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六甲バター、純利益は102.9%増。株価は年初来高値、既存事業の拡大と新規事業の成長・投資戦略を推進

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(画像= La Caprese)

2024年4月2日、東京証券取引所で六甲バターの株価が一時1,447円まで買われ、年初来高値を更新した。2023年1月6日の安値1,225円から15カ月で18.1%の上昇である。

六甲バターは、主に「Q・B・Bブランド」のチーズ等の製造・販売を手がける企業である。その源流は、1948年に農林省指定のマーガリン製造工場として創業した「平和油脂工業」にまでさかのぼる。その後、1954年に「六甲バター」に社名を変更、1958年にはオーストラリアから輸入した原料チーズでプロセスチーズを生産し、Q・B・Bブランドとして発売を開始した。ちなみに、Q・B・Bには「Quality’s Best & Beautiful(最高の品質と最高のおいしさ)」の意味が込められている。

後段で述べる通り、六甲バターが公表した、❶2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の業績が増収増益となったことに加え、❷2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の業績予想についても増収増益の見通しが示されるなど、先行きへの業績期待が株価のサポート要因となっているようだ。

今回は六甲バターの話題をお届けしたい。

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六甲バター、純利益は102.9%増

2月9日、六甲バターは2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の業績を公表した。同期の経営成績は、売上高が前期比5.7%増の442億9,600万円、本業の利益を示す営業利益は81.2%増の6億2,600万円、経常利益は81.6%増の6億5,200万円、純利益は102.9%増の4億4,600万円と増収増益となった。

同期の経済環境は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和に加え、雇用や所得環境の改善も見られたことから回復基調となった。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル情勢等の影響による原燃料価格の高値推移に加えて、不安定な為替変動等により、先行きは依然として不透明な情勢となった。

このような経済環境下、食品業界およびチーズ業界は外食産業向け需要が堅調に推移する一方で、物価上昇等の影響から消費者の節約志向が高まる状況となった。六甲バターでは、チーズ製品の価格改定等に加えて、需要喚起の対策に取り組んだほか、原材料の安定調達に注力するとともに、経費削減・販売促進・生産能力増強・生産効率向上を目指し、全生産ラインの安定稼働に努めた。その結果、上記の通り、増収増益となった。

部門別では、主力のチーズ部門が家庭用のベビーチーズ製品および業務用チーズ製品等の販売増加により、売上高が前期比8.8%増の423億5,800万円と伸長した。一方、ナッツ部門は同4.0%減の6億1,200万円、チョコレート部門は51.2%減の10億8,000万円、その他部門は同98.8%増の2億4,400万円となった。

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既存事業の拡大と新規事業の成長・投資戦略を推進

2月9日、六甲バターは2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の業績予想について、売上高で前期比2.3%増の453億円、本業の利益を示す営業利益は同187.3%増の18億円、経常利益は同191.2%増の19億円、純利益は同135.3%増の10億5,000万円と増収増益の見通しを示した。

六甲バターは2024年12月期の経済環境について、雇用や所得環境の改善が見られるものの、地政学リスクや天候等による物価上昇の影響に加えて、為替動向等による企業業績の下振れリスクなど依然として先行き不透明な状況にあるとの認識を示した。このような経済環境下、六甲バターは、①食品メーカーとして最も基本である食の安全・安心の確保を最優先し、②既存事業の拡大と新規事業の成長・投資戦略を推進するとともに、③人材の育成や職場の環境を充実することにより、従業員の満足度の向上に努める意向を示した。同時に、東証プライム市場の上場企業として、持続的なコーポレート・ガバナンスの強化と、生産能力の増強、生産効率の向上を目指し、全生産ラインの安定稼働およびサステナビリティ活動に引き続き取り組む方針である。

引き続き、六甲バターの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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