笹川スポーツ財団の『スポーツライフに関する調査報告書』(1998〜2022)によると、2022年の20歳以上の筋トレ人口(実施人口)は1,640万人で、2000年の726万人から2.3倍に増加している。
同報告では、①2000年当時、フィットネス業界ではターゲット層の拡大に向けた業態開発が大手企業を中心に積極的に行われ始めていた。②2008年には筋トレ人口が1,148万人と初めて1,000万人を突破。③2010年ごろから健康志向が高い層の細かいニーズに対応すべくマイクロジムやパーソナルトレーナーといったオーダーメイドのトレーニングにも注目が集まる。④2013年の健康増進法施行に伴い、健康寿命の延伸を目的とした健康づくりが社会課題として認識され始める。⑤2017年度にはフィットネス関連業界の収入高合計が7年連続で前年度を上回り、またフィットネスクラブ会員数も過去10年で最高を記録し、世間でも筋トレやフィットネスがブームとして認識されるようになった……としている。
ただ、直近2年間の筋トレ人口については、2020年の1,820万人をピークに2022年の1,640万人まで180万人減少している。年代別では、とくに30代女性の減少幅が大きいという。笹川スポーツ財団は、この点について「コロナ禍での在宅勤務や行動制限をきっかけに実施を始めた人たちが、2022年時点までに継続的な実施に至っていない可能性がうかがえる」と分析している。一方、60代以上の高齢層の男性では2022年に増加に転じる動きも見られる。「トレーニング施設でのクラスター感染の影響から“ジム控え”をしていた人たちが、行動緩和の兆しが見え始めた2022年頃から徐々に実施を再開してきた可能性がある」(笹川スポーツ財団)という。
Z世代の39.5%が定期的に筋トレを行っている!
他方、Z世代では筋トレ志向が高まっているとの報告もある。Z世代に特化したクイックリサーチサービス『サークルアップ』を運営するRECCOO(本社:東京都渋⾕区)が2023年9月29日に発表した調査レポートによると、現役大学生の39.5%が定期的に筋トレを行っていると回答している。サークルアップは、その背景の一つとして『筋トレ大学生』など、ユーチューブでボディメイクの過程を公開する動画が話題になっていること等が考えられる、と指摘している。
筋トレ好きの筆者としては、Z世代の39.5%が定期的に筋トレを行っているとは嬉しい驚きである。一方で、筆者が気になったのは「定期的にプロテインを飲んでいる」との回答が14.0%だったことだ。プロテインを継続して飲むのは、学生にとって痛い出費になるのかもしれない。ただ、筋トレの効果を確実に得るためにはタンパク質の摂取は必須なので、可能な限りプロテインを継続して飲まれたほうが良いように思う。コスパの面からも、肉や魚などの食材でタンパク質を摂取するのに比べれば、プロテインのほうがずっとお得である。
ともあれ、Z世代は社会の未来を担っていただく大切な世代でもある。心身ともに健康であってほしいと思う。■
(La Caprese 編集長 Yukio)