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AOKIホールディングス、営業利益は35.4%増。株価は年初来高値、新たな価値を創造し各事業間のシナジー高める

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(画像= La Caprese)

2024年5月13日、東京証券取引所でAOKIホールディングスの株価が一時1,330円まで買われ、年初来高値を更新した。2022年3月9日の安値503円から2年2カ月で164.4%の上昇である。

AOKIホールディングスは、ファッション事業やエンターテイメント事業等を展開する企業を傘下に置く持株会社である。衣料品や服飾品の企画販売を手掛ける「ファッション事業」を軸に、カラオケルームや複合カフェ、フィットネスジムを運営する「エンターテイメント事業」、挙式披露宴施設や記念日をテーマとした物販およびカフェを運営する「アニヴェルセル・ブライダル事業」等を展開している。特にファッション事業の主力となる紳士服量販店の「AOKI」は業界第2位のシェアを誇っている。

後段で述べる通り、AOKIホールディングスが公表した、❶2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績が増収増益となったことに加え、❷2025年3月期・通期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績予想についても増収増益の見通しが示されたこと、❸さらに、2025年3月期の年間配当予想を前期比5円増額の55円に増配する方針を示したこと……などが株価にも刺激材料となった。

今回はAOKIホールディングスの話題をお届けしよう。

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AOKIホールディングス、営業利益は35.4%増

5月10日、AOKIホールディングスは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績を公表した。同期の経営成績は、売上高が前期比6.6%増の1,877億1,600万円、本業の利益を示す営業利益は同35.4%増の138億6,000万円、経常利益は同57.0%増の132億3,500万円、純利益は同34.5%増の75億7,400万円と増収増益となった。

セグメント別の概況は以下の通りである。

ファッション事業

ファッション事業の売上高は前期比5.8%増の1,000億3,800万円、営業利益は同21.3%増の80億8,200万円と増収増益になった。

同期は、AOKIにて新入学・入社を迎えるフレッシャーズに向け、さまざまなキャンペーンキャラクターを起用した「フレッシャーズ応援フェア」を開催し、好評を得た。商品面では累計販売着数が47万着を超えるなど好調に推移しているパジャマスーツシリーズのラインナップを強化するとともに、スーツ専門店の強みを活かし、ビジネスシーンでも着用可能なスポーツミックススタイル「スポーティーカジュアル」を新たに展開した。

一方、ORIHICAではRFID(ICタグを非接触で読み書きするシステム)を全店舗に導入し接客サービスの向上と業務の効率化を図るとともに、次世代のスーツ「THE THIRD SUITS(サードスーツ)」シリーズからスポーツ感覚のビジカジウェア「BIZSPO」の展開や入卒園式などの“ハレの日”に特化した商品を提案する期間限定店舗をオープンした。

店舗面では、AOKIで業態転換を含む5店舗およびORIHICAで1店舗を新規出店した一方、営業効率の改善や業態転換のためAOKIで4店舗、ORIHICAで5店舗を閉鎖した結果、期末店舗数は593店舗(前期末596店舗)となった。

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エンターテイメント事業

エンターテイメント事業の売上高は前期比6.6%増の755億4,500万円、営業利益は同71.4%増の54億5,400万円と増収増益になった。

同期は、複合カフェの快活CLUBにて店内改装を実施するとともに、あんかけスパゲティ発祥の店「スパゲティ・ハウスヨコイ」等有名飲食店やメーカーとの期間限定タイアップメニューを提供した。カラオケのコート・ダジュールでは、お得な「春の新生活応援キャンペーン」や「ベイブレードエックスの無料貸し出し」など各種キャンペーンを実施した。一方、24時間営業のセルフ型フィットネスジムFiT24では、インドアゴルフの導入を継続するとともに、「紹介割」等のお得なキャンペーンを実施した。

なお、店舗面では快活CLUBで7店舗、FiT24で6店舗を新規出店した一方、営業効率改善のため快活CLUBで15店舗、コート・ダジュールで7店舗、FiT24で3店舗を閉鎖した。その結果、ランシステムの複合カフェ自遊空間他92店舗(内フランチャイズ53店舗)を含め、期末店舗数は784店舗(前期末810店舗)となった。

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アニヴェルセル・ブライダル事業

アニヴェルセル・ブライダル事業の売上高は前期比9.0%増の102億5,900万円、営業利益は同85.0%減の5,700万円と増収減益になった。

同期は、アニヴェルセル・ブライダル事業にて市場の回復に合わせた販売促進施策の見直しを図り、受注活動に注力した。リニューアルオープン後の表参道店においては、高級ブランド企業等のイベントやパーティの利用が増加し、また、アニヴェルセルカフェではバレンタイン期間にアニヴェルセルショコラの販売や限定メニューを提供した。

不動産賃貸事業

不動産賃貸事業は、グループ外への賃貸を実施したこと等により、売上高が前期比25.9%増の60億5,100万円、営業利益は同75.7%増の13億1,200万円と増収増益になった。

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新たな価値を創造し、各事業間のシナジー高める

5月10日、AOKIホールディングスは2025年3月期・通期(2024年4月1日~2025年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比2.0%増の1,915億円、本業の利益を示す営業利益で同8.2%増の150億円、経常利益で同10.3%増の146億円、純利益で同5.6%増の80億円と増収増益になる見通しを示した。

AOKIホールディングスは、今後の経営環境について、原燃料価格の上昇や物価高の影響等により先行き不透明な状況が継続するとの認識を示した。その上で、引き続き市場環境やライフスタイルの変化に対応した商品・サービスの提供を行い、それぞれの事業において新たな価値の創造を継続するとともに、各事業間におけるシナジーを高めグループとしての企業価値の向上を図る考えを示した。

なお、冒頭で述べた通り、AOKIホールディングスは2025年3月期の年間配当予想を前期比5円増額の55円に増配する方針を示している。

引き続き、AOKIホールディングスの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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