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フジッコ、株価は昨年来安値 通期見通しを下方修正、原燃料価格の高止まりが圧迫

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(画像= La Caprese)

2023年2月3日、東京証券取引所でフジッコの株価が一時1,837円まで売られ、昨年来の安値を更新した。2022年5月6日の高値2,049円から9カ月で10.3%の下落である。

フジッコといえば、加工煮豆の「おまめさん」などのテレビCMを思い浮かべる人もいることだろう。同社は「おまめさん」をはじめ、刻み昆布の「ふじっ子」、とろろ昆布の「純とろ」など各種食品の製造販売を手がける企業だ。後段で述べる通り、1月27日発表の2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績の減収減益に加えて、通期見通しを下方修正したことで地合が悪化したようだ。

今回はフジッコの話題をお届けしよう。

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フジッコ、営業利益は51.9%減少

1月27日、フジッコは2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期に比べて2.8%減少の413億5,200万円、本業の利益を示す営業利益は同51.9%減の12億7,100万円、経常利益は同47.4%減の15億5,700万円、純利益は同48.1%減の11億4,200万円と大幅な減益となった。

同期は新型コロナウイルス禍に加えて、為替の急激な円安進行、ウクライナ情勢を背景とした原燃料価格の高止まりが続く中、食品業界でも値上げが繰り返し実施され、生活者の消費マインドを低下させる厳しい状況となった。このような環境下、フジッコはブランド価値の強靭化や、DX(デジタルトランスフォーメーション)の準備等に取り組んだほか、年間を通じて一番の繁忙期となる12月には黒豆を中心とした販売に注力した。しかし、売上高は上記の通り伸び悩み、利益面では想定を上回る原材料・エネルギーコストの増加等が圧迫要因となり、大幅な減益を余儀なくされた。

デザート製品は好調だが…その他の製品群が軒並み減収

フジッコの製品分類別の販売状況をみてみよう。まず、「惣菜製品」は、中華惣菜を扱う子会社フーズパレットが外販チャネルの開拓により堅調に推移し、「おかず畑」ブランドを中心とする包装惣菜は前年並みで推移した。しかし、その一方で日配惣菜の減収等が響き、全体では前年実績を下回ることとなった。

「昆布製品」は主力のカップ佃煮が好調に推移したものの、塩こんぶやとろろ昆布、だし昆布等は前年実績を下回る結果となった。なお、フジッコでは昨年12月より今後の需要喚起に向けた「よろこんぶキャンペーン」を実施している。

「豆製品」については、「おまめさん丹波黒黒豆」を中心に年末の拡販に注力したものの、煮豆市場のダウントレンドと水煮・蒸し豆の苦戦により、前年実績を下回る結果となった。

「ヨーグルト製品」は、健康意識の高まりや巣ごもり需要で好調に推移した前期からの反動減で、前年実績を下回った。なお、昨年11月から12月にかけては、購買促進を狙って「家族と話したくなるヨーグルト“あのね”が聞こえる朝ごはんキャンペーン」を実施した。

「デザート製品」については、「フルーツセラピー」シリーズの発売20周年記念キャンペーン等が寄与し、前年実績を大きく上回った。ちなみに、昨年11月からは期間限定商品「フルーツセラピー ゆず~レモン果肉入り~」を発売した。

フジッコ、通期見通しを下方修正

フジッコは、2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比1.6%減少の542億円、本業の利益を示す営業利益で同52.4%減の15億円、経常利益で同48.7%減の18億円、純利益で同24.4%減の16億円となる見通しを示した。これは従来予想(2022年10月24日公表)に比べて、売上高でマイナス0.7%、営業利益でマイナス16.7%、経常利益でマイナス10.0%、純利益でマイナス11.1%の下方修正である。

フジッコは下方修正の理由について、原材料やエネルギーコストの上昇が継続して利益を圧迫していることなどを挙げている。ロシアのウクライナに対する軍事侵攻から、まもなく1年を迎えようとしているが、依然として戦争が終結する見通しは立っていない。このような情勢で、フジッコの経営陣がどのような舵取りをするのか、引き続き注目されるところである。■

(La Caprese 編集部)

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