日本メナード化粧品(愛知県名古屋市)は、目の健康に対するブルーライトの影響についての研究を重ねてきた。2022年8月には、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイからも発生するブルーライトが目のうるおいに重要な糖タンパク質「膜型ムチン」の産生を低下させることを発見した。さらに、このブルーライトの影響に対して、「ニームエキス」が膜型ムチンの産生を高めることを見出した。
なお、本研究成果の一部は2022年3月にオンラインにて開催された『日本薬学会第142年会』にて発表している。今回は日本メナード化粧品の「目の健康に対するブルーライトの影響」についての研究成果を紹介したい。
目のうるおいに重要な「膜型ムチン」
パソコンやスマートフォンなどを長時間見続けるライフスタイルが広く社会に浸透する中、「目の乾き」は多くの人が感じる悩みの一つでもある。「目の乾き」は不快感や目疾患をもたらすだけではなく、目の輝きも低下させ、目の魅力低下をもたらす。
目のうるおいを高めるためには、涙の量を増やすだけでなく、涙を目の表面にとどめておく必要がある。その役割を担うのが、角膜表面に存在する糖タンパク質「膜型ムチン」である(図1)。膜型ムチンは角膜の最表層を構成する角膜上皮細胞によって産生される。
ブルーライトから「目の健康」を守るインドの奇跡の木?
前述の通り、ブルーライトはLED照明やLEDディスプレイを持つパソコン、スマートフォンに多く含まれる光で、近年では「眼精疲労」をはじめとした目に対するさまざまな悪影響が懸念されている。日本メナード化粧品は、ブルーライトが角膜に与える影響を検討する中で、ブルーライトにより角膜上皮細胞の膜型ムチン産生が低下することを発見した。つまり、ブルーライトにより目が乾きやすくなる原因の一つがこの膜型ムチンの減少だと考えられる。
さらに、ブルーライトにより減ってしまう膜型ムチンを増やす素材を探索した結果、「ニームエキス」に膜型ムチンの産生を高める効果を見出した(図2)。このことから、ニームエキスには目のうるおいを高める効果が期待される。
ちなみに、ニームはインドの熱帯地域に分布する伝統的なハーブである。ニームの葉や樹皮、枝、種子、花のすべてがハーブとして利用でき、100以上もの成分が検出されることから、インドでは「奇跡の木」と呼ばれ4000年にわたり崇拝されている。
日本メナード化粧品は、今後本研究成果を目の乾きに悩まれている人々に向けた新しい健康食品の開発に応用する方針である。日本メナード化粧品のさらなる研究成果を期待したい。■
(La Caprese 編集部)