期比8.4%増の381億2,600万円、営業利益は同100.2%増の11億3,100万円と増収増益となった。同事業では、引き続き介護支援ロボット活用等DXによる介護業務の効率化を推進し、介護事業の統一ブランド『ALSOKの介護』のもとサービス拡充に努める方針である。

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5月14日発表の2024年3月期決算に注目

1月31日、綜合警備保障は2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比4.1%増の5,125億円、本業の利益を示す営業利益で同4.3%増の386億円、経常利益で同4.5%増の410億円、純利益で同6.5%増の255億円と従来予想(2023年10月31日公表)を据え置いた。

なお、綜合警備保障は5月14日に2024年3月期・通期の連結業績の発表を予定している。ここで上記予想に比較してどのような業績が示されるのか、また株価にどのように影響するのか注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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