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三井物産、株価は上場来高値圏 業績好調、バフェット氏の買い増しも追い風

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(画像= Canva、La Caprese)

2022年11月28日、東京証券取引所で三井物産の株価が一時4,059円まで買われ、上場来の高値を更新した。今年1月4日につけた年初来安値の2,716円から11カ月ほどで49.4%の上昇である。

後段で詳述する通り、(1)2023年3月期・第2四半期(2022年4月1日~2022年9月30日)の連結業績が大幅な増収増益となったこと、(2)通期の見通しを上昇修正したこと、(3)1株当たりの配当金を中間・期末で5円ずつ上乗せし、通期で130円に増額したこと、(4)発行済み株式総数の3.8%に当たる6,000万株、金額ベースで1,400億円を上限に自己株式を取得すると発表したこと、(5)著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが子会社を通じて、三井物産を含む総合商社5社の株式を買い増していたこと……などを後ろ盾に株価上昇に弾みをつけることとなった。

今回は三井物産の話題をお届けしよう。

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三井物産、2023年3月期・第2四半期の純利益で過去最高を更新

三井物産が11月1日に発表した2023年3月期・第2四半期(2022年4月1日~2022年9月30日)の連結業績は、収益が前年同期に比べて37.1%増の7兆4,238億1,500万円、税引前利益は同27.2%増の6,878億700万円、四半期利益は33.2%増の5,560億3,400万円、純利益は33.2%増の5,391億400万円と大幅な増収増益となった。ちなみに、純利益は同期としては、過去最高を更新した。

三井物産は2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の見通しについて、純利益で前期比7.1%増の9,800億円に上方修正した。これは従来予想の8,000億円から22.5%(1,800億円)の上乗せである。三井物産は通期見通しの上方修正の理由について、オーストラリアの原料炭事業会社SMCの持分売却益、LNG(液化天然ガス)トレーディングの収益増や為替の円安などを織り込んだ結果としている。

また、三井物産は同日、1株当たりの配当金を中間・期末でそれぞれ5円ずつ上乗せし、通期で130円に増額することも明らかにした。

加えて、三井物産は、株主還元の拡充と資本効率の向上を目的として、発行済み株式総数の3.8%に当たる6,000万株、金額ベースで1,400億円を上限に自己株式を取得すると発表した。取得期間は2022年11月2日から2023年2月28日までである。さらに、今回取得する全株に1,000万株を加えた株式数を2023年3月13日に消却する方針であることも明らかにした。

ちなみに、三井物産は今年5月にも5,000万株・1000億円を上限にした自社株買いを発表しており、8月末に5,000万株を消却していた。2023年3月期までの3年間の総還元性向は33.0%となる見通しである。

バフェット氏の買い増しで株価上昇に一段と弾み

さらに11月21日には、世界的投資家で「オマハの賢人」と称されるウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社のバークシャー・ハザウェイが、100%子会社のナショナル・インデムニティー・カンパニーを通じて日本の総合商社5社(伊藤忠商事 <8001> 、丸紅 <8002> 、三井物産、住友商事 <8053> 、三菱商事 <8058> )の株式を買い増ししていたことが明らかになったことも、株価に追い風となった。

関東財務局に提出された変更報告書によると、ナショナル・インデムニティー・カンパニーによる総合商社5社の保有株式数と保有比率は、報告義務が発生した11月14日時点で、伊藤忠商事が9,838万株(従来は7,950万株)で保有比率は6.21%(従来は5.02%)、丸紅が1億1,604万株(同7,878万株)で同6.75%(同5.06%)、三井物産が1億538万株(同8,645万株)で同6.62%(同5.03%)、住友商事が8,225万株(同6,312万株)で同6.57%(同5.04%)、三菱商事が9,714万株(同7,488万株)で同6.59%(同5.04%)となっている。ナショナル・インデムニティー・カンパニーが関東財務局に提出した大量保有報告書では、各社の株式の保有目的はいずれも「純投資」としている。

ちなみに、バフェット氏は2年ほど前に日本の総合商社5社の株式をそれぞれ5%超取得したことを明らかにしている。この時点で、バフェット氏は(総合商社5社の株式について)長期保有を意図していることを明らかにし、将来的には保有率を最大9.9%まで引き上げる可能性を示唆していた。今年11月21日に明らかになった総合商社5社の株式買い増しは、そうした長期方針のもとに行われたものとみられる。

引き続き、三井物産をはじめとした総合商社の業績・株価を注視していきたい。■

(La Caprese 編集部)

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