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サントリー食品インターナショナル、株価は年初来高値。コアブランド集中活動を徹底、最終利益で3年連続の過去最高益へ

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(画像= La Caprese)

2024年5月14日、東京証券取引所でサントリー食品インターナショナル(サントリーBF)の株価が一時5,828円まで買われ、年初来高値を更新した。今年2月16日の安値4,525円から3カ月で28.8%の上昇である。

サントリー食品インターナショナルは、東京都港区に本社を置くサントリーホールディングス傘下の清涼飲料会社である。グローバル戦略に積極的な企業であり、売上全体の約6割を海外事業(アジアパシフィック、欧州、米州)が占めている。一方、日本事業では、水・コーヒー・無糖茶を成長カテゴリーと位置づけ、「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」「やさしい麦茶」「烏龍茶」といったコアブランドの価値向上に注力している。

後段で述べる通り、5月13日にサントリー食品インターナショナルが公表した2024年12月期・第1四半期(2024年1月1日~2024年3月31日)の連結業績で最終利益が前年同期比38.9%増と高い伸びを示した。2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の連結業績予想は据え置きながら、最終利益で3年連続で過去最高を更新する見通しであり、こうした好調な業績が株価をサポートしているようだ。

今回はサントリー食品インターナショナルの話題をお届けしよう。

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サントリー食品インターナショナル、コアブランド集中活動を徹底

5月13日、サントリー食品インターナショナルは2024年12月期・第1四半期(2024年1月1日~2024年3月31日)の連結業績を公表した。同期の経営成績は、売上収益が前年同期比10.2%増の3,717億円、本業の利益を示す営業利益は同28.5%増の339億円、最終利益は同38.9%増の203億円と大幅な増収増益となった。

同期は、主要国における需要状況を着実に捉え、コアブランド集中活動を徹底したことにより、全セグメントで増収となった。日本は好天の影響もあり販売数量が前年同期を上回ったことに加え、価格改定効果も寄与した。海外では、アジアパシフィックがベトナムにおける清涼飲料とタイにおける健康食品の販売トレンドの回復等を背景に増収となったほか、欧州は前年同期の暖冬による大幅増収の反動を受ける中、価格改定効果も寄与し前年同期並みで着地した。また、米州もRGM活動が寄与し増収となった。一方、営業利益は原材料高および為替変動によるコスト増や、主要国におけるマーケティング費用増が影響したものの、売上収益の伸長とコストマネジメントの徹底により、グループ合計で増益となった。

セグメント別の概況は以下の通りである。

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日本事業

日本事業の売上収益は前年同期比5.2%増の1,533億円、セグメント利益は同116.7%増の78億円と大幅な増益となった。

同期は継続的なコアブランド集中活動の強化、新製品投入、マーケティング活動強化により、販売数量が前年同期を上回った。

商品別では、 「サントリー天然水」はコミュニケーションやマーケティング活動を強化した結果、販売数量が大きく伸長した。「きりっと果実」シリーズも伸長したことに加え、「特製レモンスカッシュ」や「FRUIT-SPARK グレフル&レモン」も増分に寄与した。一方、「BOSS」はSOT缶が2023年5月からの価格改定の影響で前年同期を下回った。「伊右衛門」は、本体のリニューアル活動により販売トレンドが改善し、コミュニケーションの刷新や「伊右衛門 濃い味(機能性表示食品)」も寄与した。「特茶」も販売トレンドの好調を維持した。

利益面では、売上収益の伸長とコストマネジメントの徹底により、原材料高および為替変動の影響を吸収した結果、セグメント利益が大幅な増益となった。

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アジアパシフィック事業

アジアパシフィック事業の売上収益は前年同期比10.9%増の997億円、セグメント利益は同15.4%増の136億円と大幅な増収増益となった。

同セグメントの清涼飲料事業は、ベトナムで主力ブランドの「PEPSI」「Aquafina」が好調に推移し、販売数量が伸長した。タイは低糖製品を含めた「PEPSI」「TEA+」が好調に推移した。オセアニアでは、エナジーカテゴリーの競争が激しい状況の中、主力ブランドであるエナジードリンク「V」のマーケティング活動を強化した結果、販売数量は前年同期を上回った。

健康食品事業では需要が回復する中、コミュニケーション刷新やマーケティング活動強化により「BRAND’S Essence of Chicken」の販売トレンドが回復したことに加え、「BRAND’S Bird’s Nest」がインバウンド需要の回復に伴い販売数量が大きく伸長した。

欧州事業

欧州事業の売上収益は前年同期比14.6%増の786億円、セグメント利益は同12.7%増の118億円と大幅な増収増益となった。

フランスでは、競争環境の激化および景気低迷の影響を受ける中、コアブランド集中活動の徹底により「Oasis」「Schweppes」が伸長した。英国ではストライキの影響を受けながらも、主力ブランド「Lucozade」が堅調に推移した。スペインは前年同期の暖冬による販売数量増の反動を受ける中、主力製品の「Schweppes」にて積極的な販促活動を行なったものの、販売数量はわずかに前年同期を下回った。

米州事業

米州事業の売上収益は前年同期比21.8%増の401億円、セグメント利益は同13.6%増の43億円と大幅な増収増益となった。

米州では堅調な需要が継続する中、主力炭酸カテゴリーおよび非炭酸カテゴリーのマーケティング活動の強化に加え、「Gatorade」の販路拡大も寄与し、販売数量は堅調に推移した。その結果、売上収益は価格改定を含めたRGM活動も寄与し、増収となった。セグメント利益は売上収益の伸長により、原材料価格並びに物流費および人件費高騰の影響を吸収し、増益となった。

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今期は最終利益で3年連続の過去最高益へ

5月13日、サントリー食品インターナショナルは2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の連結業績予想について、売上収益で前期比4.9%増の1兆6,700億円、本業の利益を示す営業利益は同5.1%増の1,490億円、最終利益は同2.1%増の845億円と従来予想(2024年2月15日公表)を据え置いた。見込み通りとなれば、最終利益で3年連続で過去最高を更新することとなる。

サントリー食品インターナショナルは、引き続き主要国における競争環境の激化、為替変動や原材料高等によるコスト増などを想定した上で、①全セグメントでのコアブランド集中活動、②SCM(サプライチェーンマネジメント)活動を含めたコストマネジメントの徹底により、増収増益を維持し、年間業績予想の超過を目指すとしている。

引き続き、サントリー食品インターナショナルの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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