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円谷フィールズHDの株価が1年で8.9倍に上昇した理由

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(画像= Canva、La Caprese)

2023年2月17日、東京証券取引所で円谷フィールズホールディングスの株価が一時4,100円まで買われ、昨年来の高値を更新した。2022年1月28日の安値461円から1年あまりで8.9倍の上昇である。

円谷フィールズホールディングスは、『ウルトラシリーズ』に代表される数多くのテレビ番組や映画を製作する円谷プロダクションのほか、パチンコメーカーのフィールズなどを傘下に持つ持株会社である。後段で述べる通り、(1)先週2月13日発表の2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績が大幅な増収増益となったことに加えて(2)2023年3月期(通期)の業績予想を上方修正したこと(3)期末一括配当予想を20円から60円へ引き上げたことなどが株価にも追い風となった。

今回は、円谷フィールズホールディングスの話題をお届けしよう。

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円谷フィールズHD、営業利益は300.5%増加

先週2月13日、円谷フィールズホールディングスは2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期に比べて23.5%増の896億700万円、本業の利益を示す営業利益は同300.5%増の94億7,600万円、経常利益は同276.3%増の97億4,900万円、純利益は同215.9%増の56億4,600万円と大幅な増収増益となった。

セグメント別の状況は以下の通りである。

映画『シン・ウルトラマン』が大ヒット、中国のライセンス収入が伸長

「コンテンツ&デジタル事業セグメント」の売上高は前年同期に比べて63.5%増加の106億6,500万円、営業利益は同211.8%増の38億500万円と絶好調だった。

まず、同セグメントの主力となる円谷プロダクションでは、クリスマスや中国の春節商戦をにらんだ品揃えを拡充した結果、ウルトラマン関連の低価格帯商品の販売が急伸し、特に中国からのライセンス収入が大きく伸長した。

日本では2022年5月に全国で公開され記録的なヒットとなった『シン・ウルトラマン』が、2022年11月からAmazonプライム・ビデオでの独占配信をスタートした。その効果もあって、さらなるファン層の拡大・定着につながり、冬休みにあわせて開催した『ウルトラヒーローズEXPO 2023』の来場者は前年を大きく上回り、年末商戦でもウルトラマングッズの販売は好調に推移した。

また、デジタル・フロンティアでは、国内大手ゲーム会社を中心としたCG映像制作やネットフリックスとのVFX映像制作等が引き続き堅調に推移した。

PS事業セグメント、さらなる市場拡大の兆し

一方、「PS事業セグメント」の売上高は前年同期に比べて20.6%増加の776億1,900万円、営業利益で同477.0%増の60億6,200万円と大幅な増収増益となった。

同期は特にパチスロにおいて、6.5号機が市場で広範な支持を獲得したことに加えて、2022年11月末に導入したスマートパチスロ(以下、スマスロ)が当初の想定通り、ユーザーから高い評価を得た。こうしたスマスロの成功を受け、来年度以降に投入される「スマートパチンコ」(以下、スマパチ)に対するユーザーやホールの期待も高まりを見せるなど、さらなる市場拡大の兆しが見え始めている。

また、同期は2022年12月に納品した『Pゴジラ対エヴァンゲリオン ~G細胞覚醒~』が同年としては最大の販売台数を記録した。さらに、『新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~』についてもユーザーやホールの強い要望を受けて増産した。

なお、「その他セグメント」も堅調に推移し、同期の売上高で17億2,100万円、営業利益で5,600万円となった。

通期予想を大幅に上方修正、配当も40円増額

円谷フィールズホールディングスは、2023年3月期(通期)の連結業績予想について、売上高で前期比23.3%増加の1,170億円、本業の利益を示す営業利益で同213.5%増の108億円、経常利益で同202.7%増の110億円、純利益で同223.7%増の80億円となる見通しを示した。これは従来予想(2022年10月24日公表)に比べて売上高でプラス11.4%、営業利益でプラス80.0%、経常利益でプラス83.3%、純利益でプラス100.0%の大幅な上方修正である。

円谷フィールズホールディングスは上方修正の理由について(1)「コンテンツ&デジタル事業セグメント」において、ウルトラマン人気を背景に中国での販路が拡大した結果、中国からのロイヤリティ収入が大きく伸長したこと(2)また、日本国内では、『シン・ウルトラマン』によるファン層の拡大効果やテレビシリーズの映画化(『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』)による関連グッズの売上が期待されていること(3)「PS事業セグメント」においては、通期でパチンコ7機種、パチスロ6機種の販売を予定しており、引き続き業績に大きく寄与することが期待される、などを挙げている。

なお、円谷フィールズホールディングスは、2月 13 日の取締役会において(1)期末一括配当予想を20円から60円へ引き上げること(2)円谷フィールズホールディングス体制発足を記念し、2023年3月31日時点の株主に対してウルトラマンをモチーフとした記念額装ピンズセットを1セット贈呈することを決議したと発表した。

引き続き、円谷フィールズホールディングスの業績や株価動向に注目しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

特集:オタク関連株
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