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ゼンショーホールディングス、株価は上場来高値。外食事業が絶好調、営業利益で2期連続の過去最高益へ

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(画像= La Caprese)

2023年11月15日、東京証券取引所でゼンショーホールディングスの株価が一時9,274円まで買われ、株式分割を考慮したベースで上場来高値を更新した。今年1月4日の安値3,215円から10カ月余りで188.5%の上昇である。

ゼンショーホールディングスは、外食チェーンやスーパーマーケット等を傘下に置く持株会社である。特に外食チェーンでは、牛丼チェーンの「すき家」を筆頭に、うどんや丼物などを提供する「なか卯」、ステーキやハンバーグメインのファミリーレストラン「ビッグボーイジャパン」、ファミリーレストランやメキシカンレストランを展開する「ココスジャパン」、回転寿司の「はま寿司」などを擁している。M&Aに積極的な企業であり、2023年2月16日には100%完全子会社のゼンショーファストホールディングスが、ロッテホールディングとの間で、ロッテリアの全株式を取得する株式譲渡契約を締結して話題を呼んだ。

後段で述べる通り、ゼンショーホールディングスが11月10日に発表した、❶2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績が大幅な増収増益となったことに加え、❷2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想を上方修正したこと、❸さらに、年間配当予想を従来の40円から50円に増額修正したこと……などが株価にも刺激材料となった。

今回はゼンショーホールディングスの話題をお届けしよう。

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ゼンショーホールディングス、営業利益は211.6%増

11月10日、ゼンショーホールディングスは2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比20.5%増の4,526億1,000万円、本業の利益を示す営業利益は同211.6%増の253億9,500万円、経常利益は同78.0%増の244億2,000万円、純利益は同113.5%増の157億1,400万円と大幅な増収増益となった。

同期の経営環境は、ウクライナ情勢の長期化による原燃料価格の高止まりなどを受け、不透明な状況が継続した。一方で、新型コロナウイルス禍の行動制限が撤廃されたことに伴い、経済活動の正常化による人流の回復や個人消費の持ち直しも見られた。こうした中、外食事業では家族やグループでの利用が増えるなど需要の高まりが見られた。その結果、各報告セグメントの既存店売上高は「グローバルすき家」で前年比18.1%増、「グローバルはま寿司」は同10.2%増、「グローバルファストフード」で同14.1%増、「レストラン」で26.4%増、「小売」は0.4%減となった。ちなみに、同期末(2023年9月30日時点)の店舗数は、出店283店舗、退店117店舗の結果、1万4,740店舗(FC7,599店舗含む)となった。

報告セグメント別の概況は以下の通りである(売上高は、外部顧客への売上高)。

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グローバルすき家

「グローバルすき家」の売上高は前年同期比21.7%増の1,317億3,100万円、営業利益は同365.2%増の101億3,300万円となった。

「すき家」は日本国内と中国、東南アジアおよび中南米に展開しており、家族などのグループでも利用できるよう、主力の牛丼を中心に安全で美味しい商品を手軽な価格で提供している。同期は、国内すき家で「明太マヨチーズ牛丼」「月見すきやき牛丼」「ねぎ塩レモン牛丼」などを販売、中国のすき家では「菜の花ゴマダレ牛丼」「四季豆牛丼」などを販売した。

なお、同期末(2023年9月30日時点)の店舗数は、出店50店舗、退店40店舗の結果、2,623店舗(国内1,945店舗、海外678店舗)となった。

グローバルはま寿司

「グローバルはま寿司」の売上高は前年同期比17.3%増の938億3,200万円、営業利益は同19.1%増の49億1,000万円となった。

「はま寿司」は日本と中国などで展開しており、新鮮な海産物を使用した寿司に加え、麺類やデザート、ドリンクなどのサイドメニューも充実させるなど、子どもから大人まで楽しめる店舗運営に努めている。なお、同期末(2023年9月30日時点)の店舗数は、出店25店舗、退店1店舗の結果、637店舗(国内588店舗、海外49店舗)となった。

グローバルファストフード

「グローバルファストフード」の売上高は前年同期比30.4%増の994億5,800万円、営業利益は同22.1%増の50億1,100万円となった。

「グローバルファストフード」では、親子丼・京風うどんを中心とした「なか卯」のほか、国内では2023年4月1日よりグループ入りしたハンバーガーチェーンの「ロッテリア」、とんかつ専門店の「かつ庵」、武蔵野うどんの「久兵衛屋」などを展開している。そのほか海外で展開する、寿司テイクアウトのAdvanced Fresh Concepts Corp.や2023年5月23日よりグループ入りしたSushi Circle Gastronomie GmbH、ハラル認証を取得したチキンライス専門店を展開するTCRS Restaurants Sdn.Bhd.などが含まれている。

なお、同期末(2023年9月30日時点)の店舗数は、出店190店舗、退店56店舗の結果、1万130店舗(国内1,001店舗、海外9,129店舗、FC7,521店舗含む)となった。

レストラン

「レストラン」の売上高は前年同期比25.6%増の689億1,700万円、営業利益は32億6,600万円(前年同期は11億2,700万円の営業損失)となった。

ファミリーレストランの「ココス」では季節感を重視したフェアメニューの積極的な導入による商品の強化、専門店にも負けない本格的な味の追求、消費者が満足して食事を楽しめるようサービス水準を高め、業績の向上に努めた。そのほかパスタ専門店の「ジョリーパスタ」、ハンバーグ&ステーキレストランの「ビッグボーイ」、焼肉チェーン店の「熟成焼肉いちばん」、本格イタリアンレストランの「オリーブの丘」、和食レストランの「華屋与兵衛」などが同セグメントに含まれている。

なお、同期末(2023年9月30日時点)の店舗数は、出店15店舗、退店19店舗の結果、1,200店舗(国内1,199店舗、海外1店舗、FC78店舗含む)となった。

小売

「小売」の売上高は前年同期比1.6%増の391億9,100万円、営業損失はマネジメント体制や仕入の見直しを行い赤字額が縮小したものの、7億9,800万円(前年同期は14億4,200万円の営業損失)となった。

「小売」のセグメントには、北関東中心に展開しているスーパーマーケット「マルヤ」、「ジョイフーズ」などのほか、青果販売等を行っているユナイテッドベジーズなどが含まれている。

なお、同期末(2023年9月30日時点)の店舗数は、出店2店舗、退店1店舗の結果、133店舗となった。

本社・サポート

「本社・サポート」の売上高は前年同期比10.1%増の21億2,500万円、営業利益は同793.8%増の29億6,700万円となった。

「本社・サポート」のセグメントには、食品の製造・加工を担うGFF、物流機能を担うグローバルフレッシュサプライ、備品・ユニフォーム等を調達するグローバルテーブルサプライ等が含まれている。

その他

「その他」の売上高は前年同期比9.0%増の173億5,400万円、営業損失は7,600万円(前年同期は1億1,100万円の営業損失)となった。

「その他」のセグメントには、家庭用冷凍食品販売のトロナジャパン、醤油やドレッシングなどの製造・販売を担うサンビシ、介護事業を運営する輝、玄米・精米の販売を行っているゼンショーライス等が含まれている。

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営業利益で2期連続の過去最高益へ

11月10日、ゼンショーホールディングスは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比23.1%増の9,600億円、本業の利益を示す営業利益で同134.7%増の510億円、経常利益で同70.9%増の480億円、純利益で同126.2%増の300億円となる見通しを示した。これは従来予想(5月12日公表)に比べて、売上高でプラス6.8%、営業利益でプラス27.2%、経常利益でプラス28.4%、純利益でプラス30.4%の上方修正である。

ゼンショーホールディングスは上方修正の理由について、①新型コロナ禍の行動制限撤廃に伴い、経済活動の正常化による人流回復や個人消費の持ち直しが見られたこと、②積極的な新商品の開発とフェアの開催などにより、すき家、はま寿司、レストラン事業、ファストフード事業など外食の各セグメントが好調に推移したこと、③コスト面では原燃料価格の上昇が継続する中、適切な価格政策やコストコントロールにより営業利益・経常利益・純利益が想定を上回ったこと、④2024年3月期・第2四半期の実績に加えて、SnowFox TopcoLimited他計23社を新たに連結の範囲に含めたこと……を考え合わせて、2024年3月期・通期の連結業績予想を修正したとしている。ちなみに、見立て通りとなれば、営業利益で2期連続の過去最高を更新することになる。

なお、冒頭でも述べた通り、ゼンショーホールディングスは年間配当予想を従来の40円から50円に増額修正することもあわせて発表している。

引き続き、ゼンショーホールディングスの業績と株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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