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松屋フーズホールディングス、営業利益は590.5%増。株価は年初来高値、既存店売上高は20カ月連続のプラス

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(画像= La Caprese)

2023年11月7日、東京証券取引所で松屋フーズホールディングスの株価が一時4,780円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月10日の安値3,860円から10カ月で23.8%の上昇である。

松屋フーズホールディングスは、飲食事業を中心とするグループ企業を傘下に置く持株会社である。その源流は、1966年に東京都練馬区で開店した中華飯店「松屋」にまでさかのぼる。2年後の1968年には牛めし・焼肉定食店の「松屋江古田店」を開店、その後は順調に店舗数を増やし、現在は国内外で1,232店舗(2023年9月末現在、FC含む)をチェーン展開する企業に成長している。ちなみに、松屋江古田店は現在も「松屋1号店」として営業しており、店内には「松屋1号店 江古田店 松屋の歴史はここから始まった」と書かれたパネルが掲示されている。

後段で述べる通り、松屋フーズホールディングスが発表した、❶2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績で営業利益が前年同期比590.5%増と大幅な増益となったこと、❷2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想を上方修正したこと、❸2023年10月の既存店売上高(速報値)が前年同月に比べ15.6%増と20カ月連続のプラスを示したこと……などが株価にも追い風となった。

今回は松屋フーズホールディングスの話題をお届けしよう。

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松屋フーズホールディングス、営業利益は590.5%増

11月6日、松屋フーズホールディングスは2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比15.5%増の590億3,100万円、本業の利益を示す営業利益は同590.5%増の16億600万円、経常利益は同23.0%減の18億8,500万円、純利益は同39.3%増の13億2,700万円となった。

同期は既存店売上の好調に加え、前年度以降の新規出店等による売上増加分も売上高や営業利益の回復に寄与した。一方、経常利益は新型コロナウイルスに係る感染拡大防止協力金等の計上がなくなったことにより減益となったものの、純利益は売上高や営業利益の回復を受けて大幅に伸長した。

アフターコロナの「食のインフラ」としての責務を果たすために

同期は脱コロナが明確となり、社会活動、経済活動の正常化が緩やかに進む一方で、不安定な国際情勢や物価高などから依然として先行き不透明な状況が継続した。外食業界においては、インバウンド需要回復への期待感はあるものの、原料や資材、エネルギー単価の高騰等により、経営環境は依然厳しい状況が継続した。

こうした経営環境の中で、松屋フーズホールディングスは、アフターコロナの新たな食のインフラとしての責務を果たすべく「新規出店」「既存店改装」「人材投資」の持続的成長投資に重点を置いて、諸施策を推進した。

店舗数は1,232店舗、新たに25店舗を出店

同期の新規出店については、牛めし業態17店舗、とんかつ業態4店舗、鮨業態2店舗、その他業態2店舗の合計25店舗を出店した。一方で、直営の牛めし業態店5店舗、海外・その他業態3店舗の合計8店舗を閉店した。

一方、今期より台灣松屋餐飲股份有限公司が連結対象会社となったことにより、既存店5店舗が加わり、同期末の店舗数は1,232店舗(うちFC5店舗、海外12店舗)となった。業態別内訳としては、複合化によるとんかつ業態からの牛めし業態への業態変更1店舗、その他業態からとんかつ業態への業態変更1店舗を実施し、牛めし業態1,008店舗、とんかつ業態183店舗、鮨業態11店舗、海外・その他の業態30店舗となった。

131店舗の改装を実施、人材投資も推進

新規出店を除く設備投資については、131店舗の改装(全面改装2店舗、一部改装129店舗)を実施した他、工場生産設備などへの投資も実施した。

また、同期は人材投資として、初任給の引上げ、ベースアップ、インフレ手当、奨学金返済支援制度の導入決定等の待遇改善に加え、従業員へのタブレット配布によるEラーニングの強化等の活動を展開した。

商品販売および販売促進策を推進

さらに、同期は商品販売および販売促進策として、農林水産省が立ち上げた『牛乳でスマイルプロジェクト』へ参画し、牛乳廃棄問題への取り組みとして「ホワイトソースハンバーグ定食」の販売のほか、新商品として「牛肉チャプチェ定食・チャプチェコンボ牛めし」「デミグラスソースハンバーグ定食」「ねぎたっぷりスパイスカレー」「ネギ塩牛焼肉丼」等を販売した。同時に、『平成レトロ復活メニュー』として「トンテキ定食」「トマトカレー」「チキン定食」を販売したほか、台湾初上陸5周年記念企画「台湾フェア」として、「鶏肉飯」を発売した。

既存店売上高は20カ月連続のプラス

11月6日、松屋フーズホールディングスは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比15.8%増の1,234億円、本業の利益を示す営業利益で同138.4%増の35億円、経常利益で同2.2%増の40億円、純利益で同75.3%増の22億円となる見通しを示した。これは従来予想(5月12日公表)に比べて、売上高でプラス8.6%、営業利益でプラス250.0%、経常利益でプラス185.7%、純利益でプラス450.0%の上方修正である。

松屋フーズホールディングスは上方修正の理由について、既存店売上高の増加を指摘している。ちなみに、冒頭でも述べた通り、2023年10月の既存店売上高(速報値)は前年同月に比べ15.6%増と20カ月連続のプラスとなった。客数は9.8%増、客単価は5.2%増である。

引き続き、松屋フーズホールディングスの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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