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サントリー食品インターナショナル、今期は3期連続の最高益へ。株価は年初来高値、増配計画も追い風

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(画像= La Caprese)

2024年4月9日、東京証券取引所でサントリー食品インターナショナルの株価が一時5,268円まで買われ、年初来高値を更新した。今年2月16日の安値4,525円から2カ月足らずで16.4%の上昇である。

サントリー食品インターナショナルは、東京都港区に本社を置く食品会社である。その源流は、1899年にぶどう酒の製造・販売を目的に開業した「鳥井商店」にまでさかのぼる。その後、「寿屋」、そして「サントリー」への商号変更を経て、2009年にサントリーグループの飲料・食品事業を担う中核企業として分社化した。コーヒー飲料やお茶飲料、炭酸飲料、ミネラルウォーター、スポーツ飲料など、流行に左右されないロングセラーを多数擁し、海外事業も積極的に展開している。

後段で述べる通り、サントリー食品インターナショナルが公表した、❶2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績で最終利益が最高益を記録したことに加え、❷2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の連結業績予想についても最終利益で3期連続の最高益となる見通しが示されたこと、❸さらに2024年12月期の年間配当予想を前期比30円増の110円に増配する方針を示す……などの好業績が株価のサポート要因となっているようだ。

今回はサントリー食品インターナショナルの話題をお届けしよう。

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サントリー食品インターナショナル、日本の販売数量が過去最高

2月15日、サントリー食品インターナショナルは2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績を公表した。同期の売上収益は前期比9.7%増の1兆5,917億円、本業の利益を示す営業利益は同1.5%増の1,417億円、税引前利益は同1.8%増の1,418億円、最終利益は同0.5%増の827億円となった。ちなみに、サントリー食品インターナショナルが2023年11月10日に公表した同期の連結業績予想では最終減益(前期比5.9%減の775億円)の見通しが示されていたものの、想定を上回り、2期連続の最高益となった。

同期は、主要国の需要を着実に捉え、全セグメントでコアブランドへの集中活動を継続した。日本においては、好天の影響もあり、販売数量は過去最高を達成するとともに、市場シェアを拡大した。海外においても、欧州の天候不順やベトナムの景況感悪化等の影響を受けたが、それでも主要国の販売数量は堅調に推移した。その結果、上記の通り増収増益となった。

セグメント別の概況は以下の通りである。

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日本事業では「サントリー天然水」「GREEN DA・KA・RA」の販売好調

日本事業の売上収益は前期比8.4%増の7,081億円、セグメント利益は同21.0%増の405億円と増収増益となった。

同期は販売数量が過去最高を達成した。水・コーヒー・無糖茶カテゴリーを中心としたコアブランド強化に取り組み、新商品発売やマーケティング活動を推進したことに加え、人流回復や猛暑も寄与し、市場シェアを拡大した。

商品別では「サントリー天然水」「GREEN DA・KA・RA」が過去最高の販売数量となった。「サントリー天然水」はナチュラルミネラルウォーターで、力強い伸長が続いたことに加え、「きりっと果実」シリーズが販売数量の増分に寄与した。「BOSS」はブランド全体の販売数量が前年同期をわずかに下回ったが、「ボス カフェイン」等の増分もあり缶製品の販売数量は市場を上回って堅調に推移した。「伊右衛門」は、緑茶市場全体が価格改定の影響を受ける中、ブランド全体の販売数量が前年同期を下回った。機能性表示食品の「伊右衛門 濃い味」は引き続き好調に推移した。「GREEN DA・KA・RA」は、2023年4月に「GREEN DA・KA・RA」本体および「やさしい麦茶」のリニューアルを実施したことや、新商品の「やさしいルイボス」が好調に推移したことが販売数量の増分に寄与した。

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アジアパシフィック事業は増収減益

アジアパシフィック事業の売上収益は前期比5.3%増の3,714億円、セグメント利益は同25.4%減の431億円と増収減益となった。

同期は清涼飲料事業および健康食品事業のコアブランド集中活動を継続した。売上収益はベトナム経済の回復や健康食品事業の回復に時間がかかる中、タイおよびオセアニアにおける清涼飲料事業の堅調な販売に加え、主要市場における価格改定効果も継続的に寄与し、前年同期並みとなった。セグメント利益については、清涼飲料事業は増収効果により原材料高等のコスト影響を吸収したが、健康食品事業の売上収益減少の影響を大きく受けるとともに、前第2四半期連結会計期間において計上したオセアニアのフレッシュコーヒー事業譲渡による譲渡益の反動もあり、減益となった。

商品別では、ベトナムが景況感の悪化や前年の需要拡大の反動影響を受ける中、主力のエナジードリンク「Sting」、茶飲料「TEA+」を含め、主要ブランドの活動を強化した結果、販売数量が堅調に推移した。タイではインフレの低下や観光客需要の回復が進む中、低糖製品を含めた「PEPSI」「TEA+」が好調に推移した。オセアニアでは主力ブランドのエナジードリンク「V」のマーケティング活動強化や、「BOSS」の販売が好調だった。一方、健康食品事業は健康食品市場全体に対する消費者の需要減少の影響を大きく受ける中、主力の「BRAND’S Essence of Chicken」のマーケティング活動を徹底し、販売トレンドは徐々に回復してきた。

欧州事業のセグメント利益は22.8%増

欧州事業の売上収益は前期比13.4%増の3,393億円、セグメント利益は同22.8%増の517億円と大幅な増収増益となった。同期は主要国における価格改定を含めたRGMが寄与し、売上収益は増収となった。セグメント利益は原材料高やエネルギー価格上昇の影響を受けたが、売上収益の伸長並びにコスト削減活動により増益となった。

主要国別では、フランスにおいて主力ブランド「Oasis」「Schweppes」「Orangina」に注力した。その結果、「Oasis」の販売数量は過去最高となった。英国では主力ブランド「Lucozade」の販売数量が前年同期を上回った。スペインでは天候の影響を大きく受ける中、主力ブランド「Schweppes」の活動を強化した結果、販売数量が前年同期並みとなった。

米州事業は大幅な増収増益

米州事業の売上収益は前期比18.8%増の1,729億円、セグメント利益は同15.2%増の210億円と大幅な増収増益となった。

同期は主力の炭酸カテゴリー並びに非炭酸カテゴリーの活動強化に加えて、「Gatorade」の販路拡大が寄与し、販売数量は堅調に推移した。売上収益は価格改定効果も寄与し、想定を上回る進捗となった。一方、セグメント利益は売上収益の伸長により、原材料価格や人件費高騰の影響を吸収し、想定を上回る進捗となった。

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最終利益で3期連続の最高益へ

2月15日、サントリー食品インターナショナルは2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の連結業績予想について、売上収益で前期比4.9%増の1兆6,700億円、本業の利益を示す営業利益は同5.1%増の1,490億円、税引前利益は同4.7%増の1,485億円、最終利益は同2.1%増の845億円となる見通しを示した。見立て通りとなれば最終利益で3期連続で最高益を更新することとなる。

なお、冒頭で述べた通り、サントリー食品インターナショナルは2024年12月期の年間配当予想を前期比30円増の110円に増配する計画を示した。サントリー食品インターナショナルは2023年12月期までは配当性向の目安を30%以上としていたが、2024年12月期からは株主への利益還元をより拡充すべく40%以上に引き上げる方針としている。

引き続き、サントリー食品インターナショナルの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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