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任天堂、株価は年初来高値。スーパーマリオ効果への期待も、業績予想の修正はあるか?

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(画像= aku鶏 / 写真AC、La Caprese)

2023年6月29日、東京証券取引所で任天堂の株価が一時6,640円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年3月16日の安値4,996円から3カ月半で32.9%の上昇である。

任天堂は、家庭用ゲーム専用機やゲームソフト、玩具などの娯楽製品の開発から製造・販売等を展開する企業である。その源流は、1889年に実業家・工芸家の山内房治郎氏が始めた花札の製造にまでさかのぼる。実に134年の歴史を誇る老舗企業であり、ホームエンターテインメントの分野でさまざまな娯楽製品を手がけている。

後段で述べる通り、任天堂が5月9日に発表した2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績は減収減益となったものの、①6月1日に、ギネス記録の公式サイトにて、任天堂が5月12日に発売したゲームソフト『ゼルダの伝説』シリーズの最新作が「最も早く売れた任天堂ゲーム」としてギネス記録を更新したことが明らかになった、②6月21日にゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』シリーズで約11年ぶりの完全新作『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』を10月20日に発売すると発表。③さらに、11月17日には『スーパーマリオRPG』のリメイク版を発売することを明らかにした……ことなどを手がかりに、株式市場の一部では業績期待が広がっている。

今回は任天堂の話題をお届けしよう。

任天堂、2023年3月期は減収減益

5月9日、任天堂は2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前期比5.5%減の1兆6,016億円、本業の利益を示す営業利益は同14.9%減の5,043億円、経常利益は同10.4%減の6,010億円、純利益は同9.4%減の4,327億円と減収減益となった。

同期は、Nintendo Switchビジネスにおいて『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』が2,210万本、『スプラトゥーン3』が1,067万本とそれぞれ好調な販売を記録した。その他の新作タイトルについても『Nintendo Switch Sports』が960万本を販売するなど好調だった。加えて、前期以前に発売したタイトルのうち『マリオカート8 デラックス』が845万本(累計販売本数5,379万本)、『星のカービィ ディスカバリー』が381万本(累計販売本数646万本)を記録した。その結果、同期のミリオンセラータイトルは35タイトル(ソフトメーカーのタイトルも含む)となった。

一方、ハードウェアに関しては、半導体部品等の供給不足によって夏の終わりごろまで生産が影響を受けた。加えて、主に年末商戦でも前期ほどの販売の伸びが見られなかったことから、販売台数は前期比22.1%減の1,797万台となった。ソフトウェアは安定した販売状況が続いたものの、ハードウェアの販売減の影響を一部受けて、前期比9.0%減の2億1,396万本となった。

また、ゲーム専用機のデジタルビジネスでは、為替の円安の影響に加え、Nintendo Switchのパッケージ併売ダウンロードソフトが好調に推移したこと、Nintendo Switch Onlineによる売上が増加したことなどにより、デジタル売上高は前期比12.7%増の4,052億円となった。

モバイル・IP関連収入等については、ロイヤリティ収入は増加したものの、スマートデバイス向け課金収入が減少したことで、売上高は前期比4.3%減の510億円となった。

その結果、上記の通り、業績全体としては減収減益となった。

スーパーマリオ効果への期待も。業績予想の修正はあるか?

5月9日、任天堂は2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比9.5%減の1兆4,500億円、本業の利益を示す営業利益で同10.8%減の4,500億円、経常利益で同20.1%減の4,800億円、純利益で同21.4%減の3,400億円と減収減益となる見通しを示した。

しかし、冒頭でも述べた通り、①6月1日に、ギネス記録の公式サイトにて、任天堂が5月12日に発売したゲームソフト『ゼルダの伝説』シリーズの最新作が「最も早く売れた任天堂ゲーム」としてギネス記録を更新したほか、②6月21日にはゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』シリーズで約11年ぶりの完全新作『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』を10月20日に発売すると発表。③さらに、11月17日には『スーパーマリオRPG』のリメイク版を発売することを明らかにした……ことなどから、株式市場の一部では業績期待も広がっている。

ちなみに、任天堂は上記タイトル以外にも、7月に『Pikmin 4』の発売を予定しているほか、秋には『ポケットモンスタースカーレット・バイオレット』の追加コンテンツ『ゼロの秘宝』の前編・「碧の仮面」を配信、冬には同じく後編・「藍の円盤」の配信を予定している。

2024年3月期の連結業績予想についても今後修正される可能性もあるので、引き続き注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

特集:オタク関連株
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