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エッセイ:ピンク・レディーみたいなキャッツ・アイ。ユニクロみたいな安い服?

ピンク・レディー,キャッツ・アイ,ユニクロみたいな安い服
(画像= Canva、La Caprese)

1970年代後半、キラキラと光るミニスカート仕立てのワンピースを身にまとい、太ももを激しく開いたり閉じたりしながら歌う女性デュオがいた。当時、国民的人気を誇ったピンク・レディーである。2023年2月1日、ビクターエンタテインメントは、ピンク・レディーの貴重なVTRの数々を収録した6枚組のDVD BOX『Pink Lady Chronicle TBS Special Edition』(税込み2万9,480円)を4月19日に発売すると発表した。

ピンク・レディーは1976年、NTV系のオーディション番組『スター誕生!』決戦大会でスカウトを受け、ビクター音楽産業(現ビクターエンタテインメント)よりデビューした。大胆なコスチュームと過激な振付けで歌うアップテンポな曲は、ピンク・レディー旋風を巻き起こし、日本のポップカルチャーを変えることとなった。ちなみに、ビクターエンタテインメントによると、ピンク・レディーはヒットチャートで9曲連続1位、10曲連続ミリオンの偉業を達成し、ビルボード全米チャートでも37位を獲得したという。レコードの大ヒットに加え、衣料品や文房具、食器、自転車、食品などさまざまなキャラクターグッズも販売された。当時、小学生だった筆者もよく覚えているが、クラスメイトの女の子たちは、みな文房具などピンク・レディーのキャラクターグッズを愛用していたと記憶している。経済効果は相当なものだったのではないかと思う。

4月19日に発売する6枚組のDVD BOXでは、当時の人気番組『8時だョ!全員集合』でのデビュー間もない映像のほか、『ロッテ歌のアルバム』『みどころガンガン大放送』『ザ・ベストテン』などの映像が収められており、収録楽曲は延べ196曲、8時間半超に及ぶとのこと。どれも筆者にとっては懐かしい番組である。

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「ピンク・レディーみたいなキャッツ・アイ」

だが、当時の筆者にはピンク・レディーを超える憧れの女性デュオがいた。キャッツ・アイだ。

ピンク・レディー全盛の当時、その人気にあやかるかのように似たような女性デュオがいくつか誕生しては消えていった。キャッツ・アイもその一つで、初めてテレビで見たときは、衣装も振り付けも歌い方もまるでピンク・レディーをコピペしたような感じで、正直あまり良い印象を持たなかった。当初は筆者のクラスメイトの間でも「ピンク・レディーみたいなキャッツ・アイ」の評判はよくなかったと記憶している。

しかし、第一印象はよくなかったものの、冷静に聴いてみると彼女たちの歌唱力・ハーモニーはなかなかのものだった。踊りもピンク・レディーに勝るとも劣らないレベルである。そして、何よりもセクシーだ。

そのせいか、お茶の間で家族とテレビの歌番組を観ていて、キャッツ・アイが歌いはじめると何となく気まずい空気になった。それはピンク・レディーでは決して感じることのなかった空気であった。あるいは、筆者がそう感じていただけなのかもしれない。当時、思春期を迎えつつあった筆者は、ピンク・レディーとは異質の魅力をキャッツ・アイに感じていた。

そんなキャッツ・アイは1977年のデビューから1年ほどで活動を停止した。メンバーの突然の失踪で解散を余儀なくされたのである。筆者の周りでは、「ピンク・レディーみたいなキャッツ・アイ」の評判は必ずしもよいとはいえなかったが、筆者にとっては魅力的な女性デュオだった。

「ユニクロみたいな安い服」

考えてみたら、筆者は意外と「□□みたいな◯◯」が好きである。マッドマックスみたいな『北斗の拳』も好きだし、アルファロメオ・カングーロみたいな『ユーノス・プレッソ(1990年代にマツダのユーノス店で販売されていたハッチバッククーペ)』もスタイリッシュかつ乗り味のよいクルマで、お気に入りだった。

先日、Yahoo! JAPANの検索の急上昇ワードで「ユニクロみたいな安い服」がトレンド入りしていた。複数のメディアが伝えるところによると、2月1日に放送されたフジテレビ系の『めざまし8』で、生活に困窮している家庭の子どもに教育の機会を提供する認定NPO法人を特集した際に、MCの谷原章介さんが「実は子どもたちって、みんなが同じように、例えば『ユニクロみたいな安い服』を着てたりとか、携帯とかも持ってたりするので、貧困が見えなかったりするんですよね」とコメント、ネット上で物議を醸しているようだ。

恐らく、谷原さんは、見えない貧困に目を向けることの大切さを訴えたかったのではないか、と思われるが、ネット上ではネガティブに捉える向きもあるようだ。言葉による表現は本当に難しいと思う。ちなみに、筆者はユニクロも「ユニクロみたいなファストファッション」も大好きである。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

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