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銚子丸、株価は上場来高値。営業利益は207.3%増、年間配当予想の増額修正も刺激材料

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(画像= La Caprese)

2024年3月29日、東京証券取引所で銚子丸の株価が一時2,150円まで買われ、上場来高値を更新した。2023年1月6日の安値1,116円から15カ月足らずで92.7%の上昇である。

銚子丸は、関東1都3県(東京、千葉、埼玉、神奈川)で回転寿司店をチェーン展開している企業である。銚子丸は、外食産業で広く採用されているセントラルキッチン方式の調理や店舗のオペレーションとは逆のやり方を採用しているのが大きな特徴である。新鮮な旬の食材や生の魚をまるごと仕入れ、自社配送網で迅速に輸送し、寿司職人が客の目の前でさばき、寿司として提供する「グルメ回転寿司店」であることが強みの一つとなっている。

後段で述べる通り、銚子丸が公表した、❶2024年5月期・第3四半期(2023年5月16日~2024年2月15日)の業績が大幅な増収増益となったことに加え、❷2024年5月期の年間配当予想を従来計画の6円から12円に増額修正したこと……などが株価にも刺激材料となった。

今回は銚子丸の話題をお届けしよう。

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銚子丸、営業利益は207.3%増

3月28日、銚子丸は2024年5月期・第3四半期(2023年5月16日~2024年2月15日)の業績を公表した。同期の経営成績は、売上高が前年同期比11.1%増の158億800万円、本業の利益を示す営業利益は同207.3%増の14億2,900万円、経常利益は同151.4%増の14億4,500万円、純利益は同112.7%増の7億9,400万円と大幅な増収増益となった。

同期の経営環境は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和で経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の増加等を背景に回復基調となった。しかし、その一方で原料・資源コストの高騰、エネルギー価格の高止まり等を背景とした物価上昇や、労働力不足が顕在化し、またウクライナ情勢・中東情勢の不透明感や、中国経済の先行き懸念など国内外で不安定な状況が継続した。外食業界では、イートイン需要が急回復し、業界全体の営業活動が活発化する一方で、物価上昇基調に伴って消費者の生活防衛意識が高まる中、業界全体での価格改定の動きにも落ち着きが見られた。

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リピート客数増大や新規顧客獲得を見据えた施策を推進

こうした経営環境下、銚子丸は通常の月別イベントに加え「千葉の健康美容銘豚“林SPFポーク”」をはじめ「ミート」にこだわった特別メニューを揃えた『クリスマスミートフェア(2023年11月16日~12月25日)』、および「いくらハート寿司」や「ハート型いちごパンナコッタ」等、「ハート」をテーマとした『バレンタインフェア(2024年2月10日~2月14日)』を開催し、リピート客数増大や新規顧客獲得を見据えた施策を推進した。

店舗開発では、2023年6月に「すし銚子丸横浜六ツ川店」(横浜市南区)を新規出店した。一方で、雇用がひっ迫し人件費が上昇する中で、限られた人的資源の有効活用とより効率的な店舗網の構築の観点から「すし銚子丸南浦和店」(2023年6月)、「同 三鷹店」(同7月)、「同 浦和木崎店」(同7月)を閉店した。同様に、コロナ収束後のテイクアウト需要急減により店舗採算の確保が難しくなった「すし銚子丸テイクアウト専門店荻窪店」(2023年6月)、「同 初台店」(同7月)、「同 落合店」(同7月)、「同ペリエ海浜幕張店」(同10月)を順次閉店した。以上により、同期末(2024年2月15日)時点の店舗数は87店舗となった。

その結果、売上高はイートイン客数の急回復および価格改定の定着等により大幅に伸長した。また、利益面では売上高の増加に加え、価格改定やフルオーダー化に伴う廃棄ロス減少等による原価率の低下、機械化・省力化等による利益体質の改善努力が奏功し、営業利益並びに経常利益も大幅に増加した。

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年間配当予想を増額修正

3月28日、銚子丸は2024年5月期・通期(2023年5月16日~2024年5月15日)の業績予想について、売上高で前期比9.3%増の211億1,500万円、本業の利益を示す営業利益で104.3%増の13億6,700万円、経常利益で74.5%増の13億8,600万円、純利益で51.7%増の8億4,600万円と従来予想(2023年12月28日公表)を据え置いた。とはいえ、営業利益と経常利益はすでに第3四半期で通期予想を上回っており、今後さらなる上方修正があるのか注目されるところでもある。

なお、冒頭でも述べた通り、銚子丸は2024年5月期の年間配当予想を従来計画の6円から12円に増額修正することも明らかにした。銚子丸はその理由について、①今期はコロナの呪縛から解放されて、イートイン客数が急回復したこと、②価格改定やフルオーダー化に伴う廃棄ロス減少等による原価率の低下、③機械化・省力化等による利益体質の改善努力が奏功し、前期を上回る業績が予想される……ことを挙げている。

引き続き、銚子丸の業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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