記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

スギホールディングス、営業利益は18.2%増。株価は昨年来高値、既存店売上高は20カ月連続のプラス

スギホールディングス,株価,上昇,理由
(画像= La Caprese)

2024年1月11日、東京証券取引所でスギホールディングスの株価が一時6,768円まで買われ、昨年来高値を更新した。2023年3月2日の安値5,410円から10カ月ほどで25.1%の上昇である。

スギホールディングスは、薬局・ドラッグストアチェーンを展開する「スギ薬局グループ」を傘下に置く持株会社である。スギ薬局は、1976年に愛知県西尾市でわずか16坪の薬局として創業した。以来、地域に根ざした店舗展開を推進し、現在では関東・中部・関西・北陸エリア等で1,652店舗を擁する企業へ成長している(2023年11月30日現在)。

後段で述べる通り、スギホールディングスが公表した、❶2024年2月期・第3四半期(2023年3月1日~2023年11月30日)の連結業績が増収増益となったことに加え、❷2024年 2月期・通期(2023年3月1日~2024年2月29日)の連結業績予想を上方修正したこと、❸2024年2月29日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表したこと、❹2023年12月のスギ薬局およびスギ薬局事業の既存店売上高が、前年同月比でそれぞれ20カ月連続のプラスを記録したこと……などが株価のサポート要因となっている。

今回はスギホールディングスの話題をお届けしよう。

スポンサーリンク

スギホールディングス、営業利益は18.2%増

2023年12月26日、スギホールディングスは2024年2月期・第3四半期(2023年3月1日~2023年11月30日)の連結業績を公表した。同期の売上高は前年同期比11.1%増の5,511億3,200万円、本業の利益を示す営業利益は同18.2%増の258億9,400万円、経常利益は同20.8%増の270億4,600万円、純利益は同14.7%増の162億4,500万円と増収増益となった。

同期は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和により社会経済活動の正常化が進み、国内景気に持ち直しの動きが見受けられた。しかし、その一方で継続的な物価の上昇による消費の減速懸念など、先行き不透明な状況も継続した。ドラッグストア業界全体としては、行動制限緩和にともなう化粧品需要の増加、インバウンド需要の回復、風邪およびインフルエンザの感染者数増加等による関連商品需要の増加が見られたものの、薬価および一部調剤報酬改定による処方せん単価の下落、新型コロナウイルスの沈静化にともなう関連商品の売上減少、物価高にともなう消費者の節約志向や選別消費傾向の強まり、異業種・同業種間での競争激化など、厳しい経営環境となった。

こうした経営環境下、スギ薬局グループでは調剤領域において新規開局を推進するとともに、伸長する処方せん需要に対応するため、調剤室および調剤待合室の拡張改装を積極的に実施した。また、在宅調剤の拡大に向けては、日本ホスピスホールディングスと資本業務提携契約を締結し、今後増加が見込まれる終末期医療でのサポート体制の拡充に取り組んだ。さらに、薬剤師の専門教育を強化することで対人業務の質的向上を図るとともに、高額処方せんの獲得拡大に努め、調剤領域での売上基盤の増強を図った。

スポンサーリンク

人流回復や訪日外国人観光客の増加が著しいエリアへの出店を強化

他方、物販領域においては、人流回復や訪日外国人観光客の増加が著しいエリアへの出店を強化するとともに、既存店舗の改装や新たな商品ラインの取り扱いを開始することで、インバウンド需要を含む都市部での売上増加を図った。また、郊外の既存店舗でも改装を積極的に実施することで、地域のニーズに合致した品揃えを充実させ、新たな顧客獲得に努めた。さらに、客単価および買い上げ点数の向上に向け、スギ薬局アプリを活用した消費者への最適な情報やクーポンの配信などを推進した。

ESGの各種重要課題への対応を推進

加えて、サステナビリティ経営においては、ESGの各種重要課題(マテリアリティ)への対応を進めた。脱炭素社会の実現に向けて、屋上に太陽光パネルを設置する店舗を拡大し、再生可能エネルギーの導入を推進した。また、循環型社会の実現に向けては、ペットボトルやおくすりシートの回収拠点店舗を拡大し、リサイクル活動を推進した。さらに、フードバンクへの寄贈を継続し、食品ロス低減、貧困解消など社会課題解決に向けた対応を行なった。このほか、国際的な人的資本開示への意識の高まりと企業の社会的責任を踏まえ、各種人的資本の開示を充実させた。

関東・中部・関西・北陸エリアへの出店に注力

なお、店舗の出退店については、引き続き関東・中部・関西・北陸エリアへの出店に注力し、99店舗の新規出店と12店舗の閉店を実施した。同時に、既存店の競争力強化に向けて268店舗の改装を実施した。これにより、同期末(2023年11月30日時点)における店舗数は前期末比87店舗増の1,652店舗となった。

スポンサーリンク

既存店売上高は20カ月連続のプラス

2023年12月26日、スギホールディングスは2024年2月期・通期(2023年3月1日~2024年2月29日)の連結業績予想について、売上高で前期比11.2%増の7,425億円、営業利益で同10.6%増の350億円、経常利益で同12.7%増の365億円、純利益で同7.9%増の205億円となる見通しを示した。これは従来予想(2023年4月4日公表)に比べて、売上高でプラス2.5%、営業利益でプラス6.1%、経常利益でプラス5.8%、純利益でプラス2.5%の上方修正である。

スギホールディングスは上方修正の理由について、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行を受け、行動制限の緩和にともなう化粧品需要の増加、インバウンド需要の緩やかな回復、風邪およびインフルエンザの感染者数増加などによる関連商品需要の増加により、売上高および利益が当初公表予想を上回って推移したことを指摘。今後についても、良好な外部環境の下、堅調な業績推移が見込まれるとしている。

加えて、冒頭でも述べた通り、スギホールディングスは同日、2024年2月29日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表した。さらに、今週1月10日には最新の月次報告(速報)を発表、2023年12月の既存店売上高はスギ薬局が前年同月比で4.8%増、同じくスギ薬局事業は同5.1%増で、それぞれ20カ月連続のプラスを記録するなど、堅調な推移を示した。

引き続き、スギホールディングスの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

タイトルとURLをコピーしました