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日産自動車、今期は純利益で42%増の見通し。株価は年初来高値、為替の円安も追い風に

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(画像= La Caprese)

2023年7月6日、東京証券取引所で日産自動車の株価が一時619.9円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月4日の安値408.0円から6カ月で51.9%の上昇である。

日産自動車は、自動車の製造・販売および関連事業を展開する企業である。2021年11月、日産自動車は電動化推進等を掲げた長期ビジョン『Nissan Ambition 2030』を発表した。同ビジョンでは2030年度までに19車種のEV(電気自動車)を含む27車種の電動車を導入し、ニッサン、インフィニティの両ブランドをあわせてグローバルに電動車のモデルミックスを55.0%以上とすることを目標としている。

後段で述べる通り、日産自動車が5月11日に発表した①2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績は増収増益となったほか、②2024年3月期(2023年 4月 1日~2024年 3月31日)の連結業績予想についても大幅な増収増益となる見通しが示されたこと、③さらに、最近では為替の円安進行……も追い風となった。

今回は日産自動車の話題をお届けしたい。

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日産自動車、2023年3月期は増収増益

5月11日、日産自動車は2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前期比25.8%増の10兆5,967億円、本業の利益を示す営業利益は同52.5%増の3,771億円、純利益は同3.0%増の2,219億円と増収増益となった。

同期は、利益面で原材料価格の高騰やインフレーション等の減益影響はあったものの、継続的に取り組んでいる販売の質の向上による収益力の強化に加え、コスト・費用の改善効果および為替変動の影響もあり増益となった。

なお、国/地域別の市場状況は以下の通りである。

日本市場

日本国内の全体需要は前期比4.0%増の439万台となった。一方、販売台数(小売り)は前期比6.1%増の45万4,000台となり、市場占有率は前年比0.2ポイント増の10.4%となった。

中国市場

中国の全体需要は前期比5.7%増の2,601万台であった。一方で、販売台数(小売り)は前年比24.3%減の104万5,000台となり、市場占有率は前年比1.6ポイント減の4.0%となった。

北米市場

メキシコとカナダを含む北米市場の全体需要は前期比2.6%減の1,662万台となった。一方、販売台数(小売り)は前期比13.5%減の102万3,000台となった。また、米国の全体需要は前期比3.5%減の1,396万台であった。一方、販売台数(小売り)は前期比14.5%減の76万4,000台となり、市場占有率は前年比0.7ポイント減の5.5%となった。

欧州市場

欧州の全体需要は前期比6.1%減の1,455万台となり、ロシアを除く販売台数(小売り)は前年比5.5%増の30万5,000台となった。また、ロシアにおける販売台数(小売り)は前年比92.3%減の4,000台となった。

その他市場

その他市場の販売台数(小売り)は前期比12.8%減の47万4,000台であった。アジア・オセアニアにおける販売台数(小売り)は前期比17.9%減の15万6,000台、中南米における販売台数(小売り)は同19.9%減の13万5,000台、中東における販売台数(小売り)は同2.8%増の12万台、アフリカにおける販売台数(小売り)は同7.9%減の6万3,000台となった。

2024年3月期は純利益で42.0%増を予想。円安の影響は?

5月11日、日産自動車は2024年3月期(2023年 4月 1日~2024年 3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比17.0%増の12兆4,000億円、本業の利益を示す営業利益で同37.9%増の5,200億円、純利益で同42.0%増の3,150億円となる見通しを示した。

日産自動車は、同期のグローバル販売台数(小売り)を前期比21.0%増の400万台に想定。一方で、利益面では①販売パフォーマンスの改善による4,500億円の増益、②原材料価格の変動による300億円の増益、③為替変動による850億円の減益、④モノづくりコストの増加による1,100億円の減益、⑤その他要因による1,420億円の減益……を前提としている。

ちなみに、上記の連結業績予想は、ドル円で1ドル=130.0円、ユーロ円で1ユーロ=135.0円の為替レートを前提としたものである。しかし、東京外国為替市場のドル円は7月6日時点で1ドル=144円前後で推移するなど、想定以上に円安が進んでいる。今後も円安傾向が継続するようであれば、日産自動車の連結業績予想も修正の可能性もあるので注意が必要だろう。■

(La Caprese 編集部)

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